「年金改革」3党合意の波紋──将来世代と現役世代のはざまで揺れる制度設計
7月
11日

この「底上げ策」とは、将来的に大幅に減少すると予測される基礎年金(国民年金)を補うために、厚生年金の積立金を活用して給付水準を調整するというもの。特に、就職氷河期世代や若年層の将来不安を軽減する狙いがあります。

しかしこの仕組みには問題もあります。
厚生年金は主に会社員が支払ってきた制度であり、その積立金が国民年金に流用されるとなれば、「自分たちの保険料が他人の年金に使われる」という不満が出るのも無理はありません。
さらに、年金制度全体が少子高齢化によって厳しい財政状況にある中、積立金の取り崩しはあくまで“つなぎ”にすぎません。抜本的な改革がなければ、数年後には再び同じ問題が表面化するおそれもあるのです。
この3党合意は、現役世代の負担増加への懸念を強め、政党支持率に影響を与える可能性もあります。
また、社会保障制度への信頼が揺らげば、経済や金融市場にも波及するリスクを孕んでいます。
制度の公平性や将来世代の安心のためにも、今後の議論の行方に注目したいところです。
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