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投稿日 2021-09-27 00:13
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
私は三歳。ひとは私のことを天才児だと言うが、 前世の知能がそのまま残されて生まれた人間と いう特殊な誕生をした。その前世でどのような 生涯を得たかは全く分からない。頭の中だけが オジサン。そう、私はオジサン子ども。客観的 に考察すると、まあ五十歳くらいの精神年齢で あろう。知能はさほど高くないが、な...
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投稿日 2021-09-08 20:00
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
「まさか」の 鋭利たちが刺さり 夏の肺は 黒い空を白く 身近に死を浮かせ 家族の過去と 未来に今を 詰まらせていく 軽症の私は 先に隔離解除され 玄関の向こうで 足枷が照り返しの 風に解かれ 苦い汗が滴れる まだ高熱が続き 酸素を欲している家族 この雲が どうか消えますようにと 祈り見上げている (...
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投稿日 2021-08-06 07:29
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
ごきげんよう お入りになって涼んでください 冷たいお茶をお持ちしますね どうぞお座りになってください そうでしたか 学校で守衛さんを もう醸し出す雰囲気から 生徒さんたちに好かれている様子が 想像できますね それではあなたの背後にある 中核文字を見ていきましょう リラックスしてください はい見えまし...
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投稿日 2021-07-19 16:57
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
夕暮れ時の公園で呟く どうかわたしが 元気でありますように 紙くずがカサカサと 風に身を引きずられて 踊りたくないのに 踊っている 今は我慢とか頑張りとかを 遠ざけたくて ベンチに背を丸め座り 黄昏れ空なんか見て 浮き沈み物語は 始まっては消えてゆく ボールが見えなくなると 賑やかな子どもたちは わ...
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投稿日 2021-06-07 00:03
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
疲れは揺らされ そっと我に帰る時 懐かしさへ入り込む いつかの 切なくて涙を流した いつかの 悔しくて拳を握った いつかの 楽しくて腹を抱えた いつかの 嬉しくて叫んでいた 想い出たちが 暮れては頬を染め 遠くほど ゆっくり流れる景色 足元を高速で流れる枕木 弧を描く風 意味ある重ねは 窓の向こう ...
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投稿日 2021-05-14 06:31
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
部屋の中 春の風が嘆いている グオオ グオオ グオオー きっと俺のいる 部屋なんかには 来たくなかったのだ そして風は死ぬ また 次の風がやって来る 窓の隙間を使い 声を出すのさ グオオ グオオ グオオー 俺みたいに 籠った奴になりたくない そう嘆いているのだ そして風は死ぬ もう来ないのかと 待っ...
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投稿日 2021-05-06 01:10
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
君は突然にさよなら 追いかけられる場所でないところへ 猫の悪戯で落ちて来た一枚の写真 今でも若い君 変わらない君 僕はもう身体も心も変わってしまった 取り戻せない青空 痛くても声も涙も出ない悲しみが… 想い出になった君に辿り着いても 「どちら様ですか?」と 君は笑いもせずに言うのだろう...
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投稿日 2021-04-23 23:35
げっちょむし
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バン
2021年 4月23日(金) ⛅ ※ 最低15℃ → 最高26℃ なみだ を 一粒 こぼしたら 悲しみ ひとつ 消えますか? なみだ を 一粒 こぼしたら 寂しさ ひとつ 消えますか? なみだ を 一粒 こぼしたら 心は 今より 軽くなりますか? 過ぎ去る時 を 追いかけて 歩いて来た道 振り返る...
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投稿日 2021-04-11 23:20
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
自分を愛していないとか そんな話ではない 僕が僕でいない僕を 可哀想に思い始めたのさ ひとの輝きばかりに眩しくなり 世間という椅子に座り 拍手を送ることばかり上手になり 自分からは何も光を放つことなく 足元さえ真っ暗で どこに居るのかも分からず 誰かが生きる僕になっている 光放つ者から勇気をもらって...
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投稿日 2021-03-17 10:09
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
361°のview カランと氷が沈む勇気 見つめる未来に ぷかぷか浮かび出す強さ テーブルに涙の蝸涎 引き摺り進むリアルの光...