敵はどこにいるんだ 味方はどこにいるんだ そんな戦いではない こころ痛むところから 前には進めていない いつもの階段をのぼり いつもの階段をおりる 今日もニュースを片手に 平和とは言えない すでに 明日の階段が燃えている
裏側、 いつでも笑ってばかり 口もとと目じりには皺がいっぱい だけど、ここはけして天国じゃない やせ我慢の世界でもない そして、表側が裏側になって 自分を信じているから 安っぽい一枚、二枚、三枚と 増やした表の裏が晒され壊れた 今、空っぽを感じ 中には言葉を消された僕がい……
車内は煙草を吸い 酔っぱらったオヤジ 子どもの頃 映画は上野だった 地下鉄のホームに降りる 空気が動かずこもり 臭いは怪しく 痰壺なるものを避け歩く 冷水機の水に吐き気がする 目に見え触れて 怖さがわかる それが東京だった
ひとは意識して ひととひとを比べている ひとは知らず知らず ひととひとを比べている ひととひとを比べて 笑ったり怒ったり 自分の位置を確かめたり そんな俺も 同じようにツマラナイことで 立ち止まったりしている もしひとに 才能があるとすれば それはひととひとを比べない 能力なのだろう
医師からは 何をしてもいいと言われたが ただひとつジェットコースターは 控えましょうか、と クビの中にあるセラミックが 暴れてしまうのだろうか 最後に乗ったジェットコースター 笑いが止まらなかった記憶 父ちゃん、楽しそうだったね 息子の声は今も忘れない想い出
誰が一番遠くに飛ばせるか 横一列の坊主たちは 力の入れ具合と角度を計算する テストでは一桁の点数しか取れない奴でも ションベンが一番遠くに飛ばせれば 凄いなあ、と友だちは褒め讃える いつからだろう 立ちションベン禁止の札が建てられ 勉強、運動、音楽や美術が できる奴ばかりが褒められる世間 どんどん世界が小さく感じても 文句を言えず流されたのは そりゃ立っションで遠くに飛ばせても なんの役にも立たないし 今の時代となっては立っションが 慎む行為とわかっている だけど誰もが自由な発想を楽しめる 場所や時間がないと心は萎んでしまうし 得意分野を褒めて欲しいんだ さらに感性を、個性を、育む場所や時間が 液晶画面に傾き過ぎている時代を もったいないと思うのは 私が立っション世代だったからなのか
涙の落ちる音は 誰にも聞かれたくない 社会の波に飲まれたら 違う自分がいた 夢やぶれた訳ではないけど 悔しい気持ちが空回り ビルの谷間に隠れて 頬を拭う手が震えているのは どうしてなんだ (十八で働き出した頃の詩 毎日、鉄を切断したり、組み立てたり、 運んでいたなあ、キツかった)
お待たせ致しました 心の入れかえですね あなたのAI番号をお願いします 01AIAI2345GO すでにあなたは 30秒後に2000歳を迎えますので 心の入れかえはできませんし 申し訳ありませんが デリートキーを押させていただきます そっ、そこに心はあるんか そこ…… おめでとうご…… カチャ