Dream Theater - The Best of Timesの歌詞が「直訳風」なので、描き直してもらいました。
6月
11日

夜がしんしんと降りてきて
寝息のない寝顔を 見つめていた
胸の奥が しずかに沈んだ
泣いてはいない
けれど 泣きたいような気持ちで
天井を見ていた
あなたは わたしの英雄だった
小さいころから ずっと
何を教えてくれたのか
言葉にできないけれど
夢を追う背中を 忘れない
あの日々が
いちばん あたたかかった
笑って 泣いて
黙っていても通じあった日々
たしかにあったんだ
それが――
「人生のいちばんいいとき」だった
遠くまで
いっしょに歩いた
坂道も 雨の日も 声もなく
あなたはいつも そこにいた
何も言わずに そっと わたしを見ていた
思い出す
夕焼けの公園
ラジオの音と 濡れた草の匂い
車の中で語った夢
ギターを弾いて 笑い転げた夜
どれもこれも
時間が止まってしまったような瞬間だった
あのときが――
ほんとうの「最良の時」だったのだと思う
今も
風の音に あなたの声を聴くことがある
あなたの眼(め)は
世界を やさしく見ていた
そのまなざしを
胸にしまって わたしは生きる
さようならは
言わない
あなたは
いまも わたしの中で
静かに 生きているから
そして
わたしは歩く
あなたに恥じないように
