不育症の多くの方が、
卵巣の機能をチェックするために
基礎体温を毎日記録されています。
その基礎体温表は低温相と高温相に分かれており、
低温相から高温相に移行する日が、
排卵日です。
高温相は、月経周期の短い人、長い人に
かかわらず、いつも一定であり、
12~16日間です。
ですから、高温相が17日続いたら、
妊娠の可能性があります。
不育症の人の場合、
妊娠とわかってからの基礎体温測定と、
その表への記録は、
一般的には、
中止したほうがいいと、
私は思っています。
なぜならば、
不育症の人は、
不妊症の人と違って、
妊娠してからが心配、不安のピークです。
その時期に、
基礎体温表がわずかでも低下すれば、
それが生理的な範囲であるとわかっていても、
感情的には、
悪いように解釈してしまいます。
その繰り返すストレスが、
子宮内の毛細血管を収縮させ、
胎児への血液の供給を細くしてしまう
可能性があるからです。
また、医学的に見ても、
妊娠継続状態の判断のための、
基礎体温表の価値は
現在では、
ほとんどないと考えられるからです。
超音波検査で多くのことがわかる時代ですから。
少しの有益より、
多くの不利益があると、
私は思っています。
当院受診のある患者さんは、
ご本人の希望により、
妊娠時にも基礎体温は計っていますが、
表にはしていません。
表にさえしなければ、
ストレスにはならないそうです。
基礎体温表に振り回されないように。
主役はあなたです。
ストレスを感じたら、一旦やめる勇気を持ちましょう。
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