家の前のパームツリーがようやくキレイに剪定されました!感謝!
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家の前のパームツリーが剪定されてキレイになりました。感謝!
もの言う牧師のエッセー 傑作選
第85話 「 ハンバーガーでバカ騒ぎ 」
5月6日、オハイオ州クリーブランドの民家に約10年にわたり監禁されていた3人の若い女性の救出劇は全米に衝撃を与えた。身の毛もよだつような陰湿な犯罪に人々が言葉 を失ういっぽうで、女性らが懐かしい我が家にようやく帰ることが出来た事実に安堵した。
救出のきっかけとなったのは、3人の女性の一人のアマンダ・ベリーさんがドアを内側から 激しく叩きながら助けを求め、それを聞いた隣人の男性であるチャールズ・ラムジーさんが 急いで駆けつけドアを蹴破ったことに始まる。
実はこの時、彼は食事中で頬張っていた “ビッグマック” を脇に置いて救出に及んだらしい。で、このニュースを聞いた全米のSNSユーザーからマクドナルドに対し、ラムジーさんが マクドナルドを宣伝してくれたことに報いるべきだと訴える投稿が殺到。同社はこれに答える形で「来年1年間ビッグマック食べ放題」を確約し、行方不明になった子どもの捜索活動を支援している団体に1万ドルを寄付。
さらに彼が皿洗いとして働くレストランでは「ラムジーバーガー」を販売開始したところ、クリーブランド中のレストランから同メニュー販売のオッファーがラムジーさんに殺到。おまけに彼らは「一生ハンバーガー食べ放題」まで提示してきたのだ。ラムジーさんの慈善の行為が、今や多くの野次馬を巻き込む付和雷同のバカ騒ぎとなってしまった。
業を煮やした彼は、「俺はハンバーガーはもういらない。今回の被害者たちに役立つことをしてくれ。」と短いコメントを発表。これを見て、かつて歌手のマドンナが出産した際に世界中から子供服が殺到し、彼女が「服は要らないから貧しい人に寄付して」と言ったことや、日本でも「Pray for Japan」がブームになったりしたことを思い出した。
「施しをする時には、人に褒められたくて会堂や通りで施しをする偽善者たちのように、
自分の前でラッパを吹いてはいけません。」 マタイの福音書6章2節
と、キリストが警告しているが至言である。困った人を助けるというのが慈善の基本であるはずだが、それが売名行為であったり、自己満足であったり、“お祭り“ であったとしたら悲しい。残念ながら真の慈善は、神でありながら自分を犠牲にして、十字架によって私たちを救って下さったイエスへの信仰を通してしか実行出来ないということを付け加えておく。 2013-6-21
もの言う牧師のエッセー 傑作選
第84話 「 ランボルギーニ 」
先日、近所の “フェラーリ屋” の前を通ったら ”ランボルギーニ屋“ に変わっていた。なるほど、そう言えば今年で創立50周年を迎えたランボルギーニは、サンタアガタ・ボロネーゼにある本社でド派手な記念イヴェントを開催し、世界中からファンが駆けつけ盛大に祝ったことがあったな、などと妙に感心した。
「Raging Bull/暴れ牛」のロゴで知られ、高級車ファンのみならず、それを見る者の目を釘付けにするランボルギーニではあるが、彼らの最初の自社製品は意外にも農業用トラクターだった。経済効率のよい優れたトラクターだったために農家の間で大ヒット。続けてボイラーやエアコンの製造販売も手がけてこちらも成功する。これで巨万の富を築いた創業者のフェルッチオ・ランボルギーニは、自動車好きなためマセラッティやメルセデスなどの高級車を次々に 買い集め、富の象徴であるフェラーリも多数手に入れた。しかし、どの車も狭すぎたり、暑すぎたり、パワー不足。特にフェラーリは欠陥が多く、中でもクラッチの故障は頭痛の種となった。
