日本の妊娠の定義は、 「妊娠とは受精卵の着床に始まり、 胎芽または胎児および付属物の排出をもって終わる」となっています。 排卵した卵子は1日以内に卵管で受精して、 その6日後ぐらいに胚盤胞として子宮内膜へ着床を開始します。 着床過程としては 胚盤胞のなかの絨毛細胞が子宮内膜間質に侵入し、 その後、 胚盤胞全体が完全に子宮内膜のなかに包まれるように埋没します。 この過程には、6日間ぐらいが必要とされています。 つまり、受精後12日目、予定生理日2日前頃が 着床完了の時期となります。 着床完了時期ならば、高感度の妊娠検査で陽性と判断できます。 この着床過程での障害があるかどうかは、 自然妊娠の場合ならばわかりませんが、 体外受精・胚移植の場合では、 着床判定、妊娠判定までも維持できないことが 繰り返して起こったならば、 何らかの着床障害が存在している可能性があると考えられます。 着床完了後については、 妊娠反応陽性後、超音波検査で子宮内に胎嚢が見えるまでの 約1週間以内に流産した場合を、 化学的流産と定義しています。 それ以後の臨床的流産率が約10〜15%であるのに対して、 化学的流産率は、約20〜30%と推定されています。 着床障害も生物学的には、ある意味では流産と考えられますが、 その発生率はもちろん不明です。 しかし、化学的流産率と臨床的流産率の合計だけでも、 約30〜45%ですから、 ヒトの生命体の約50%弱が、 受胎直後に失われているのです。