バトル
4月
18日
今日も忙しかった。なんだか嫌だね。忙しいいそがしいって。いそがしいって言葉、好きじゃないのに繰り返し書いているような気がするよ。良くない。よく働いた、という言い方のほうがまだマシか。
アクティビティー担当のJが来月まるまる休暇をとるので、新しいコーディネーターが入った。背の低いまるまるっとした優しい顔の女性(S)。うちのような施設での経験もあるらしいので、引き継ぎは問題なさそう。
そうそう。朝、ちょっとした事件があった。記念に書いておこう。朝食のとき、普段から苦手(というかあまり好きじゃない)老女Lが目に余るとても横柄な言葉を放ったので、言い返したのだ。
L:ちょっとわたしのオーダーはどうなってるのよ
わたし:大丈夫よ、今やってるところだから
彼女はいつも、我先に!と割って入るのが常。このとき、わたは別のレジデントさんの世話をしていた。自分の頼んだものが来ない、と文句たらたらのLに落ち着いた声で答えてやった。そしてキッチンへ戻り、クックのAにLのオーダーのことを訊くと、Lは今朝はヨーグルトだけのオーダーだった、と言う。
わたし:はい、オーダーのヨーグルトをどうぞ
L:ヨーグルトだけじゃない、トーストだって頼んだし、ミルクだって頼んだわよ!
さてキッチンに戻ってAにトーストを頼むとAは憤慨しながら言う。トーストは要らないの?って訊いたのに、要らないって言ったのよ!本当にヨーグルトだけでいいの?って聞き返したのよ!まぁどうせそんなところだろうと思いつつ、他のレジデントへの飲み物を持って行きながら、Lに説明した。
わたし:ヨーグルトだけって言ってたらしいから、トーストは今、焼いてるからもうちょっと待ってて。
L:ちゃんとトーストって言ったわよ!ミルクも!わたしだけ、なんにも持って来てもらってないじゃないの!
わたし、ここでカチンと来た。目の前に珈琲とクランベリージュースとオレンジジュースが並んでいるのに、よくもまぁしゃぁしゃぁとそんなことをば・・・!
わたし:L、なんにも持ってきて貰ってないって、ちゃんと珈琲もジュースもあるじゃないの。今ちゃんとやってるって言ったでしょう。もう少しだから待ってて。
L:いいや、わたしはなんっにも持って来て貰っていない!ずっと待ってるのに!
わたし:L, be patience, we are working on it.
Lは顔を赤くして怒っていたけど、わたしは出来るだけ涼しい顔で言ってやった、腹わたは煮えくりたぎる寸前だったけどね。で、その後にミルクとトーストを持って行った。いつもLの隣に座るRは居辛そうな感じで苦笑していたっけ。Rはおとなしい良いひとなんだけど、Lたち(Mという老女もまた凄いんだ)と一緒に座るようになって、良くない方向へ引き寄せられている感じがする。小心者なのか単に衝突するのが嫌なのか・・とにかくこういうときに何も言わず静かにしている。そしてその後ずっとLからの愚痴を聞くのだろう。離れればいいのに・・・なんて余計なお世話だね。老人たちの世界にも色んなルールがあるのだろう。長いものに巻かれる者あり一匹狼あり。老人も若いのも人間ちゅうのは集団になると一緒なのかね。
日記を書くようになって3ヶ月くらい経つがようやく習慣になってきたような感じがする。なんでも良いから毎日書くようにしているので内容は平々凡々な日々の暮らしのあれこれなのだけれど、「日記」というだけあって、その日に何をしたのかわかるのが良い。いや、良い悪いの問題じゃないのかもしれないけれど、このことは自分のなかではちょっと新鮮なことである。