業を煮やした彼は、ある日そのフェラーリを自社のトラクター工場に持ち込みクラッチを分解してみると、何と使われていたのは自社製トラクターにも採用しているボーグ&ベック製クラッチだったのだ。しかもフェラーリは全く同じ製品であるにもかかわらずトラクター用の10倍の値段をつけていたという。もともと腕利きのメカニックであるフェルッチオはサッサと修理。ついでにキャブレターを改良し、当時SOHCだったフェラーリのエンジンをDOHCに換装。ここに “フェラーリより速いフェラーリ” が誕生し、彼は高級スポーツカー製造への道を踏み出すのである。それからというもの、今日まで彼らは「汗で助手席に座るレディのメイクアップが落ちないような快適な車を作りたい」と、エレガントな車を送り出して来た。
が、この度50周年を記念して作られたスーパーカーの名は何と「エゴイスタ/利己主義」。究極の世界に一台しかない車なので一般販売の予定はなく、チーフデザイナーのウォルター・デ・シルバ氏によれば、「客ではなく自分が楽しむための車」と言う。創業者のフェルッチオはかつて大衆に役立つマシンを作り、女性にとっての快適さを追求したはずだったが、なぜ?
「私の心は主を誇り、私の角は主によって高く上がります。
私の口は敵に向かって大きく開きます。
私はあなたの救いを喜ぶからです。」 Ⅰサムエル記2章1節
と、勝利を喜ぶ祈りが聖書にはある。ランボルギーニのロゴにもある「角」は、聖書では力や支配を表すが、それは自分勝手に振舞うことではなく、力を得た者が「神による救いを喜ぶ」、つまり「神と人を愛し、義を達成すること」なのだ。したがって聖書は、“全国制覇” や世の中を支配することなどは何も否定していない。問題はその力を己のためにだけ使おうとする人間のエゴにあり、それが罪であり、悪なのだ。ランボルギーニの歴史を振り返ると、 まるで人間の性である罪の縮図が浮かび上がるかのようだが、キリストこそは、まさにその罪のために来られ、犠牲となったことを覚えたい。 2013-6-13
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第47話 コロナ、ロックダウン、妻の事故
⑳「 感謝と勇気を持って進もう 」 シリーズ最終回
そもそも事故の原因はフリーウェーでわき見運転をしていた男が高速で妻の後ろからブチ当てたこと。詳しくは警察のポリスレポート(検証報告)待たねばならない。通常3週間かかり、当事者が10ドル払って手に入れる。私は妻が収容された救急車に乗り込みすぐ現場を離れたので現場検証を見ておらず(35話参照)、適切に行われたか不安だったが全てを神に委ね祈りつつ待った。ようやく発行されたポリスレポートを受け取りに近所のCHP(カリフォルニア・ハイウェイ・パトロール)のステーションへ出向いたが、何と署内へは入れず外で待たされた。やれやれ又してもコロナのせいだ。しかしポリスレポートには正確に事故原因の詳細が図解付きで記されており、100%相手の過失であることが証明されていたので胸をなでおろした。これで相手にカネを払うような理不尽は起こらない。
だがさらなる苦難が始まる。当方の保険屋はポリスレポートの結果を喜んだものの、それはあくまで”相手に金を払わないですむだけ“の話で、”相手が金を払ってくれるかは定かでない“と言う。なるほどアメリカでは無保険・無免許ドライバーが大勢いるからだ。案の定、相手のドライバーはその車を借りてただけで所有しておらず、しかも自賠責保険しか加入してないので全額で15000ドルしか支払われないことが分かった!ここまですでに医療費や救急車代だけで2万ドル以上かかってるというのに! もちろん車の弁償もなし、トホホ。ガックリ来たところへ何やら変な手紙が見知らぬ弁護士から届いた。“本事案を受け持つ“などと書いてあるが私は弁護士を雇った覚えはない。調べた結果、その弁護士は妻が搬送された病院の弁護士で、2万ドルの医療費を確実に支払わせるために保険会社に手を回し、こちらに支払われるはずの金を差し押さえようと目論んでいた! ビックリ!
