『ぬばたま』って、何?
「たま」からは「魂」を連想します。
調べると「檜扇」の実(種)のことでした。
この種は、射干玉と表記して、 漆黒色 をしています。
古の万葉集に枕詞として「ぬばたまの」が登場しています。
これに続くのは「夜」、その他にも「夢、黒、夕、月、妹(いも)」があります。
『ぬばたま』 あさのあつこ・著 新潮社
画像は、左が単行本、右が文庫本です。
『ぬばたま』の夜(新月の夜)がよく表現できている装丁です。
もうすぐ、その新月の夜がやってきます。
怖い怖い本です。
●KUMAさんへ●
蛇と艶めかしい女人が登場するので読まない方が良さそうです。
また、新月の夜には山には行かないように!!
新潮社の紹介文より
・・・・山は人を食らい、緑は人を狂わせる。都市の人たちは、あの恐怖を知らないのだ。
「おれ、怖ぇえよ。死ぬのが怖ぇえよ」
あの夏の日、山へ入らなければ、ぼくたちの運命は変わらなかっただろうか。
けれど、彼は山に呼ばれてしもうた……。
死にゆく者の無念と生きぬく者の苦しみ。
『バッテリー』で人気の著者が身近に暮らす山々を舞台に描いた、怖ろしくも哀しい、大人の胸の奥を疼かせる四つの物語。
内容(単行本「BOOK」データベースより)
山は人魂の還るところだ。恐怖の裏に安穏があり、冥福がある。
山に囲われて生きた者は、みな誰も還るのだ。山に抱かれて朽ちていく。
都市の人たちはあの恐怖を、あの陶酔を、知らないのだ。
逝く者と残る者と、淋しさはどちらが勝るのだろうか。答えはまだ、つかめない。
生き抜く苦しみを知る大人たちへ贈る慈愛に満ちた物語。
内容(文庫本「BOOK」データベースより)
ときどき、こんな人がいるのです。山に入ったまま、帰って来られなくなってしまった人が―。
仕事も家族も失い、絶望のうちに山を彷徨う男が見た恐ろしい幻影。
少女の頃に恋した少年を山で失った女の、凄絶な復讐。
山で見たおぞましい光景が狂わせた、幼なじみ三人の運命。
死者の姿が見える男女の、不思議な出会い。
闇と光、生と死、恐怖と陶酔が混じり合う、四つの幻想的な物語。
作者は、岡山県出身です。
本の中にも岡山弁(たぶん)が出てきます。
叔母一家が岡山に住んでいるので、何だか懐かしい言葉遣いに感じます。
小学生のわたしは、夏休みに何度か当時倉敷市に住んでいた叔母の家(アパート)を
訪れました。
その頃叔母が住んでいた近くには小高い丘だったのか、山だったのかがあり、
その下には洞窟のような穴があり、しめ縄飾りがしていました。
それが何だったのかは小さかったわたしには分かりません。
中学時代にその洞窟は他次元へ通じる洞窟としておはなしを書いたことがありました。
この本を読んで、その洞窟を思い出しました。
叔母の家は、その後新築して、郡部に引っ越したためにその洞窟のことは
ほとんど忘れていました。
また、もっと以前、祖父の家に泊まりに行ったわたしは、10、15、20歳離れた母の妹(三人の叔母たち)に連れられて、夜、近くのお店までお菓子やアイスクリームを買いに行きました。その道中が怖かったのを思い出しました。
直前に読んだ「血太郎」の漫画の吸血・血太郎が歩いている間に血を吸いにやってくるのではないかと、背後を振り返りながら足をジタバタして歩いたのを想い出します。
怖いもの好きのわりに凄く怖がりです。
怖い話を読み終わって、弐話に登場する安心タクシーの乗務員・門田次郎さんの優しさが
こころに残ります。
怖いけれど、昨日一気に読了しました。
★4つの面白さです。
いえいえ、ピスタチオケーキのおはなしではありません(笑)
本のおはなしです。
久しぶりに梨木さんの長編小説が出たので、読みました。
どうにか最後まで読めました。
『ピスタチオ』 梨木香歩著 筑摩書房
物語の水源へ すべては、繋がり、死に、生まれ、また流れてゆく。
なにものかに導かれてやってきた、アフリカ。棚は、すでに動きはじめたこの流れにのるしかない、と覚悟をきめた…。待望の最新長篇小説。
緑溢れる武蔵野に老いた犬と住む、ライターの棚。アフリカ取材の話が来た頃から、不思議な符合が起こりはじめる。そしてアフリカで彼女が見つけたものとは…。物語創生の物語。
『ちくま』連載を書籍化。
★4つというところでしょうか?
