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サウスベイ マネジメント セミナー( Southbay management seminar )は月一回のセミナーを中心に勉強し、時々に親睦をする、乃ち「よく学び、よく交友する」そのような会です。

2014年度 5月 「地震に対する建物の安全性-あなたのいる建物は大丈夫?地震が起こったらどうしますか?」

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日時: 2014年5月14日(水)、6:30PM - 8:30PM
会場: ニューガーディナ・ホテル
講師:藤倉修一(ふじくら しゅういち)
講演録担当:佐伯和代
講師略歴:
東京工業大学にて橋梁の耐震設計を学び,大手ゼネコン会社に勤務.退社の後,ニューヨーク州立大学バッファロー校にて,耐震設計された橋梁の耐爆性に関する研究をテーマに博士号を取得.現在は,ARUPという世界37カ国に90支店を有する建設系総合コンサルタント会社に勤務し,18年の設計・研究経験を生かして,ロサンゼルスを拠点に,ロンドン,香港などで,構造物の設計に携わっている。

講演内容:
参考資料はこちらをクリックしてご覧ください。。Media:Quake safety.pdf
自己紹介
埼玉:川越出身
川越高校卒業、東京工業大学土木工学科・大学院卒業
在学中、メルボルン大学へ国費留学。
しかし、メルボルン(オーストラリア)は地震がない国。
卒業後、大手建設会社勤務。しかしメルボルンの経験から渡米し、NY州立大学バッファロー校に入学し、PhD取得。
現在勤務している”ARUP“について    http://www.arup.com/
イギリスロンドンに本社があり、総合構造コンサルタントの会社。全世界で1000カ所、90のネットワークがある。
NYを最大とし、ロサンゼルス、サンフランシスコなど大都市中心にオフィスを構え、ブラジル、オーストラリア、香港、東京にも支社がある。
ARUPの手がけた仕事
シドニー:オペラハウス
アブダビ:グーゲンハイム美術館
北京:オリンピック会場 などがある。
ライト、IT、人の動線を考えた設計、構造、環境に配慮したデザインなどを手がける。
ロサンゼルスではNomadic Museum(Santa Monica), LACMAなどを手がけ、California High Speed Railの計画や、ロングビーチのGerald Desmond BridgeのReplacementにも携わっている。

地震の歴史、地震について、地震がおこったら
地震:陰陽道によると、地下に閉じ込められた陽(大気?)が地表に出る際の騒動。
地震虫がいて起こしているのでは?
ナマズが起こしているのでは?
儒教では、政治が乱れた時におこる
などと言われています。
USGS アメリカ地質調査所 (http://www.usgs.gov/)が発表している世界の地震分布図
プレートの境界では大きな地震がおこっていることがわかる。
米国では、アラスカは大きな地震が起こっている。カリフォルニアも地震地帯。
一方東海岸ではほとんど起きていない。
マグニチュードが大きかった地震
1960年 チリ地震 M9.5
2004年 スマトラ島沖 M9.1~9.3
1964年 アラスカ地震 M9.2

被害が大きな地震
華県地震:1956年
唐山地震:1976年
ハイチ地震:2010年

日本の地震分布 東北沖、関東、関西、そのほか九州でも1000人以上の方が亡くなった地震があった。
日本の地震
416年:日本最初の地震—奈良県(?)
太平洋三陸沖地震:1896年 日本史上最大の津波被害 死者2万人規模
関東大震災:13万3000人の死者 東京の70%が火災。死因は火災が主。
1960年のチリ沖地震。津波は22時間後に日本に到達。
1995年兵庫県南部地震 野島断層:兵庫はあまり地震がないエリアですが、大都市直下型地震。
東日本大震災:2011年日本観測史上最大
当時、想定していた耐震力を遥かに超える地震となり、阪神大震災を機に、恩師の川嶋先生が橋梁の耐震構造を変えた。 講師も阪神大震災をきっかけに耐震を学ぶようになった。
*阪神大震災の時に何が起きていたのか。NHKスペシャル映像参照。
東海地震(南海トラフ)
1976年頃、駿河湾西岸を中心とする地域に、近い将来大地震が発生する可能性があると学者が言い出し、1854年にこのあたりで地震がおき、1944年にも陸が動いている。ひずみができる。それを解放しようとする力が地震となる。地震が起きた地域というのは、解放されている証拠なので、地震は起きないと言われているが、南海トラフはまだひずみが解放されていない可能性がある。