アメリカでは医療費が高額で治療費を踏み倒す者が多いのでこうなる、などとかえって感心した。こうなると弁護士の出番なのでこちらも弁護士を雇った。もはや”敵“は相手ドライバーではなく病院とその弁護士、そして”私の保険会社“となり、相手保険からまず15000ドルを回収し、残り差額5千ドルのために病院と交渉し治療費減額を訴え、同時に私の保険会社から少しでも金を引き出そうと弁護士が奔走する。過失者側保険が自動的に払う日本と大違いなのである。今のところ何も進んでおらず弁償はゼロ。たいてい2年以上かかる。いっぽう弁護士は成功報酬でやってくれているのでこちらもその費用はかからない。しかも良いカイロプラクターの医者も紹介してくれた。決着がついた時点で 私どもと弁護士と医者が賠償金からそれぞれ1/3ずつ受け取る仕組みなので、このケースでは医療費を差し引いたら弁護士は全く儲からないだろう。彼の好意と彼を送ってくださった主に感謝だ。
いっぽうロックダウンは続き収入はなく、冬に入り妻の首痛もひどくなった。これからどうなるか全く見えない。しかし一つだけはっきりしていることは「神は善いお方である」こと。我らの信仰はビクともしない。それどころか これまで証ししたように多くの祈りと励ましに与り全き平安の中で喜んでいる。今ここに「コロナ、ロックダウン、妻の事故」シリーズを終える。キリスト者として私ども夫婦と仲間の不器用な生き様が、本エッセーを読む信仰者方の模範となり、神の前にへりくだり、忍耐の道を感謝と勇気を持って進んでくだされば望外の幸せである。
「私は山に向かって目を上げる。
私の助けは、どこから来るのだろうか。
私の助けは、天地を造られた主から来る。」
詩篇121篇1‐2節 12-28-2020
牧師、バイカー、鮨職人として。。。シェア from LA
第46話 コロナ、ロックダウン、妻の事故
⑲「 車をくれた男 後編 」
引き渡しの日になり長田さんがインフィニティG35に乗ってやって来た。見るとタイヤがイタリア製の真新しいピレリだ! 私のようなバイク乗りならだれでも知ってる走り屋用のタイヤ。「ひょっとして」と思い彼が持参したメンテナンス記録を見て驚いた。何とタイヤ以外にもブレーキローターやバッテリー、高性能フロントサスペンション、さらにはコイルなど点火系パーツ一切合切を交換するなどリビルドしてる!「あと10年走れるように2、3年かけて整備しました」と事もなげに言う彼。しかも内装のレザーシートがオイルでしっかり保湿されてて今もふかふかのカウチみたい。道理で17年前の車とはとても思えない。
「先生、あのクルマはディーラーでは7000ドルはしますよ。」とメンバーのアシュリー兄弟(7~10話参照)。彼は最近ディーラーで中古車を買ったので価格状況には詳しい。長田兄弟の言い値は当初$2500ドルだったがその倍以上の資金が修理に費やされている。それは自身があと10年走るための投資だった。彼は要らなくなったものをくれたのではなく、明らかに本人が必要としてるものをくれた。「本当にいいんですか? 私はあなたには何もお返し出来ませんよ。」と聞いたところ、「いえ。教会で用いてほしいのです。また、聖霊がそう仰ったのです。『牧師に譲れ』と。」
主に対する誠の信仰心を示す彼だが、聞けば元もとカトリックや聖公会を振り出しにバプテストやルーテルを渡り歩いた典型的超教派。私も元バプテストでルーテルにも16年在籍するなど超教派だが、驚いたのは彼が自身の通う教会以外にも海外宣教や地元のホームレスミッションなどに献金してきたことだ。これは私どもが目指す「超教会型教会」のコンセプトとも合致し、我が教会ボードメンバー第一号のドーソン兄弟も同じことをしている(6,10話参照)。本来の宣教とは “おらが教会“ だけを潤すものではなく全ての人に福音を知らせるべきものだから。
さらに驚いたのは、彼は私の大先輩である大谷文三師が牧会していたガーデナ・バレー・バプテスト教会で3年間かかる“弟子プログラム”を終了したばかり。しかもそのプログラム自体が私どもと同じ“ダラス神学系”であることが分かった。コロナで礼拝がなくなり次のミッションを模索しつつある中の出来事だけに彼も驚いていたが、これを機に我が教会で共に主にお仕えすることを決意。単なる礼拝出席ではなく、現在、共に学び、愛餐に与り、エッセーの英訳やギター伴奏、訪問、海外宣教献金などの奉仕をされている。言うまでもなく妻の事故がなければこの素晴らしい出会いはなかった。主は私どもに車をくださっただけでなく、自身を主に捧げ共に働く兄弟までも送ってくださった。出来過ぎだろと言いたくなるほどの神の導きに感謝!
