16.ある不育症患者さんの手記(2−3)
2月
27日
退院後、
私は自分の気持ちを分かってくれる人はいないかと、
救いを求めるようにインターネットで
同じ境遇にあった方を探した。
そして、死産を経験された方が
辛い気持ちになった時に思い出す、
あるお坊さんの言葉として
紹介されていた文章に私も救われた。
「 人間は、この世に生を受ける時、
神様からこう問われるそうです。
あなたは、この両親の子として
生まれても○○才までしか生きられないが、
それでもいいですか?
この問いに、 イエス と答えた命が
この世に誕生します・・・ 」
そんな内容だった。
「 子供たちは、
少 し の 間 で も い い か ら、
私達のもとへ来たかったんだ。 」
そう思えた瞬間、ふと気持ちが楽になった。
「 あの時こうしていたら、ああしていたら、
死なずに済んだんじゃないか 」
そんな思いでいてはいけない。
自分達の命と引き換えに、
子供達は、
大切なことを色々教えてくれた。
それまでは、
妊娠=出産 だと当たり前のように思っていたが、
命はすごく尊いもので、
そんな当たり前のものではないのだと分かった。
辛い日々の中で、
本当の人の優しさに気付くことができた。
たくさんの事を私に残してくれた。
お母さんの所へ来てくれて本当にありがとう。
そう感謝し、
子供達の運命を素直に受け止めることが
一番の供養になるんじゃないか、
そう思えるようになった。