金木犀の匂いが漂う庭で、
炭酸水を口に含む。
不安定な秋の空は、
心の中を映しているかのようで。
オレンジ色の花が風に揺れる度に
千紘の心はざわめく。
「いつまで続くのかな」
この不条理で混沌とした日常は。
(早く、帰りたい……)
そんな想いを、
しゅわしゅわとした泡とともに一気に飲み干す。
空になったペットボトルのふたを閉めて、
やりきれない思いとともに、
投げやりにゴミ箱に突っ込んだ――。
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