「兄弟たち。私は、神の憐みのゆえに、あなたがたにお願いします。
あなたがたの体を、神に受け入れられる、聖い、生きた供え物として捧げなさい。
それこそ、あなたがたの霊的な礼拝です。」
ローマ人への手紙12章1節
12-24-2020
牧師、バイカー、鮨職人として。。。シェア from LA
第45話 コロナ、ロックダウン、妻の事故
⑱「 車をくれた男 前編 」
事故でマスタングが全損になったので車を探さねばならなくなった。カネがないので格安で手に入れるため祈りつつツテをたどることに。最初に連絡したのがノリ牧師だった(41話参照)。彼に伝えた条件は3つ。①出来ればタダで欲しい。②出せるのは約1000ドルまで。③ボロ車はダメでちゃん使えるモノ。ずいぶん都合のいい無茶苦茶な祈祷要請をしたものだが、今回の事故が当方の過失によるものでは全くなく明らかにサタンによるものであることを御霊に知らされていたことに加え、教会歴・宣教歴 半世紀以上の経験から神さまは御心ならば厚かましい祈りも聞かれるということを知っていたのでとにかく必死に祈った。
今回の事故で改めてはっきりしたのが車体は頑丈であるべきこと。当然ボディーを強くすれば車重が増すのでサカサカ走りたければトルクが必要でエンジンは大きくパワフルなものとなる。それで長らくアメ車に乗ってるが、アメリカにはクレッグリストなど多くの委託販売サイトがあるのであちこち検索した結果、マスタングのように5リッターは無理でも3リッター前後でV6エンジンのアメ車なら何とか買える可能性が出て来た。そこで見つけたのがマスタングと同じフォードのフュージョン。不人気なので10年前の型で3000ドル台で買える。買う気はないが50キロ程度離れたところに住んでいるクリスチャンFB友の長田さんにメールしてスペックを聞いてみた。
彼の父上は日産の元幹部でフェアレディZをはじめ様々なプロジェクトに参画し長らく南カリフォルニアの米国日産本社にもいた優秀な人。なので長田さんも車に関してはめっぽう詳しく何でも知っている。彼によればフュージョンは良い車だがマツダの製作ですよと言われた。なんだ日本車と同じじゃないかと思案してると「日産の2003年型G35を持ってますが買いませんか?」と彼が打診して来た。3.5リッターのV6エンジンだという。写真を送ってもらってビックリ。これまでしっかりメンテされて来たのでピカピカ、内装も見事なもの、トラブルも一切ない“上物”だ。胸が高鳴った。しかもたった2500ドルで譲りたいと言う! すでに教会理事のドーソン(6,9,10,17話参照)から1000ドルの献金をいただいてたので予算より500ドル超過するだけ。「さすが神さま!」と主を称えつつ買うことにした。
ところで全損になったマスタングは私の私用車だったが、今回購入する車は「教会車両」として登録するつもりなので、彼がクリスチャンであることを念頭に祈りつつ「奉仕のために使うのでもう少し安くなりませんか?」と厚かましく聞いてみた。が、彼はぐっと黙ってしまった。明らかに気まずい雰囲気になりそうだったので それ以上は深追いせず引き渡しの期日を決めて電話を切った。しかし、引き渡しを翌日に控えた夜の12時に「チン!」とスマホのテキストが鳴った。彼からだ。「何だ?ひょっとしてキャンセルされるかも」と恐るおそる画面を見て驚いた。「先生、あの車を先生の教会へ寄付したいと思います。よろしいでしょうか? 教会の御用にお使いくだされば嬉しいです。」 頭の中が真っ白になった。。。 Hallelujah。。。
