ひとりでは たいしたことはなく たいしたことのないを 知りつつも燃やしていく それしかなくて それがあればを垂らし ひとりのちりちりにも 微笑んでいたい そして ひとりのちりちりが ふたつになり、みっつになり それぞれの ひとりが集まれば こんなに心強いことはない ひとりでは たいしたことはなく たいしたことのないが 和になり励みを垂らし それしかなくて それがあればを微笑んで
嫌いな人がいる 許せない人がいる ジョンレノンの イマジンのような世界感を どうしたら持てるだろう 今のところ 少し距離を置いたり 同じ土俵に立たないとか 姑息なところで治める 人間だもん? 人間とは を考えてみる
頬の汗を手で拭い 刺さっている鉄片に触る サンダーで削れば弧を描く火花 押し付けた力に手が痺れ 缶コーヒーの中身が揺れていた 腰巻を斜めに付け ハンマー、ペンチ、ドライバー 最初はそれがカッコいいと感じていた 室内での工事 電気屋が座り込み昼メシを食っている 俺はひとりゴンドラの棚を組み立て続けた おっさんらがこっちを睨んでくる メシの時間だからホコリたてるなよ そう言いたいのだろう 俺は十八歳、おっさんには負けねえ 売られた喧嘩は買ってやる しかし、売られもしない喧嘩 陰険なクソ野郎だ 夜になり電気屋は配線を外し 電気を消して行きやがった 俺は窓からの月あかりに目を擦り 感を働かせてハンマーで叩き サンダーで鉄柱を切る クソ野郎が、みんなクソ野郎だ 最後の一本を切り終え 誰かが忘れた缶コーヒーを握った
家の前は砂利道 滑りながら躓きながら 膝は瘡蓋だらけで 走り回った 石を拾って その個性を眺めては 気にいった石を綺麗に洗い 家のブロック塀に並べ 雨が降り 水たまりができれば わざと水を蹴飛ばして 遊び場の道があった 砂利道は舗装され 今は車が偉そうに走る
モノに魂は宿る 無念だった叫びは 一本柱の鳥居に託され 悲惨さを伝えるため 人々に守られながら 今でも言葉を発している 私たちは手を合わせ 過去に未来に祈る 消さない消えない 哀れで辛いことだが 平和の反対側 一本柱を階段の下から 私たちは考え思い祈り続ける
君は言葉を持たぬ姿 だけど 勇気が伝わってくる 君は太陽だから 僕に陰をつくり守ってくれる まっすぐに少し首を傾げ 今日も おはよう と葉っぱで手を振って 言葉を持たなくとも 君は僕の太陽 夏の応援隊長なのさ
僕はもらった 生まれた時に空っぽの箱 いろんな気持ちを詰めながら 箱もどんどん大きくなった 叩かれて凹んだり 抱きつかれて凹んだり 泣き付かれ濡れたりして 心のようにカタチが変わった 僕はこの先 どんな箱になって 何処へ配達されるのだろう