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- 42. ヒトの生命の最も危険なとき:死亡率約50%弱
日本の妊娠の定義は、
「妊娠とは受精卵の着床に始まり、
胎芽または胎児および付属物の排出をもって終わる」となっています。
排卵した卵子は1日以内に卵管で受精して、
その6日後ぐらいに胚盤胞として子宮内膜へ着床を開始します。
着床過程としては
胚盤胞のなかの絨毛細胞が子宮内膜間質に侵入し、
その後、
胚盤胞全体が完全に子宮内膜のなかに包まれるように埋没します。
この過程には、6日間ぐらいが必要とされています。
つまり、受精後12日目、予定生理日2日前頃が
着床完了の時期となります。
着床完了時期ならば、高感度の妊娠検査で陽性と判断できます。
この着床過程での障害があるかどうかは、
自然妊娠の場合ならばわかりませんが、
体外受精・胚移植の場合では、
着床判定、妊娠判定までも維持できないことが
繰り返して起こったならば、
何らかの着床障害が存在している可能性があると考えられます。
着床完了後については、
妊娠反応陽性後、超音波検査で子宮内に胎嚢が見えるまでの
約1週間以内に流産した場合を、
化学的流産と定義しています。
それ以後の臨床的流産率が約10〜15%であるのに対して、
化学的流産率は、約20〜30%と推定されています。
着床障害も生物学的には、ある意味では流産と考えられますが、
その発生率はもちろん不明です。
しかし、化学的流産率と臨床的流産率の合計だけでも、
約30〜45%ですから、
ヒトの生命体の約50%弱が、
受胎直後に失われているのです。
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