「どうか、私たちの内に働く力によって、私たちの願うところ、思うところの全てを越えて豊かに施すことのできる方に、教会により、またキリスト・イエスにより、栄光が、世々にわたって、とこしえまでありますように。アーメン。」
エペソ人への手紙3章20-21節
12-13-2020
苦しみのうちに、私が主に呼ばわると、主は私に答えられた。
詩篇120篇1節
牧師、バイカー、鮨職人として。。。シェア from LA
第44話 コロナ、ロックダウン、妻の事故
⑰「 さらばマスタング 」
事故から一夜が明けた。やるべきことが山のようにある中で最初にやったのが大破したマスタングの処置だ。ボヤボヤしてるとジャンクヤード(廃車置き場、或いは一時預かり場所)の使用料が一日200ドル以上もかかりたまったものではない。病院前でラインハート警官(36話参照)から貰ったジャンクヤードの番号にさっそく電話をした。「今すぐ廃車にすれば無料だが、廃車せず家へ持って帰りたければ”持ち出し費用“に約600ドル弱かかる」と言う。訳が分からん。車は自走出来ないので持ち帰るならレッカー代がもう200ドルかかることになる。修理すればさらに車一台分はかかる。そんなカネはない。むしろ廃車費用はタダなので廃車にすることにした。
全身打撲で倒れてしまっている妻を家に残してジャンクヤードのあるLAまで出かけた。24年間連れ添い、32万キロ以上走った93年型フォード・マスタング。ついに別れの時が来たかと万感込み上げてきた。様々な思い出がフラッシュバックしては消えて行く。いわゆる“族車”仕様で若い頃はずいぶん無茶な走り方をした時代もあったが、今回の事故を含めここまで守ってくださった神に感謝しつつ車を走らせた。
ジャンクヤードはCHP(カリフォルニア・ハイウェイパトロール)と提携する厳重な雰囲気で、殺風景な小さなオフィスにお客さん専用の小窓が一つあるだけ。部屋のあちこちに監視カメラがある。CHPの処分を不服とする者が暴れたりすることをへの対策であることが容易に伺い知れた。アメリカでよくいる大柄な太ったオバチャンが出て来て窓越しに一分ほどで手続きが完了した。廃車するのだから当たり前の話だが、実は最後にマスタングを記念撮影をしようと三脚などを持参した。それに車内にはまだ“遺留品”もあるので取りださねばならない。そのことをオバチャンに告げると驚愕すべき言葉が返って来た。
「あなたはこの敷地内に入れない。」「何だって?!」驚く私に彼女は「コロナなので関係者以外は入れません。遺留品はこちらで取り出しますのでそこで待機してください。」思わず頭の中が真っ白になった。折からコロナ危機の最中。アメリカ内外では亡くなった罹患者を家族が葬ることも許されない状況が続出していたが、まさか自分の車がそうなるとは! 結局、敷地を囲むフェンス越しに無愛想なオッサンから遺留品を手渡されただけで終わってしまった。何十年も乗った車というのに何とはかない最後!
