716. #不育症の定義 #助成金
2月
25日
令和2年1月より、
不育症の助成金事業が開始されています。
東海3県でも、一部地域で
医療費助成が行われています。
一日も早く、
名古屋市も含めてすべての地域で
不育症助成が広がることを願っています。
ちょっと心配なのは、
まだ、日本において、
「不育症の定義」がわかりにくい点です。
日本産科婦人科学会編集の
2018年5月発行・
産科婦人科用語集・用語解説集
には、
「不育症とは、
生殖年齢の男女が妊娠を希望し、
妊娠は成立するが流産や死産を繰り返して
生児が得られない状態のことであり、
recurrent pregnancy lossに対応する用語」
と、解説されています。
注意すべき点は、
現時点で日本では、
化学流産は流産の回数には含めない点です。
化学流産とは、
医学的に 「生化学的妊娠」
のことであり、
胎のうが確認されず、
hCG検出のみをもって診断される妊娠が
自然に終結し、
流産とみなされるものです。
ただし、
現在の夫婦(事実婚含む)間で、
流産が連続していなくても、
また、出産歴があっても、
2回以上の
流産および死産もしくは
早期新生児死亡の既往があれば、
「不育症」
と考えられています。
根拠は、
2013年の米国生殖医学会と、
2017年の欧州生殖医学会の
「recurrent pregnancy loss」の定義
に基づいています。
不育症の定義の理解が
助成金申請の助けになることを
心から願っています。