残煙
8月
4日
散った後の白い煙
しばらく黒い空に浮かび流れ
天へ召されたように消える
今年も派手に花火が打ち上がり
俺は腕を組み冷たく見ている
周りで拍手が湧く
確かに綺麗で爽快な広がりだ
どんな気持ちでひとは
この花火を見ているのだろう
ふと
ひとを横目で見ている
瞳が断続的に光り
嬉しさが頬から滲み出ている
俺は素直に花火を楽しめず
大衆の中で孤独を感じ
それでも此処にいたいと
不思議な気持ちに癒されている
あの白い煙を見ると
今年も故人たちを想い出し
繋がる天と地
夏の夜空に浮かぶ白の想い
俺は今年も
こちら側の大衆に紛れている