緑ちゃんは 植物だから感情がない だけど僕には 笑ったり悲しんだりの 緑ちゃんの気持ちが わかるんだ 勝手に 思い込んでいるだけ そうよく言われる でもね 緑ちゃん好きだよ って言うと めちゃ微笑むんだから
土星、太陽(日)、月、火星、水星、木星、金星 あれあれ十二支には入れなかった猫のように 七曜に入れなかった地球? まてよ、これは人間様がいる地球を中心とした なんだか偉そうな一週間というサイクルだ 今日は月曜なのにかなり重力がかかって 疲れがとれてない感じだ たぶん、兎が笑っているんだろうなあ
僕の代わりに 詩を書いてくれて 僕の代わりに ツイッターをしてくれて 僕の代わりに 仕事をしてくれて 僕の代わりに 人生を楽しんでくれて 僕の代わりに 年齢を重ねてくれて そんな僕が発明されたら 僕の代わりに 僕は死んでくれるのかな? はて 僕はどこへ進んでいるの?
星野喜子 様へ 拝啓 山形の雪はどうですか。こちらも大変に冷え込む毎日です。 お手紙を有難う。返事を書こうと思ひペンを握ったものの、何を書いて良いのか解りませんが、思ふが儘に書きます。まず送られた手紙を読み、君が自分と出会ってから変わったと云うお話に、驚きはありましたが嬉しさもありました。また、意地っ張りで我儘な自分を信頼して呉れて喜んでいます。未だかつて、自分を信頼して呉れた人は、父と義姉だけでした。君と云う人が信頼して呉れて、三人になりました。自分としては、喜びに堪えません。信頼してもらえる以上、自分も頑張る決意です。どんな苦しみにも負けません。 自分は複雑な家庭環境に育った為、色々な困難がありました。それは、無駄にしたくないのです。悪い環境の中で、汚れずに此処まで来ました。これからは君の力も借りて、もっと力強く生きて行こうと思って居ます。これから先、君も不安だろうと思ひますが、挫けることなく行きましょう。挫けたら負けです。不幸になるだけです。幸福になることは、苦しみを通り抜ける勇気を持つことです。 堂々とこの都会に出て来て欲しい。都会で生きることは面白いですよ。田舎よりも複雑ですが、土蔵の中で生きる一生、陽の当たる場所で生きるのも一生です。自分の思ふ通りにやって行こうぢゃないですか。当たらず、触れず、泣かず、飛ばず、平々凡々と行くよりも、自分はあえて苦しいことにも逃げず行こうと思ひます。困難にも喜んで向かって行きます。 どうしても話が硬くなってしまいます。君は女だから山形から出て来たら、お洒落を楽しめると思いますよ。キザでない落ち着きのある感じが良いですね。ケチ臭い人並みなことは云わないで、出来るだけ贅沢をして行こうぢゃないですか。ケチゝしたところで始まらないと思います。君も都会に住むことになったのだから、都会人に成り切って行けば良いのです。私は田舎ものだ、なんて根性は捨てたほうが良い。私は立派にやって行きますと決めてしまえば、それで全部が解決するんですよ。あとは、一つ一つ実行するだけです。私は誰よりも立派な女性ですと、確信を持って来てください。「下手な考え休むに似たり」で、先のことは心配しないことです。自分の気持ちの動く儘でないと後悔が残りますから。「人生は勝負なり」と云う言葉がありますよ。 親元から離れることは寂しいことと思いますが、自分が強くなる為にはそれを振り切って行くことです。永く住み慣れた土地から知らない都会へ出て来る君の脳裏には、色々と不安も浮かぶでしょう。しかし、希望を持って来てください。これからは、将来の幸福のため一生懸命に頑張ろうじゃないですか。生まれて来た以上、幸福にならなくては話にもなりません。二人が一緒になれば、絶対に幸福になるんだと、決めてしまえば良いのです。また同じことを書いてしまいますが、希望と夢を一つ一つ実現させるだけです。いくら希望が大きくても実現しないことには、夢で終わってしまうのですから。要するに価値のある人生にしましょう。 君が来たのなら、二人で相談しながら楽しく過ごして行こう。都会に慣れるように協力しますから、心配しないでください。では、上京する時には連絡してください。乱文乱筆で失礼しました。 敬具 ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ一九六二年 一月 十五日 齋藤俊雄
右足に一本の弦が弾かれ 神経は音を奏でて眉間に皺をつくる 働く、厳しく、闘う 時間が止まったかのように けして吐露ではなく 生きていることを強く感じ 己は此処にあると響いてくるのだから 行ける処まで行ってしまおう その音を聴きながら 時間が止まったかのように 比べず、妬まず、闘う
じゅん それで調べてくれないか タブレットを手にしている俺に 八十を過ぎた母が言う 何を この間、テレビで見たんだけど 死ぬ前に棺桶を買ったひとがいて それはいい考えだなと思ってさあ 私も棺桶に入れたいモノがあるから いろいろ準備したいと思って えっ 棺桶をインターネットで買えるの らしいよ ……ほんとうだ 二万円位から買えるんだな なんだか凄い時代だなあ ほらね、あるでしょ そんなに準備したいなら 毎日、死装束を着て 棺桶で寝るといいんじゃないか それが寝心地がいいらしいよ テレビのひとが入ってそう言っていたよ マジかよ 母ちゃんも変わっているなあ 話しは決まった まあ、二年後ぐらいしたら頼もうかな じゃあ、二年は生存確定ってことだな こりゃ最後の親孝行ってやつで覚えておくよ ありがとう、じゅんよ 頼んだからね (なぜか親子で笑顔になっている)
それでも、しかし、まだと頑張っている 僕は僕だけだけど、咲いている そんな瞬間を感じることもあるから それでも、しかし、まだと笑っている 君は君だけだけど、僕も僕だけだし そんな同じ場所にいるのだから それでも、しかし、まだと広がっている 赤青黄色さまざまだけど、咲いている そんな違いを楽しめるのだから
ビニール傘に落ちる粒は 服に包まれ覗いている自分を感じさせる 此処から直線が跳ねる 最後の勢いは 進んできた道のりを忘れるくらい短い 憐れもこれほど落ちてくれば 普通になってしまう感情 連続は心を静かにさせ みな同じように落ちれば何処か滑稽で まだその跳ね返りになろうとしない自分 微笑みながらも必ずくるのに他人事 今は傍観者であることに 濡れる足元を気にしている