18.ある不育症患者さんの手記(2−5)
3月
3日
毎朝、基礎体温を測るのが日課となった。
昔から酷い生理不順だったのが、
1人目を流産した後から、
だんだん定期的に生理が来るようになり、
2人目を死産した後は
基礎体温のグラフも高低きれいに描けるようになり、
決まって生理も来るようになった。
それを先生に話した所、
「 それは、赤ちゃんのおかげだよ。
赤ちゃんがお腹にいたから、
子宮内の環境がよくなったんだよ。 」
というような説明をしてもらった。
「 子供達は笑うことも泣くこともなく、
短い一生を終えてしまったのに、
私は、また、新しい命を望み、幸せになっても良いのだろうか 」
と、
亡くなった子供達に対して、
なんだか申し訳ないような気がしていた。
しかし、先生の話を聞いて、
「 いつの日か私が、
赤ちゃんを抱くことが出来るように、
体を整えてくれていたんだ 」
と思えるようになり、
子供たちに対して、また一つ、
「 ありがとう 」 が増えた。