あの時間は、二度と戻らないはずなのに、夏の匂いや蝉の声に出会うたび、心の奥から鮮やかに甦る。
8月
21日

朝は蝉の声で目を覚まし、兄弟やいとこと集まって川へ行き、
虫を捕まえ、夕方まで走り回った。
祖父母の家では、スイカを食べて、夜になると花火をした。
布団を並べて寝る前には、明日は何をしようかと話し合った。

そんな日々が、毎年当たり前のようにあった。
大人になった今、あの頃の時間はもう戻らないけれど、蝉の声や夏の匂いに触れると、自然と思い出が浮かんでくる。