2013年度 11月 秋の夜長に宇宙な話 ― 宇宙研究最前線 ―
日時: 2013年11月13日(水)、6:30PM - 8:30PM
会場: ニューガーディナ・ホテル
講師:宮坂 浩正(みやさか ひろまさ)博士
講演録担当:佐伯和代
講師略歴:
1971年、愛知県生まれ。学術博士(Ph.D.)。専門は宇宙放射線物理学。
理化学研究所、東京大学(非常勤)などで研究に従事したのち2003年渡米。
デラウエア大学研究員などを経て、現在はカリフォルニア工科大学研究員。
人工衛星に搭載する放射線観測装置の開発等に従事。
最近は自身も開発メンバーであるNuSTAR衛星の観測データを元に中性子星や超新星残骸の研究にも取り組んでいる。
ブリッジUSA誌にて宇宙や科学についてのコラムを連載中。
講演内容:
専門は放射線ですが、、、、今回は知的好奇心をくすぐる話し!
科学のお仕事
一般の方が思う「科学者」のイメージはBack To the Futureのドク博士やアインシュタ
ン博士のような人を思い浮かべますが、大きくわけると2タイプ。
実験屋:体力勝負で実験を繰り返す
理論屋:紙と鉛筆があれば研究が出来る
宮坂さんのお仕事:ブラックホールや超新星残骸の観測。
高エネルギーX線 NASA宇宙望遠鏡の開発
超新星爆発:星の最後の姿。星が消える前に爆発し、宇宙空間に散らばることを言う。
この爆発の中心に超高密度の星、例えばブラックホールが出来る。
衛星を地上から打ち上げるのではなく、低予算で打ち上げるため、飛行機を使う。
打ち上げた後、レンズ部分とカメラ部分はマストを伸ばして分離する必要がありますが
伸ばした状態で打ち上げるよりもコンパクトにたたむ事によりコストが下がる。
このマスト部分を伸ばす様子は地上から見る事は出来ないので、パルス信号がはねる事で
それを確かめる。
NuSTAR(ニュースター)は集光型イメージング検出器なので、かなり詳細な画像を観測す
ることが出来る。従来のINTEGRALではぼやけたイメージしか見る事が出来ない
。 入ってきた光のひと粒ひと粒のエネルギーを測定している
高エネルギーX線検出器は医療用のものとほぼ同じですが、宇宙観測用に性能を特化させ
て使用。医療用は大量のX線を短時間で処理可能な点で優れている代わりに、エネル
ギー分解能では宇宙用よりも劣っている。
●宮坂さんがこれまでしてきた宇宙の仕事
以前は近い宇宙(太陽や地球の周りの放射線の観測)に従事。
太陽は頻繁に爆発している。地球の前と後ろを地球の公転に合わせて飛ばし、観測。
2つの衛星を同時に使用することで、3Dで爆発の様子がわかる。
宇宙の研究といっても宇宙に行くわけではなく、地上や地下からの研究もある。
宇宙の観測は長野やチベット、タスマニアなどいろいろな観測所で行っている。
チベットでは高山病と戦いながら、タスマニアでは洞窟の中での作業。
●宇宙のスケール 宇宙はどれくらい大きいのか。
身近な宇宙は地球。ということで地球のスケールはというと、エベレスト(世界最高峰)
地球上で最も深い海底、マリアナ海溝10,911m
実際宇宙に行った人より、この最深海底に行った人の方が少ない。
地球は宇宙レベルで考えると、ツルツル。 なので、人間がいかに小さいかがわかる。
太陽のスケールはというと、地球をバスケットボール(直径30cm)に例えると、太陽は
ガスタンクくらい。直径109倍。
地球と太陽の距離はこのスケールで考えると、3Km
このふたつの間には2つの惑星以外なにもないが、太陽が光っていないとすると、
見る事は出来ない。
図鑑などでは惑星が密集しているように描かれているが、実際は本当に広い。
若田さん(宇宙ステーション)が飛んでいる宇宙は地球が直径30cmだとすると、
