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岩魚太郎の何でも歳時記

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77歳の8月15日

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私の8月15日

松山に疎開した当日に、松山大空襲の遭遇(昭和20年7月26日 23:30、)松山市は焼夷弾爆撃を受けた。引っ越しした新参家族には、町内会の防空壕には入れてもらえなかった。
夜中に田んぼのあぜ道を、母の手に引かれ朝までさ迷っていた。

翌7月27日、はっきりとした時間的な記憶はないが、我が家に帰って来た。
勿論、我が家は跡形もなく消滅していた。
丸焼けである。
我が家のから10メートあまりある位置に、防空壕に入ることを拒絶された防空壕があった。

その防空壕の入り口を、大人達がスコップで掘り起こしていた。
防空壕に入って人達は、入り口を倒壊した家屋にふさがれて蒸し焼き状態になっていた。
悲惨である。
当時の私の年齢は7歳で小学1年生です。

その光景は衝撃的でした。
私たちが、近所の人達の好意で、防空壕に入っていたとしたら、私の人生は7歳で終わりです。
その事を思うと生きることの運命を感じます。
8月15日、77歳の私は、その時の思いを条件反射のように思い出します。

焼け出されて、父の実家に身を寄せました。
当時の小学校の名称は「国民小学校」でした。
校庭には、保安殿がありました。保安殿とは、天皇陛下と皇后陛下の写真が収めてある小さなお宮さんです。私は見たことはありません。

毎朝、国民小学校の全体朝礼が行われます。その時に、生徒全体が保安殿に向かって最敬礼をします。
その後全員で「教育勅語」を語ります。
『朕惟フニ我カ皇祖皇宗國ヲ肇ムルコト宏遠ニ德ヲ樹ツルコト深厚ナリ我カ臣民克ク忠ニ克ク孝ニ億兆心ヲ一ニシテ世世厥ノ美ヲ濟セルハ此レ我カ國體ノ精華ニシテ教育ノ淵源亦實ニ此ニ存ス爾臣民父母ニ孝ニ兄弟ニ友ニ夫婦相和シ朋友相信シ恭儉(以下省略).』

意味は下記の通りです。

1.父母ニ孝ニ (親に孝養を尽くしましょう)
2.兄弟ニ友ニ (兄弟・姉妹は仲良くしましょう)
3.夫婦相和シ (夫婦は互いに分を守り仲睦まじくしましょう)
4.朋友相信シ (友だちはお互いに信じ合いましょう)
5.恭儉己レヲ持シ (自分の言動を慎みましょう)
6.博愛衆ニ及ホシ (広く全ての人に慈愛の手を差し伸べましょう)
7.學ヲ修メ業ヲ習ヒ (勉学に励み職業を身につけましょう)
8.以テ智能ヲ啓發シ (知識を養い才能を伸ばしましょう)
9.德器ヲ成就シ (人格の向上に努めましょう)
10.進テ公益ヲ廣メ世務ヲ開キ (広く世の人々や社会のためになる仕事に励みましょう)
11.常ニ國憲ヲ重シ國法ニ遵ヒ (法律や規則を守り社会の秩序に従いましょう)
12.一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ以テ天壤無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ(国に危機があったなら自発的に国のため力を尽くし、それにより永遠の皇国を支えましょう)

私は、天皇制を非難しているのではありません。
戦争と言う行為は、思想の自由を個人から剥奪します。
自由主義のアメリカでもそうでした。
反戦は非国民なのです。

戦争は、理性を喪失させます。
戦争は、人の命の奪い合いです。
戦争は、敵の命を、より多く奪うった者が英雄です。
戦争は、広島長崎に原子爆弾を投下しました。

戦争は、エノラゲイB-29の機長に勲章を贈りました。
戦争は、原爆投下で何十万人の一般市民を殺傷した機長が英雄になったのです。
戦争は、その事が異常だと思わないのです。
戦争は、人の心を悪魔に売り渡します。

終戦の8月15日の数周間前の出来事です。
学校からの帰途、艦載機から飛来した戦闘機が、私たち子供に機関銃を浴びせてきました。
子供に機銃を浴びせると言う行為は、平時であれば考えられない行為です。
戦争は、大人たち争いです。

戦争は、国同士の争いです。
子供達は、喧嘩はしますが命を奪い合うような戦争はしません。
8月15日の正午。

玉音放送
朕深ク世界ノ大勢ト帝国ノ現状トニ鑑ミ非常ノ措置ヲ以テ時局ヲ収拾セムト欲シ茲ニ忠良ナル爾臣民ニ告ク 朕ハ帝国政府ヲシテ米英支蘇四国ニ対シ其ノ共同宣言ヲ受諾スル旨通告セシメタリ(以下省略)

箱形のラジオの前、数十人の大人達がいて、直立不動の姿勢で立っていた。
天皇陛下の声に、大人達は号泣していました。
私は母に聞きました。
何でおじさん達は泣いているの?

素朴な質問です。
母は言いました。日本が戦争の負けたのよ。
国民小学校の一年生です。
艦載機の機関銃もなしです。

平和の訪れです。
命の奪い合う戦争がないことです。
その平和の訪れに、何故大人達は泣くのだろうか?
子供心にも理解しがたい疑問でした。

それが、77歳の8月15日です。
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MR-職人
MR職人さんからコメント
投稿日 2014-08-15 22:10

私は8月15日4歳8ヶ月でした。
母親の実家(会津若松)に、母親と子供3人で疎開していました。
幼なかったので<戦争>の事は一つも記憶がありません。

<安倍内閣>の閣僚他・戦争を知らない世代が<集団的自衛権~靖国神社参拝>の発言~行為が納得できません。

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岩魚太郎
岩魚太郎さんからコメント
投稿日 2014-08-17 00:09

日本は、米軍に対して、土地も膨大な資金も提供しています。その見返りとして、アメリカは日本を自衛隊と一緒に守る義務があります。

集団的自衛権は、日本の敵ではなくアメリカの敵に対して、アメリカと共に銃を持つことになります。
何故、安部内閣は、集団的自衛権の行使をやりたいのでしょうか?

靖国の問題もそうです。
歴代の内閣は、自国での戦争責任の総括を避けてきました。

なん百万人の国民を巻き込んでの悲惨な戦争でした。その責任が誰にあるのかも避けてきました。

東条英機も、東京裁判で”無罪”を主張して死刑になりました。
東条英機が無罪を主張すると言うことは、その裏には、有罪の人がいると言うことになります。

戦争を許可した人がいる・・・と言うことを意識しての主張のように思えます。
誠に卑怯な主張です。

靖国は、戦争行為で命を落とされた人が祀られる神社です。
東条英機は、戦闘行為で命をなくしたのでしょうか?

国の命令で命をなくして人と、東条英機が靖国で一緒になっていると思うと・・・・・

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sunukolyn
sunukolynさんからコメント
投稿日 2014-08-15 23:36

「終戦の日」の今日、岩魚太郎さんのこの記事を読ませていただき本当にありがとうございました。
生と死が隣り合わせの戦時中を生きてこられた方の話を聞く機会はなかなかありませんから。
平和に暮らせることに感謝!です。

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岩魚太郎
岩魚太郎さんからコメント
投稿日 2014-08-17 00:25

日本国憲法第九条です。

1.日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2.前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

この第九条に、ノーベル平和賞の話もあるほどです。

おっしゃる通り平和に感謝です。
でも、その平和を維持するために、安部さんは「積極的平和主義=集団的自衛権」
とおっしゃっています?

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