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135. 変えられる運命と変えられない運命

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135. 変えられる運命と変え...
流産という言葉は、
「お産が流れる」
というように一般的に考えられていますが、
私はこの考え方にちょっと抵抗感を感じます。
捕らえ方があまりにも表面的で軽すぎます。

本来は、
夫婦から遺伝された新しい生命、
「その小さな生命体の死」
なのです。


その死を繰り返し体験された
不育症患者さんの悲しみは
いかばかりかと思います。


医学的にわかっていることですが、
初めて妊娠された100人の婦人中、約15人が
流産されています。

その15人中、約10人が
運命的な流産、
神様が決めた流産、
つまり、
小さな生命体(胎芽)の染色体異常による流産です。
この約10人の流産は受け入れるしかない流産です。

でも、残り5人は救えた可能性のある命なのです。


不育症患者さんの場合、
過去に2回以上流産されていますが、
3回目からの妊娠において、
過去の流産回数(2回から6回まで)にかかわらず、
100人中、約15~20人が
運命的な流産(染色体異常による流産)でした。

これは受け入れるしかない流産であり、
変えられない運命です。


しかし、
流産回数が増えれば増えるほど、
同じような治療をしても
繰り返し流産する人は増えていきます。

たとえば、
流産回数6回以上の人の場合、
治療しても流産する人は、
100人中50人以上です。

この50人以上の流産した人の中で、
変えられない運命的な流産の人は
約20人ですから、
残りの30人以上の人は、
変えられる運命なのです。
救える命なのです。


流産回数が増えていくに従って、
年齢も増えていきますが、
年齢の影響も受ける
染色体異常による流産率は、
ほぼ一定の約20%でした。

残りの流産の多くは、
変えられる運命にあるのです。


私は、長年の研究結果より、
流産回数の増加による流産率の増加の原因は、
最終的な原因として、

流産手術回数の増加による
子宮内膜のダメージ(炎症)の増加によるものか、

流産回数の増加による
反射的な精神的過緊張の増加によるものと
考えています。


それに対する最終的治療方法は、
ステロイド子宮内洗浄療法と、
強力な精神療法である考え、
実践し、
少しずつですが、
成果を上げています。


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