米国
1700年:ワシントン、オレゴン、カリフォルニアでM8.7〜9.2
1906年:カリフォルニア サンフランシスコ M7.9
1933年:ロングビーチ M6.4
1940年:El Centro 初めての地震波をキャッチ
1971年:サンフェルナンド M6.6
1987年:ウィッティア M5.9
1994年はノースリッジ M6.7
2014年3月28日 M5.1 La Habraで地震が起きた。このとき100の余震があった。このエリアはM7.5の地震が起きる可能性があるとある学者が言っている。マグニチュードは1違うとかなり大きな差があり、このエリアでM7.5の地震が起きてしまった場合、250Billionの損害が見込まれる。
ハザードマップ:ミズーリ、西海岸、チャールストン、アラスカは地震の可能性が高いと 言われている。
2008年のハザードマップによると、ロサンゼルス、サンフランシスコは危険度が高く、このエリアにはサンドレア断層がある。
* もし東京で地震が起きたら(NHKスペシャル参照)
M7.2想定 震度は6強 人が立っていられない。古い木造は二階部分がのしかかるように倒壊。倒れやすいのは一階部分に柱が少ない建物。
  全壊する建物は4万2932棟と想定される
液状化現象が置き、土台から倒壊するものもある。
鉄道もレールがゆがみ、高速道路は橋桁がずれるなどの損傷。多重衝突事故が発生し、通行止め。揺れのあと、火災発生。
火災旋風:一種の竜巻で関東大震災でも発生。
この東京での想定を参照すると、ロサンゼルス周辺は液状化の可能性もある。
地震時の心得(気象庁)
1:テーブルや机の下に身を隠し、あわてて外に飛び出さない。
   最近は、机の下などは逆に危ないという話もありますが、ベッドの横に身を隠すと   良いという話はあります。
2:大地震、1分過ぎたらまず安心。 (地震はどんなに長くても1分未満)
3:テレビやラジオをつけて地震の情報を
4:海岸では高台へ
5:自動販売機やビルには近づかない
6:山崩れ、崖崩れには気をつける
7:避難は徒歩で 荷物は最小限に 救急車両の通行を妨がない
8:あわてない
9:不意の地震に、日頃の準備
内閣府が発表した心得には「何よりも火の始末」が入っている。

