最近の精神医学領域のひとつのトピックスとして、
「 ストレスに対する行動パターンは
男と女では違う 」
という研究結果があります。
以前までは、
「 ストレスに対する反応パターンは、戦うか逃げるかである 」
と、考えられていました。
最近の研究結果では、
ストレスに対して戦うか逃げるかという反応は、
男性に顕著でありますが、
女性は違うというのです。
「 女性はストレスに対して、
思いやりと、絆(きずな)を強める傾向にある 」
ことがわかってきました。
Reppetiら(J Family Psychology, 1997)は、
共働きの夫婦が仕事に疲れて帰宅した時の
態度の違いについて、
子供へのアンケート調査をしました。
その結果、
父親は1人でいることを望み、
自分の部屋に行きドアを閉めることが多いが、
母親は子供を抱きしめるなど
よりやさしくなる、
というものでした。
父親の行動は言葉を変えれば、
アルコール依存のような「逃避」ですが、
母親の行動は
子供を守るという「思いやり」と考えられます。
Taylor(Henry Holt and Company, 2002)は、
メスのラットは群れで飼育すると
寿命が40%延びる一方、
オスのラットは群れでの飼育に比べて
単独飼育のほうが長生きする
という研究結果を紹介しています。
女性はストレスに対して
互いに集まる傾向「(絆)」がある
という行動の特徴を示しているもの
と考えられるのです。
女性の本能的な 養 育 行 動 が
ストレスに対して思いやりと絆を求める一方、
男性の本能的な 攻 撃 性 が、
ストレスに対して戦うか逃げるかという行動をとると
考えられるのです。
もちろん、ストレスに対して、
男性にも養育行動、
女性にも攻撃性があるのは明らかです。
以上の研究結果をもとに、
不育症の人の
もう妊娠できなくなってしまったのでは?
という不安、
妊娠初期の打ち消すことのできない
再現する流産の恐怖、緊張感に対して、
そのストレスを少しでも解消する
基本的な方法を考えてみました。
その方法とは、
何か今の自分が守ってあげたいもの、
負けそうな今の自分の感情を受け止めて、
何らかの反応を感じられるものを
見つけることだと思います。
たとえば
小さな植物とか、
・・・・・・・。
さらに、
今の自分の環境に比べて、
もっといろいろな物や人と
つながりを持つことだと思います。
漠然としていますが、
たぶん女性として
本能的に心がゆるむ、やすらぐ
時間をつくることだと思います。
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