SECURE ACTと年金
1月
9日
今日のメイントピックは2020年から導入されたSECURE ACTとIRAについて。SECUREはSetting Every Community Up for Retirement Enhancementの略。米国にお住いの方はIRA (Individual Retirement Account) と言う個人の積立年金を利用している人が多いと思います。所得税を払う前のお金を積み立てる事により節税を図るシステムです。59.5歳から引き出せます。 (それ以前に引き出すとペナルティが課されます。) 引き出したお金は所得税の課税対象です。
IRAにはRMD (Required Minimum Distribution)といって、ある年齢になったら強制的にお金を引き下ろさないとペナルティが課される、と言うルールがあることご存知でしたか?弊社のお客様の中にはRMDを知らずに、お金を引き出していない方が過去に何人もいらっしゃいました。生活に特に必要ないので触っていなかった、と言うケース。自分が貯めたお金なのに引き出さないとペルティで取られてしまう。。。納得いきませんよね。このRMD開始は今までは70.5歳からでしたが、2020年からは72歳からになりました。
また、お亡くなりになった時にIRAの残高を託すベネフィシアリー(残高の受取人)を予め指定しておくことができますが、ベネフィシアリーが配偶者でなく、さらに10歳以上年下の方(例えば子供)の場合は、原則としてIRAのオーナーが亡くなってから10年以内に全額引き下ろさないといけない、と言う新しいルールも導入されました。引き下ろすお金は課税対象です。ベネフィシアリーの年齢や収入、そしてIRAの残高によっては莫大な税金が発生することも考えられます。
このようなケースにどう対応するか、法律改正を踏まえたエステートプランニングのテクニークを学んできました。(リビングトラストをIRAの受取人とする場合の文言や留意点、チャリタブル・リマインダー・トラストを言う特別なトラストを利用する方法、ROTH IRAに徐々に移していくと言う節税方法、など。ちなみに、ROTH IRAから引き出すお金は非課税です。キャピタルゲイン税も掛かりません。)
明日は朝早くからプロベート裁判所の年次アップデートがあります。もちろん参加してしっかりとお勉強してまいります!
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当事務所ではカリフォルニアとハワイに住む日本人や、アメリカに不動産や金融資産を有する日本居住者のための法務サービスを提供しています。リビングトラストを始め、アメリカの相続やプロベートを回避するためのエステートプランが専門です。
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弁護士 佐 野 郁 子
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