地球の周り1cmくらいのところを飛んでいる。月はもう少し先だが、これは少し例外。
現在の技術ではこの程度のところまでしか行っていない。
銀河のスケール
太陽は、銀河3000億〜4000億の星の中のひとつ
近所の銀河はアンドロメダ銀河。
ハップル宇宙望遠鏡で観測していると、銀河がよく見え、宇宙には1千億くらい存在している。
そして、その銀河にはそれぞれ3000億程度の星が存在している。
宇宙は何で出来ているのか
古代ギリシャ:万物の最小単位 アトム(原子) 土/火/水/空気 と考えていた
しかし、アトムという考え方は当たっていた。
陽子と中性子と原子の組み合わせにより、様々な物質が作られ、これで地球が出来ている。
この原子はどこからきたのか?どうやって出来たのか。
西暦1006年に起きた超新星爆発 藤原定家の明月記にも記されている。
目で見る事が出来る爆発は数が少ないが、目で見えない爆発は毎日起きている。
この爆発で重い原子が作られる。
核融合は燃えているわけではないが、熱を出し輝いている。
星内部の核融合 ここで出来るものは鉄まで。それ以上のものは出来ない。
そして、超新星爆発で鉄より重いものが出来、それが宇宙に散らばり、多様な原子が宇宙
に広がる。
人間の構成元素
酸素63%、炭素20%、水素10%、窒素3%、カルシウム2%、リン1.2%、
硫黄0.2%、その他0.6%
宇宙の成り立ち
宇宙が出来た時に出来たクォークというモノが集まり固まり原子核(陽子&中性子)が出
来、それが原子となり、原子がくっつき分子となる。
物質は分子でできている。たとえば水の分子は、酸素の原子に水素の原子が二つくっついてできている。
そして原子の中心には、陽子と中性子でできた原子核があり、その周りを電子が回っている。
これ以上は分けられない素粒子と思われていた陽子と中性子は、さらに小さい粒のクォークでできている。
光(素粒子)も粒であり、波の要素も持つ。
物質を構成する最小単位を素粒子という。
高速で電子が回転すると電子はあっという間に光にかわってしまう。原子の中にある電子
は波の状態でいるので光にならない。
鉄を中心にして、それよりも軽いものは核融合、それよりも重いものは核分裂によって
エネルギーを放出する。
本当は我々の知る物質は宇宙の5%以下。それ以外は謎の暗黒物質とダークエネルギー。
銀河が秒速240kmで回転していることが観測された。これほど高速に回転すると銀河は、
その形を維持出来なく吹き飛んでしまうはずで、正体不明の質量がそこに存在してい
るはず。これは観測技術の低さでもなく、またブラックホールや星が3000〜4000億
あったとしても、それ以外に何かが無いと成立しないことから暗黒物質がある事が
わかった。
見えない暗黒物質があると、空間がゆがみ、奥に銀河があると、銀河が歪んでみえる。
宇宙はビックバンで始まったという定説。最初は1点にあったものが広がっている。
アインシュタインは宇宙は安定していると考えていた。
しかし、宇宙は膨張していることがわかった。
ビックバン→勢いで膨張→減速せず、加速し膨張し続けている。
この膨張し続けるエネルギーをダークエネルギーと言い、これはどこから来ているのか?
それは不明。
エネルギーと質量は同一のモノ。(アインシュタインの相対性理論)
ダークエネルギーも宇宙を構成するもののひとつ。ということから、
暗黒物質が26.8%、通常部室が4.9%。そしてそれ以外がダークエネルギー。
これをふまえ、最近わかった事は、宇宙のことは何もわかっていないということ。
暗黒物質 星や銀河を形成するには不可欠なもの
ダークエネルギー 宇宙を膨張させ物質を引き離すもの
ダークエネルギーが加速すると惑星がひきさかれ、星がなくなり、原子レベルまで別れる。
地球外生命体はいるのか?