地震時、安全確認リスト(米国政府発表)
2005年にFEMAアメリカ合衆国連邦緊急事態管理庁(http://www.fema.gov)によってまとめられた資料(参加者に配布)
 資料から
  水は一人1日1ガロンを確保し、最低72時間分(3日)分は用意する。
  食料も72時間分の保存食を用意。
  懐中電池、予備の電池、ラジオ、救急箱、消化器などは自宅と車にも置いておく。
家屋:家具を壁に固定するなどの危険回避はできるだけ行っておく。
家族で落ち合う場所を決めておく。
地震について
プレートテクトニクス 地球の地殻が動き、ぶつかりあって、ひずみができる。
そのひずみが解放される時、地震が起きる。北アメリカがその例。
  フィリピン海プレートは隣接する他のプレートの下に沈み込むことで地震が起きている。
断層は地下の地層、もしくは岩盤に力が加わって割れ、割れた面にそってずれ動いて食い違いが生じた状態のこと。
1895年: アンドリュー・ローソン カリフォルニア州のサンアンドレアス断層の存在を確認した。
マグニチュードは地震の力の大きさのこと。対数で示している。
マグニチュードが1違うと地震の大きさは約32倍違う。
震度:地震を受けた時にどう感じるかで決められている。
日本では震度7が最大。震度7は1948年の福井地震の際に作られた。それまでは6が最大と言われていた。しかし、2011年の東日本大震災では震度7となった。
一般に
母親が本能で子供をかばうのが震度3。
男性が金庫を気遣うと震度4。
台湾も日本を参考に震度を使っている。
津波の発生 
津波が起きた地点 時速800Km(飛行機の早さ)海岸線では時速36Km。
普通の人間ではやはり逃げられない。
津波の語源:通常の波とは異なり、沖合を航行している船舶の被害は少ないにも関わらず、港(津)では被害が大きいことから「津波」となった。
日本最古の津波に関する文献は1611年(慶長16年)慶長三陸沖地震についての記述。
津波が来たらすぐに逃げる
「稲むらの火」
  昭和12年から昭和22年まで国語の教科書に掲載されていた話。
現在のヤマサ醤油(当時:濱口儀兵衛家)当主の浜口梧陵の話で、1854年の安政南海地震津波に際しての出来事をもとにした物語。
小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)が、1854年の6月にこの地震のニュースを聞き、書き上げた物語で、地震後の津波への警戒と早期避難の重要性、人命救助のための犠牲的精神の発揮を説く。
耐震設計、耐震実験プログラム
地震は縦揺れと横揺れがある。
建物の揺れ方は串団子モデルでわかる。

頭の重いものや針金の長さの長いものは大きく揺れる。
ゆっくり揺れた場合は、背の高いビルの方が揺れ、早い揺れだと背の低い建物の方が揺れる。これは建物の*固有周期による。
固有周期:振り子のように自然に揺れることを自由振動といい、その時の周期(片側に振れて再び戻ってくるまでの時間のこと)のこと。固い建物、柔らかい建物で違う。
固さが同じような建物でも、重い建物ほど、ゆっくりゆれる。
地盤条件でも大きく違う:固い=早い 柔らかい=遅い 揺れ。
耐震の構造要素 必ずしも強くすれば良いというものではないが、フレームに筋かい(ブレース)を入れる。地震が起きた時、このブレースで支える。
建造物の強度:強度型は力に対して強度で抵抗 じん性方は揺れを逃がすどちらが良いかは、その地域の地盤などによって違う。
免震:地上と縁をきる 地震の揺れが伝わりにくいようにする。
免震装置を入れると建物は揺れるが建物の中は揺れが少ない。
制振:横浜のランドマークタワーなどがそう。
   地震の揺れを、建物内部の機構により減衰させたり増幅を防いだりすること。    おもりの動きで建物の揺れを抑える。
爆発について、マルチハザードに対する橋脚の安全性
Golden Bridge(2001)などでテロ予告があり、対爆にも関心を持ち、耐震設計は 対爆にも適応できるのかを研究。
質問コーナー
Q:ホテルに予約を入れる際、地震の際に避難しやすい所をリザーブするか?
A:基本考えていませんが、1階は危ないと言われている。
古い建物ほど耐震はあまり考えられていない。
ご自宅も、心配な方は一度専門家に聞いてみた方が良い。しかし、日本ではたまにいい加減な査定をし、高額な補修工事費用を請求するところもあるので、業者選びは慎重に。
日本の伝統の建物(五重塔など)から耐震を学ぼうという学者もいる。
Q:日本では耐震基準がよく変わりますが、米国は?
A:米国も同様。法令上は耐震基準に沿ったものでないと建てることができない。
しかし、古い建物は別。なので、耐震補強に関する調査を依頼されることも多い。
Q:何年以降は大丈夫という基準はありますか?
A:ノースリッジの地震以降、大きく建築物に対する考えが変わったので、それ以降であれば、ある程度大丈夫という可能性は高いが、はっきりとは言えない。
以上。
#2014年セミナー

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