「人の子よ。見よ。わたしは一打ちで、
あなたの愛する者を取り去る。嘆くな。泣くな。涙を流すな。」
エゼキエル書24章16節
この頃いただいた主の言葉である。罪にまみれるイスラエルへの警告として、預言者エゼキエルの妻を神が殺した時の言葉がこれだ。預言者はいつも苦労する。ここ数年にわたる神からの警告のメッセージ(28話参照) がここに極まった。しかし妻は言った。「神さまは私たちを打たれたけど、マスタングのお陰で私は助かった。マスタングは私の身代わりになったんや。」 その通りだ。私は大事なものを失ったが、最も大事な存在である妻は救われた。マスタングは妻を守り壮絶に散った。神の憐みに感謝し 主を称えつつ2人で前を向いた。 12-3-2020
牧師、バイカー、鮨職人として。。。シェア from LA
第43話 コロナ、ロックダウン、妻の事故 ⑯「 祈りの援軍 Part 3 」
妻の事故を巡っては、大阪にある私ども夫婦の出身教会からも多くのギフトをいただいた。しかし今回、「日本からの応援」に関してもう一つ大きな恵みに与った。何と日本のFB(フェイスブック)友から郵送で100ドルの献金が届いたのだ。出身教会以外で日本から献金をいただくのはこれが初めてで、同時に初めての日本のFB友からの献金となった。つまり”山が動いた“のだ。送り主は名古屋市在住の秀幸さんでFBでは5年前に繋がった。
控えめな人なのでどちらかと言うと頻繁にコメントし合う間柄ではない。しかし彼は、妻の事故の1カ月前にカリフォルニアがロックダウンになり私どもの収入が断たれた時、熱心に献金の銀行振り込みを打診してくださった。とは言うものの、彼はリーマンショックの際に職を移り現在は自動車部品のトラック配送ドライバーされてる倹しい人。様々な要因が重なり家族とも離ればなれになり今は独身だが、昨年に母上が、今年の夏に父上が召されるまで、ずっとご両親の介護までされていた。とてもではないが他人に献金をするどころではないはず。丁重にお断りした。
しかし1カ月後、妻が大事故に遭った直後、「先生、”お手紙”をさせていただきました。着いたらよろしく」とFBメールが来た。「お手紙?しまった!」と思った。私どもの状況を見るに堪えかねギフトを送ってくださったのだ。しかもこの時期のアメリカの郵便システムは破綻同然だった。コロナ禍で下手をすれば隣町に数週間かかることも珍しくない有様。紛失も多くあり、彼が生活を切り詰めて送ってくださった大事なギフトが届かないかも知れない。案の定、待てど暮らせど届かない。祈りつつ待つ日々。さすがに秀幸さんも焦り始めた。しかし3カ月ほどもたったある日ついに届いたのだった。
見ると新品の1ドル札が5枚もあるなど細かい紙幣が多くあり、宛名がたどたどしい字で書かれいる。思わず目頭が熱くなる。実は私どもが教会から給料を貰わず献金を他のミッションなどに捧げて来た理由がここにある。私たちが欲しいからではなく、イエスがご自身を私たちにお与えになったように「あなたがたにもそうして欲しい」からだ。これまで教会がカネで揉めるのを多く見て来た。学校を出たばかりの牧師が教会へ派遣されてすぐに給料を貰うシステムに組み込まれる弊害も見た。与えるべき者が”貰う側“になるからだ。しかし
「神は喜んで与える人を愛してくださる。」 第二コリント人への手紙9章7節
とあるように、秀幸さんは喜んで私どもに手を差し伸べ、慣れない国際郵便を使ってまでギフト送ってくださった。そう言えばこのたびギフトをくださった全ての人たちは“貰った”私ども夫婦より喜んでいた。喜んで他者を助けることにより真の信仰者であることを示した。何と頼もしい援軍であろうか! 11-25-2020
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