物理学者はいると言いたい。
昔は宇宙の中心は地球上の人間。しかし、本当は違った。我々は多くの中のひとつ。
我々は特別な存在ではなく、同じような環境の星があれば、地球外生命体も存在する。
というのが物理学者の考え方。
生物学者はこれに対し、必ずしもYesとは言えない。という意見。
フェルミのパラドックス
物理学者エンリコ・フェルミが最初に指摘した、地球外文明の存在の可能性の高さと、そのような文明
との接触の証拠が皆無である事実の間にある矛盾のこと。
惑星探査:ボイジャー 現在35年経っているが、未だ動いている。
現在、太陽系を脱出し、銀河系の空間に存在している。
放射線環境や惑星探査をする目的のほか、地球外生命体にメッセージを
送るために動いている。
しかし、このメッセージを拾ってもらうには何万年(4万年)も先の話し。
もし拾われた場合でも、現在の我々の文明は存在しているのか、、、
知的生命体からのメッセージを受け取る事は出来るのか?
アレシボ天文台などでシグナルを受信している。
アレシボではないが、一度だけ謎の信号が届いたが、その際にその信号を
受け取った人がメモにWowと書いたことから“Wowシグナル”と呼ばれている
誰もが自宅で知的生命体探査に参加が出来るプロジェクトがある。
PCのスクリーンセイバーにその機能をもたせ、多くの人が参加しているが未だ受信出来た
人はいない。
自宅にパソコンがあれば誰でも参加可能。プエルトリコにあるアレシボ電波天文台で受信している
宇宙からの電波を全世界のパソコンで手分けして解析して、宇宙人からのメッセージを探し出そう
という壮大で夢のあるプロジェクト。 http://setiathome.ssl.berkeley.edu/
太陽:我々は8分前の太陽をいつも見ている。
天の川銀河から地球をみると、2万6千年前の地球しか見られない。
アンドロメダ銀河からは240万年前の地球の姿しか見られない。
Q&A
重力波はまだ発見されていないが、もしそれが見えたら遠くの重力がわかるので、発見出
来たら良いなというもの。
宇宙で一番早いのは「光」と言われており、今のところその定説は崩れていない。ダーク
エネルギーなどまだまだ不明なものがあるので、今後はわからないが、光が最速とい
うのが現代物理学の大前提。
宇宙から発信された信号(電波)が地球上の電波などとおなじ様に途切れることはあるの
か? A:遮るものがないので、波長帯によっては観測出来る。
太陽系外惑星を探そう!
20世紀前半:ほとんどの星の周りには惑星がいると考えられてきた。
20世紀後半:この時点まで探しつづけられたが見つからなかった。
しかし遂に
1992年:最初の惑星を発見 木星のまわりを数年かけて回るもの
1995年:太陽のような星に惑星を初観測。
ケプラー衛星を使って宇宙から探した結果、現時点で1000個以上の惑星がみつかった。
ハピタブルゾーン
太陽に近いと水が蒸発し、遠いと凍るため、非常に狭いゾーンの中で水が存在出来る。
このハビタブルゾーンの中にある惑星は12個のみ。
一番近いもので12光年。ひょっとしたら!
極限環境の生物
海底の奥深くのブラックスモーカーという場所に太陽の力を得なくても生きる事が出来る
生命がいることが最近わかった。またクマムシは宇宙空間に放り出しても生きられる
事がわかった唯一の生物。こういったものの存在が宇宙に生物がいる可能性を広げて
くれている。
火星には生物がいないことがわかったが、地底などまだ不明。
タイタンにはエタンの雨がふっている。水でなくても生きられる生物がいたら?!
エウロパの表面は氷で覆われているが、内部は解けていて地熱によってエネルギーを得る
事ができるかもしれない。
宇宙はとても大きい。
しかもダークエネルギーによって更に大きくなっている。
宇宙にはまだわからない事がいっぱい。
地球外生命体はまだ発見されていないが、見つける事が出来るかも!
最後に宇宙旅行はいかが?
宇宙ステーションへの10日間の旅。おひとり様25〜35億円
2000万円のコースもございます! いかがでしょうか?
