2011年度 11月 - カリフォルニアワインの楽しみ方
日時: 2011年11月9日(水)、6:30PM - 8:30PM
会場: Toyota USA Automobile Museum
講師:濱 泰穂(はま やすほ)/ Alice Hama氏
講演録担当:藤原 勝
講師略歴
慶應義塾大学法学部法律学科卒。 日本銀行で勤務していたころ、趣味の一つとしてワインスクールに通いだしたことがきっかけで、ワインの世界に魅了される。 2009年に転職を経て渡米した後は、カリフォルニア大学ロサンゼルス校のワインプログラムにて多角的な視点からワインを研究。日本・米国・スペインのワイン関係の資格(後掲)を取得。 現在はワイン教育プログラムの提供やワイナリーのプロモーションイベントを手掛ける「LearnAboutWine.com」所属のコンサルタント兼ライターとして活動中。同社はロサンゼルスのワイン・レストラン業界においてもっとも影響力のある会社トップファイブに選ばれている。 フリーランスでは、ナパの新星ワイナリー数社のPR・マーケティングおよびワインコメントを担当。
保有資格: UCLA Business, Management, and Legal Programs: Hospitality and Wine Education - The Certificate in Wine Education and Management
Southern California Wine Examiner
日本ソムリエ協会(JSA)認定ワインエキスパート
米国ワインエデュケーター協会(SWE)認定ワインスペシャリスト
スペインワインアカデミー認定ワインエデュケーター
日本アロマテラピー協会認定アロマテラピーアドバイザー
Learn About Wineワイン・エクゼクティブ
食育エキスパート
ブログ&記事: Alice in WINEderland: http://ameblo.jp/yasuho-hama/ Killer Cabernet & UMAMI Burger: http://learnaboutwine.com/blog/?p=1198 Cakebread Cellars Dinner: http://learnaboutwine.com/blog/?p=1168 Top Sake with Kurtis Wells: http://learnaboutwine.com/blog/?p=1151 Sea Smoke Cellars Dinner at Nobu: http://learnaboutwine.com/blog/?p=1038 Southern California Wine Examiner Page:http://www.examiner.com/southern-california-wine-in-los-angeles/alice-hama Eagle Vines Vineyards:http://www.eaglevinesgolfclub.com/sites/courses/layout9.asp?id=641&page=62337 Voice from California “Kenzo Estate Winery”: http://www.gvsjapan.com/YMK/Blog/entori/2010/12/2_Voice_from_CaliforniaKenzo_Estate_Winery.html
講演内容
1.はじめに:
彼女が所属する会社“Learn About Wine”の会社概要:比較的小規模のワイナリーの商品のプロモーションビジネスが主体で、各所でバイヤーなどを集めてワインテイスティングやワインディナーなどのイベントの開催を行っている。濱氏はここでバックアップソムリエとして活躍中。
ソムリエ: 日本ではソムリエと言う言葉を広めた田崎信也氏が有名だが、ソムリエとは元来、王様の食事の毒見をする係りの人の事であった。重要ではあるが危険を伴う仕事でもあった。現在ではワイン担当でワインの知識が豊富で食事の時にワインに関するアドバイスが出来る人の事をソムリエと呼んでいる。その資格検定は各国バラバラで統一されていないが、日本の場合、ソムリエの金バッジを付けた人はワインに関する仕事で5年以上の経験があり、受験者の10%程度しか合格しないと言われる厳しい検定試験に合格する必要がある。
ワイン業界に影響力のあるメディア: 漫画、神の雫、は一般の人にワインの知識を分かりやすく面白く伝える事で話題になり、日本では現在30巻、350万部発売され、ドラマ化もされている。更に韓国でも話題になり、既に売り上げは100万部を突破し、韓国のワインブームの切っ掛けになったとも言われている。その他サンタバーバラやナパバレーのワイナリーを舞台にしたアメリカ映画“Sideways”や、それのリメーク版とした日本のテレビドラマ”サイドウエイス“が有名である。