ますます神秘的になってきました、梨木作品。
難解な内容(さらっと読めません・・・多岐に渡って意味がありそう)ですが、地表の奥底の流れる水音を聴きながら読み進みました。
表紙からもピスタチオが繁茂する地球の源が窺えます。読了後なら静謐な音が聴こえてきそうです。
日本とアフリカを描いた作品です。
日本とアフリカは、地球の根源で繋がっているようにまた、人間と地球はたまた宇宙は見えない力で繋がっているように、壮大な広がりを感じます。
数年先に再読すると、また深まりそうな気がする作品です。
『f植物園の巣穴』
歯痛に悩む植物園の園丁がある日、巣穴に落ちると、そこは異界だった。前世は犬だった歯科医の家内、ナマズ神主、愛嬌のあるカエル小僧、漢籍を教える儒者、そしてアイルランドの治水神と大気都比売神……。人と動物が楽しく語りあい、植物が繁茂し、過去と現在が入り交じった世界で、私はゆっくり記憶を掘り起こしてゆく。怪しくものびやかな21世紀の異界譚。
この作品は、前世は犬だった歯科医の家内のおはなしのところで、扉が閉じてしまって進んでいません。
こちらも摩訶不思議な作品なのです。
『小さいおうち』中島京子・著 文藝春秋 1660円
〜昭和初期、ある一家の忘れがたい、秘めた恋の物語
女中奉公の記憶を綴るタキの胸に去来する、昭和の家庭風景と奥様の面影、切ない秘密。そして物語は意外な形で現代に繋がり……
◆内容紹介◆
昭和6年、若く美しい時子奥様との出会いが長年の奉公のなかでも特に忘れがたい日々の始まりだった。女中という職業に誇りをもち、思い出をノートに綴る老女、タキ。モダンな風物や戦争に向かう世相をよそに続く穏やかな家庭生活、そこに秘められた奥様の切ない恋。そして物語は意外な形で現代へと継がれ……。最終章で浮かび上がるタキの秘密の想いに胸を熱くせずにおれない上質の恋愛小説です。
昨日、録画予約を入れるためにテレビをつけると、ちょうどこの本のレビュー番組が放送中でした。
読みたい気分を刺激する本です。
題名と表紙から、絵本の『ちいさいおうち』をもちろん連想しました。
現代語訳では随分以前に『窯変 源氏物語』橋本治訳で楽しみました。
これはまた違う意味で大変楽しめるまさに「現代語訳!!」です。
すらすらと読めるので、最近本が読めなくなったわたしでも次から次へとページを繰ることができます。
まだ一巻を読み始めたばかりですが、これは久しぶりに続巻(四まで刊行され、十巻まで刊行予定)を買いたくなる本です。
秋の夜長を源氏の君とともに過ごします。
『ざぼんじいさんのかきの木』を本日の絵本に選んだきっかけは、昨日の中学校の読み聞かせ後の会話にありました。
柿が店頭に並び始めた話→「そういえば柿の絵本があったよね」→『ざぼんじいさんのかきの木』を思い出しました。
そこから、木練柿(こねりがき)の話に発展しました。
(木練柿とは・・・木に着いたまま熟す柿のことです)
通常(月夜の晩)は渋柿なのに・・・新月の晩になると甘くなる柿があるそうです。
中に胡麻模様のある柿。
熟しているのを確認する時は、皮を少しだけ引っ掻いて見るとのこと。
渋柿が、何故か新月になると甘くなる?