*ここをクリックして講演資料をご覧ください。
2013年11月 講演資料
会場: ニューガーディナ・ホテル
講師:宮坂 浩正(みやさか ひろまさ)博士
講演録担当:佐伯和代
講師略歴:
1971年、愛知県生まれ。学術博士(Ph.D.)。専門は宇宙放射線物理学。
理化学研究所、東京大学(非常勤)などで研究に従事したのち2003年渡米。
デラウエア大学研究員などを経て、現在はカリフォルニア工科大学研究員。
人工衛星に搭載する放射線観測装置の開発等に従事。
最近は自身も開発メンバーであるNuSTAR衛星の観測データを元に中性子星や超新星残骸の研究にも取り組んでいる。
ブリッジUSA誌にて宇宙や科学についてのコラムを連載中。
講演内容:
専門は放射線ですが、、、、今回は知的好奇心をくすぐる話し!
科学のお仕事
一般の方が思う「科学者」のイメージはBack To the Futureのドク博士やアインシュタ
ン博士のような人を思い浮かべますが、大きくわけると2タイプ。
実験屋:体力勝負で実験を繰り返す
理論屋:紙と鉛筆があれば研究が出来る
宮坂さんのお仕事:ブラックホールや超新星残骸の観測。
高エネルギーX線 NASA宇宙望遠鏡の開発
超新星爆発:星の最後の姿。星が消える前に爆発し、宇宙空間に散らばることを言う。
この爆発の中心に超高密度の星、例えばブラックホールが出来る。
衛星を地上から打ち上げるのではなく、低予算で打ち上げるため、飛行機を使う。
打ち上げた後、レンズ部分とカメラ部分はマストを伸ばして分離する必要がありますが
伸ばした状態で打ち上げるよりもコンパクトにたたむ事によりコストが下がる。
このマスト部分を伸ばす様子は地上から見る事は出来ないので、パルス信号がはねる事で
それを確かめる。
NuSTAR(ニュースター)は集光型イメージング検出器なので、かなり詳細な画像を観測す
ることが出来る。従来のINTEGRALではぼやけたイメージしか見る事が出来ない
。 入ってきた光のひと粒ひと粒のエネルギーを測定している
高エネルギーX線検出器は医療用のものとほぼ同じですが、宇宙観測用に性能を特化させ
て使用。医療用は大量のX線を短時間で処理可能な点で優れている代わりに、エネル
ギー分解能では宇宙用よりも劣っている。
●宮坂さんがこれまでしてきた宇宙の仕事
以前は近い宇宙(太陽や地球の周りの放射線の観測)に従事。
太陽は頻繁に爆発している。地球の前と後ろを地球の公転に合わせて飛ばし、観測。
2つの衛星を同時に使用することで、3Dで爆発の様子がわかる。
宇宙の研究といっても宇宙に行くわけではなく、地上や地下からの研究もある。
宇宙の観測は長野やチベット、タスマニアなどいろいろな観測所で行っている。
チベットでは高山病と戦いながら、タスマニアでは洞窟の中での作業。
●宇宙のスケール 宇宙はどれくらい大きいのか。
身近な宇宙は地球。ということで地球のスケールはというと、エベレスト(世界最高峰)
地球上で最も深い海底、マリアナ海溝10,911m
実際宇宙に行った人より、この最深海底に行った人の方が少ない。
地球は宇宙レベルで考えると、ツルツル。 なので、人間がいかに小さいかがわかる。
太陽のスケールはというと、地球をバスケットボール(直径30cm)に例えると、太陽は
ガスタンクくらい。直径109倍。
地球と太陽の距離はこのスケールで考えると、3Km
このふたつの間には2つの惑星以外なにもないが、太陽が光っていないとすると、
見る事は出来ない。
図鑑などでは惑星が密集しているように描かれているが、実際は本当に広い。
若田さん(宇宙ステーション)が飛んでいる宇宙は地球が直径30cmだとすると、
地球の周り1cmくらいのところを飛んでいる。月はもう少し先だが、これは少し例外。
