夫婦間の贈与税?
7月
25日
弊社のお客様の大半は、アメリカに住んでいる日本人の方々です。お客様の多くは、日本にも財産をもっていたり、相続人が日本にいたり、日本の親から相続を受けたり、と日米をまたぐ案件が多いですね。そのため、相続手続きに関して日米の違いや、税金問題などを理解しておくことが大切です。また、日米の相続に詳しい税理士の先生方とチームでお客様のサポートをすることは不可欠です。
たくさんお話を伺いましたが、一番興味深かったのは、アメリカでは当たり前の「ジョイントテナンシー」という概念が日本ではないこと。
アメリカでは、夫婦だったら銀行口座を「ジョイントテナンシー」という共同名義で持つことは一般的。夫婦でなくても二人以上が共同で口座を所有することも可能。日本では二人以上が共同名義で銀行口座をもつことができない。
ジョイントテナンシーは不動産にも適用されます。日本のご夫婦がアメリカの不動産を購入するときに、夫婦の共同名義(ジョイントテナンシー)にしてしまうと、特に奥様が専業主婦である場合は「ご主人様が不動産の半分の権利を奥様に贈与した」と見なされ贈与税が課税されると。今回のセミナーで税理士法人TOMAの大谷先生もご指摘されていましたし、東京で出席した税理士法人アーク&パートナーズの内藤先生のセミナーでも同じことをおっしゃってました。
実は去年、ニューヨークに長年住んでいたご夫婦が日本に帰国することになり、ニューヨークの銀行口座(夫婦のジョイント口座)から半分ずつ(日本の)各自の口座へ送金をする時に贈与税の問題が発生したとご相談を受けました。ジョイント口座の半分を奥様の日本の口座に送金したら「ご主人様からの贈与」と指摘され、贈与税が発生!という案件。日本の弁護士の先生からご依頼を頂き、New York Banking Law Section 675について述べたリサーチメモを作成し提出しました。ちなみに、NY州では共同名義で所有している口座に入金されたお金は、fraud or undue influenceがない限り、それぞれがequal share つまりご夫婦それぞれが50%ずつ所有しているとみなされます。
問題を回避するには、アメリカのジョイント(共同名義)口座から日本の個人名義口座に送金をする際には、一旦アメリカで個人名義の口座に移してから送金することが 好ましいでしょう。
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当事務所ではカリフォルニアとハワイに住む日本人や、アメリカに不動産や金融資産を有する日本居住者のための法務サービスを提供しています。リビングトラストを始め、アメリカの相続やプロベートを回避するためのエステートプランが専門です。
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弁護士 佐 野 郁 子
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