どちらかというと、月夜の晩は甘くて、新月の晩は渋くなるイメージなのですが・・・。
人のこころの明と暗を暗示しているようにも思えてきました。
その話を聞きながら、 あさのあつこ著『木練柿』を連想しました。
第3巻が出て、1年になりました。
そろそろ続きが読みたくなりました。
最初の三日間は、ちびちび読んで・・・本日一気に読了しました。
『蒼穹の昴』『珍妃の井戸』『中原の虹』から続く壮大な物語
『マチュリアン・リポート』浅田次郎著・講談社
内容説明
爆殺――その朝、英雄の夢が潰えた。
剛胆にして繊細。優しくて非情。
流民の子から馬族の長にのしあがり、
ついには中国全土をも手に入れかけた稀代の英雄・張作霖の、壮絶なる最期。
昭和3年6月4日未明。張作霖を乗せた列車が日本の関東軍によって爆破された。
一国の事実上の元首を独断で暗殺する暴挙に、昭和天皇は激怒し、
誰よりも強く「真実」を知りたいと願った――。
「事件の真相を報告せよ」。昭和天皇の密使が綴る満洲報告書。
そこに何が書かれ、何が書かれなかったか。
いま解き明かされる「昭和史の闇」。
息を呑む展開、衝撃の「真相」、限りなく深い感動、――傑作長篇小説の誕生!
-----------------------------------------------------------
息を呑む展開、衝撃の「真相」、限りなく深い感動・・・とまでは行きません。
歴史的背景は頭が痛くなりますが、物語としてはとても楽しめました。
25年の眠りから覚めた『龍鳳号=ドラゴン・フェニックス号』(爆破された列車)と
棟梁(技術者)の語りは、とても興味深く楽しめました。
そして、最後に登場した春児と占い婆。
龍玉の行方は次への繋がりに・・・まだ続きそうです。
夏休みに読んだ唯一の本です。
先日、妙見神社に一緒に行った友人が「今読んでいる本に出てきそうな神社だわ。読み終わったら貸してあげるね」と先日貸してくれました。
九つの短編集です。
『ミラクル・ファミリー』柏葉 幸子・著 講談社文庫
たぬき親父
春に会う
ミミズク図書館
木積み村
ザクロの木の下で
「信用堂」の信用
父さんのお助け神さん
鏡よ、鏡・・・・・・
父さんの宿敵
◇出版社/著者からの内容紹介◇
「うちのお父さんにも、『オヤジ』じゃない時代があったのかも……。」そんな当たり前のことを思い起こさせてくれる、おもしろくてせつない、九つの家族を描(えが)いた短編集。
ふだんはめだたないお父さんたちが主役の、せつない家族ファンタジー。
◇内容(「BOOK」データベースより)◇
年に一度、春の川辺にやってくる緑の髪の女の人。真夜中にだけ開館する秘密の図書館。鬼子母神伝説がささやかれる、ザクロの木のある保育園。父さんが聞かせてくれた昔話はどれも不思議であったかく、そして秘密の匂いがした。小さな奇跡でつながっている家族たち。
どこか懐かしい夕焼けの匂いのする本です。
『遠野物語』を読みたくなりました。
『草原の風の詩』 佐和 みずえ (著) 西村書店
内容(「BOOK」データベースより)
明治三六年(一九〇三年)、若き女性、夙子は王宮に学校を設立するためひとり大陸へ渡り、未知の世界へ飛びこんだ。そして、与えられたもうひとつの使命…。女子教育に尽力した河原操子の史実にもとづく歴史小説。
ターキーさんおすすめの本が北九州市の図書館に入りました。
わたしがリクエストを出す前に八幡図書館にリクエストが出されたか新刊購入リストに上がった模様で、そちらから取り寄せになりました。
アマゾンのレビューでは☆4つと☆5つです。
わたしには残念ながら・・・本の扉が閉じてしまいました。
来週返却しますので、北九州市民の方にたくさん読んでいただきたいですね。
ここにお立ち寄りになられた方々にも、本を手にしていただきたいです。
作家宮本輝氏の作品との出逢いは、このテレビドラマから始まりました。
書名から、なかなか原作本に到達しなかった記憶があります。
それから、他の作品を数冊読んで「この作品も以前にドラマで見たことがある」と思ったものでした。ドラマラッシュの時代だったのでしょう。
ドラマを見て、原作本を読むと、多少違うところがありますが、それはそれで楽しめた作品でした。
「青」い青春時代のおはなしです。
現在再び見ると、全然違ったものになるのかもしれません。
最初の赤い傘のシーンが「青」をより強調している気がします。
今日から始まる再放送をHDDに録画して、後からゆっくり青春の光と影を楽しみたいと思います。
TBSドラマ・青が散る
◇本日の読み聞かせ◇小学1年生
『どれがぼくかわかる?』
『ぐりとぐら』
- ブログルメンバーの方は下記のページからログインをお願いいたします。
ログイン
- まだブログルのメンバーでない方は下記のページから登録をお願いいたします。
新規ユーザー登録へ