現在の技術ではこの程度のところまでしか行っていない。
銀河のスケール
太陽は、銀河3000億〜4000億の星の中のひとつ
近所の銀河はアンドロメダ銀河。
ハップル宇宙望遠鏡で観測していると、銀河がよく見え、宇宙には1千億くらい存在している。
そして、その銀河にはそれぞれ3000億程度の星が存在している。
宇宙は何で出来ているのか
古代ギリシャ:万物の最小単位 アトム(原子) 土/火/水/空気 と考えていた
しかし、アトムという考え方は当たっていた。
陽子と中性子と原子の組み合わせにより、様々な物質が作られ、これで地球が出来ている。
この原子はどこからきたのか?どうやって出来たのか。
西暦1006年に起きた超新星爆発 藤原定家の明月記にも記されている。
目で見る事が出来る爆発は数が少ないが、目で見えない爆発は毎日起きている。
この爆発で重い原子が作られる。
核融合は燃えているわけではないが、熱を出し輝いている。
星内部の核融合 ここで出来るものは鉄まで。それ以上のものは出来ない。
そして、超新星爆発で鉄より重いものが出来、それが宇宙に散らばり、多様な原子が宇宙
に広がる。
人間の構成元素
酸素63%、炭素20%、水素10%、窒素3%、カルシウム2%、リン1.2%、
硫黄0.2%、その他0.6%
宇宙の成り立ち
宇宙が出来た時に出来たクォークというモノが集まり固まり原子核(陽子&中性子)が出
来、それが原子となり、原子がくっつき分子となる。
物質は分子でできている。たとえば水の分子は、酸素の原子に水素の原子が二つくっついてできている。
そして原子の中心には、陽子と中性子でできた原子核があり、その周りを電子が回っている。
これ以上は分けられない素粒子と思われていた陽子と中性子は、さらに小さい粒のクォークでできている。
光(素粒子)も粒であり、波の要素も持つ。
物質を構成する最小単位を素粒子という。
高速で電子が回転すると電子はあっという間に光にかわってしまう。原子の中にある電子
は波の状態でいるので光にならない。
鉄を中心にして、それよりも軽いものは核融合、それよりも重いものは核分裂によって
エネルギーを放出する。
本当は我々の知る物質は宇宙の5%以下。それ以外は謎の暗黒物質とダークエネルギー。
銀河が秒速240kmで回転していることが観測された。これほど高速に回転すると銀河は、
その形を維持出来なく吹き飛んでしまうはずで、正体不明の質量がそこに存在してい
るはず。これは観測技術の低さでもなく、またブラックホールや星が3000〜4000億
あったとしても、それ以外に何かが無いと成立しないことから暗黒物質がある事が
わかった。
見えない暗黒物質があると、空間がゆがみ、奥に銀河があると、銀河が歪んでみえる。
宇宙はビックバンで始まったという定説。最初は1点にあったものが広がっている。
アインシュタインは宇宙は安定していると考えていた。
しかし、宇宙は膨張していることがわかった。
ビックバン→勢いで膨張→減速せず、加速し膨張し続けている。
この膨張し続けるエネルギーをダークエネルギーと言い、これはどこから来ているのか?
それは不明。
エネルギーと質量は同一のモノ。(アインシュタインの相対性理論)
ダークエネルギーも宇宙を構成するもののひとつ。ということから、
暗黒物質が26.8%、通常部室が4.9%。そしてそれ以外がダークエネルギー。
これをふまえ、最近わかった事は、宇宙のことは何もわかっていないということ。
暗黒物質 星や銀河を形成するには不可欠なもの
ダークエネルギー 宇宙を膨張させ物質を引き離すもの
ダークエネルギーが加速すると惑星がひきさかれ、星がなくなり、原子レベルまで別れる。
地球外生命体はいるのか?
