１７２． 出血しても赤ちゃんを信じて

ある患者さんの言葉が印象的でした。

何度も妊娠して、そして、流産して、
いつも、妊娠とわかって
すぐに緊張して、
トイレに行くたびに出血におびえてた。

そんな患者さんが、
今回、当院の支持的精神療法も含めた
治療を受けました。

何とか、一生懸命、赤ちゃんの生命力を信じて
能天気な気分で妊娠初期を過ごしてた。

しかし、
また、今回も、
トイレで出血。

でも以前と違って、
その出血を見ても、
それほどあわてることなく、

子宮の中で、
がんばって
がんばって
生きていているはずの赤ちゃんを想い、
信じて、

最後は、
赤ちゃんの運命をも
受け入れられたそうです。

妊娠してからの時間、
お腹の赤ちゃんと温かい気持ちで
過ごせたそうです。

その心が、
きっと、
赤ちゃんにとって、
心地よい子宮内環境を
作り上げることができたのかもしれません。

まだまだ不安もありますが、
やさしくゆったりとした笑顔で
当院を
お腹の赤ちゃんといっしょに
卒業されていきました。

私もこの方と同じ境遇にいます。流産を何度も繰り返し、もよおしもしないのに何度もトイレに行っては出血していないかを確認する毎日を送っていました。流産が続く中まだ我が子を抱くことは出来ていませんがこちらで治療をしていただく中で１歩でも前進できるのではないかという思いにいます。