何発も打ち上げられる花火 散った後の白い煙 しばらく黒い空に浮かび流れ 天へ召されたように消える 今年も派手に花火が打ち上がり 俺は腕を組み冷たく見ている 周りで拍手が湧く 確かに綺麗で爽快な広がりだ どんな気持ちでひとは この花火を見ているのだろう ふと ひとを横目で見ている 瞳が断続的に光り 嬉しさが頬から滲み出ている 俺は素直に花火を楽しめず 大衆の中で孤独を感じ それでも此処にいたいと 不思議な気持ちに癒されている あの白い煙を見ると 今年も故人たちを想い出し 繋がる天と地 夏の夜空に浮かぶ白の想い 俺は今年も こちら側の大衆に紛れている