646. 体外受精の実際の出産成功率??
1月
30日
体外受精をして出産に成功した割合は、
全体で、11.7%でした。
この数字は、
学会に登録した約600の体外受精施設の
全体の治療成績ですが、
どうですか?
自分が想像していた成功率と比べて、
びっくりするほど、
低いと感じたのではないですか。
もちろん、年齢によっても
大きく違いますが、
30歳で21.5%、
35歳で18.4%、
40歳で9.1%、
42歳で4.5%
でした。
体外受精を受けた女性の約40%が
40歳以上でした。
一番最近の2017年の調査結果では、
30歳で21.9%、
35歳で18.9%、
40歳で9.3%、
42歳で4.8%
でした。
ほとんど変化はありません。
この低い治療成績の一番の原因は、
やはり、
卵の質(染色体異常等)の問題です。
今年から日本でも臨床研究として、
多くの施設で
着床前遺伝子検査(PGS, PGT-A)
(着床前の胚盤胞の胎盤になる外側の
細胞を数個取って、染色体の数の異常が
あるかどうかを調べる検査)
が、スタートしていますが、
先行している米国では、
いろいろな問題が報告されています。
もう一つの原因は、
「子宮内環境」 の問題です。
3~5回以上の移植治療が
妊娠反応陰性、あるいは化学流産に
終わった場合、
卵の問題以外に、
「子宮内環境」 の問題がある
「着床障害」 と考えられます。
当院の着床障害の11年間の治療実績では、
平均年齢38歳で
過去5回以上の移植不成功の方の
妊娠継続成功率は 24%であり、
40歳以上で
過去5回以上の移植不成功の方の
妊娠継続成功率は 12%でした。
この妊娠継続成功率とは、
妊娠10週まで正常な妊娠継続
に成功した割合のことです。
詳しくは、当院ホームページの
治療実績を見てください。