物理学者はいると言いたい。
昔は宇宙の中心は地球上の人間。しかし、本当は違った。我々は多くの中のひとつ。
我々は特別な存在ではなく、同じような環境の星があれば、地球外生命体も存在する。
というのが物理学者の考え方。
生物学者はこれに対し、必ずしもYesとは言えない。という意見。
フェルミのパラドックス
物理学者エンリコ・フェルミが最初に指摘した、地球外文明の存在の可能性の高さと、そのような文明
との接触の証拠が皆無である事実の間にある矛盾のこと。
惑星探査:ボイジャー 現在35年経っているが、未だ動いている。
現在、太陽系を脱出し、銀河系の空間に存在している。
放射線環境や惑星探査をする目的のほか、地球外生命体にメッセージを
送るために動いている。
しかし、このメッセージを拾ってもらうには何万年(4万年)も先の話し。
もし拾われた場合でも、現在の我々の文明は存在しているのか、、、
知的生命体からのメッセージを受け取る事は出来るのか?
アレシボ天文台などでシグナルを受信している。
アレシボではないが、一度だけ謎の信号が届いたが、その際にその信号を
受け取った人がメモにWowと書いたことから“Wowシグナル”と呼ばれている
誰もが自宅で知的生命体探査に参加が出来るプロジェクトがある。
PCのスクリーンセイバーにその機能をもたせ、多くの人が参加しているが未だ受信出来た
人はいない。
自宅にパソコンがあれば誰でも参加可能。プエルトリコにあるアレシボ電波天文台で受信している
宇宙からの電波を全世界のパソコンで手分けして解析して、宇宙人からのメッセージを探し出そう
という壮大で夢のあるプロジェクト。 http://setiathome.ssl.berkeley.edu/
太陽:我々は8分前の太陽をいつも見ている。
天の川銀河から地球をみると、2万6千年前の地球しか見られない。
アンドロメダ銀河からは240万年前の地球の姿しか見られない。
Q&A
重力波はまだ発見されていないが、もしそれが見えたら遠くの重力がわかるので、発見出
来たら良いなというもの。
宇宙で一番早いのは「光」と言われており、今のところその定説は崩れていない。ダーク
エネルギーなどまだまだ不明なものがあるので、今後はわからないが、光が最速とい
うのが現代物理学の大前提。
宇宙から発信された信号(電波)が地球上の電波などとおなじ様に途切れることはあるの
か? A:遮るものがないので、波長帯によっては観測出来る。
太陽系外惑星を探そう!
20世紀前半:ほとんどの星の周りには惑星がいると考えられてきた。
20世紀後半:この時点まで探しつづけられたが見つからなかった。
しかし遂に
1992年:最初の惑星を発見 木星のまわりを数年かけて回るもの
1995年:太陽のような星に惑星を初観測。
ケプラー衛星を使って宇宙から探した結果、現時点で1000個以上の惑星がみつかった。
ハピタブルゾーン
太陽に近いと水が蒸発し、遠いと凍るため、非常に狭いゾーンの中で水が存在出来る。
このハビタブルゾーンの中にある惑星は12個のみ。
一番近いもので12光年。ひょっとしたら!
極限環境の生物
海底の奥深くのブラックスモーカーという場所に太陽の力を得なくても生きる事が出来る
生命がいることが最近わかった。またクマムシは宇宙空間に放り出しても生きられる
事がわかった唯一の生物。こういったものの存在が宇宙に生物がいる可能性を広げて
くれている。
火星には生物がいないことがわかったが、地底などまだ不明。
タイタンにはエタンの雨がふっている。水でなくても生きられる生物がいたら?!
エウロパの表面は氷で覆われているが、内部は解けていて地熱によってエネルギーを得る
事ができるかもしれない。
宇宙はとても大きい。
しかもダークエネルギーによって更に大きくなっている。
宇宙にはまだわからない事がいっぱい。
地球外生命体はまだ発見されていないが、見つける事が出来るかも!
最後に宇宙旅行はいかが?
宇宙ステーションへの10日間の旅。おひとり様25〜35億円
2000万円のコースもございます! いかがでしょうか?
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2013年11月 講演資料