2.カリフォルニアワインの概要:
世界で最初にワイン製造が始まったのは紀元前6000年頃と言われているが、アメリカでは1700年代に、一つは、トーマス・ジェファーソンがワイン好きで、フランスからぶどうの木を東海岸に植えたが、地理的条件の差と技術の問題であまり成功はしなかった。もう一つは同時代に、カソリックのイエズス会が宗教儀礼にワインが必要なので、メキシコからカリフォルニアに持ち込んだワインの木を教会の裏に移植したのが最初だと言われている。
1838年にナパバレーに教会の裏ではない最初のブドウ畑が出来、その後1857年にAgoston Harazsthyが最初のワイナリーを経営するようになった。1879年にGustave Niebaum, Inglenookがワイナリーを開放し一般の人がワインを楽しめるようにした。 1920年より1933年までは禁酒法の施行のため全米に700社あったワイナリーが140社にまで激減したが、宗教の自由は憲法で保障されていた為、宗教上の理由でワインを飲む事が許されていた事と、ブラックマーケトの存在もあり、ワイナリーが完全に無くなることは無かった。今でもナパにはブラックチキンと言うなのワインが存在するが、これは禁酒法時代に作られたワインの事を言う。
1976年にパリでの世界ワインコンクールでアメリカのワインが世界一になった。それ以降、アメリカのワインは世界で注目されるようになり、ワイナリーの数もブドウ栽培面積も急増した。このような流れのなかで、1978年、アメリカ政府はワインの認定制度に関する法律を作った。最初に認定されたワイナリーはミズリー州のものであった。1983年あたりからカリフォルニアのナパバレーのワインが注目をあびるようになり、質のよいワインが生産されている。
現在、全米に7626社のワイナリーがあり、カリフォルニアでは3364社ある。約半分近くがカリフォルニアにある。しかも、カリフォルニアは全米のワインの90%生産している。一応どの州もブドウが生産されているが、カリフォルニアに集中していることになる。
*カルフォルニアのワイナリー: 南北の海側に集中している。北はアイランド イン ザ スカイと言う愛称で最近日本でも話題のワイナリーがあるメンドシノカウンティがある。ソノマカウンティーはジンファンデルの生産で有名。ナパバレーは時価が高いのでワイン価格もそれに比例して比較的高い。セントラルーバレー、まったりとしたクラッシック風のシャドネーで価格も比較的安い。モントレーカンウンティは最近、新しい移民に依るワイナリーが増えていて、また、今までに無かったブドウの木を植えているので、注目を浴びている。サンルイスオビスポ、大変ホットな場所でここのワインは価格が安いにもかかわらず品質が高いのでコストパフォーマンスが良いと言われている。サンタバーバラ、ピノノワールの生産で有名。シースモック(?)と呼ばれる地域のワインには一本300ドルのものもあり、ワイン価格の上昇が一番激しい地域としての印象がある。テメキュラはワイン通にはあまり注目されていない地域ではあるが、アーモンドやオレンジ風味のシャンパンがあり、ワインをあまり飲まない人でも楽しめる面白い地域である。
3.テイスティング:
参加者全員のテーブルの上に三種類のワインが並べられていて、各自がワインテイスティングができるように準備されていた。
Glass #1 ( piot noir) テーブルのサンプルのピノノワールは。黒ブドウからつくられていて、女性的なワインとされていて日本食にもよく合うと言われている。このワインを飲む特製のワイングラスを濱さんはもって来ていたが、我々の前にあるグラスはテイスティング用のもので、それほど大きくなく、またそれほど薄くない。どれも同じ条件で飲むために、このようなテイスティングテスティング用のグラスがあるという。普通、それぞれのワインにはそのワインにあったワイングラスがあるという。
Glass #2(Cabernet Sauvignon) 青ピーマンの香りがし、少しスパイシーな感じのワインで、知性のブドー或いは男性的なワインと言われている。
Glass #3 (Zinfandel blend) ジンファンデルはカルフォルニア独自の種類と言われているが、原産地はクロアチア或いはスロバニアのぶどうだと言われている。ただ、ジンファンデルと呼んでいるのはカルフォルニアのみ。まったりとした甘さがあり肉料理に合うワイン。
4.ワインマナー:
*香水は控えること。香水の匂いがきついと、ワインの香りを楽しもうとすることに対する妨害になる。
*飲む順序がある。最初にシャンペン、次に白から赤に進む。
*乾杯のとき、グラスをカチンと合わせるのはよくない。その理由はワイングラスが薄くできていて、割れるからである。特にヨーロッパでこのような動作をすると、アメリカから来た田舎者と冷ややかな眼で見られるという。
*ワイングラスの持ち方は枝の部分を持つのであるが、女性の場合小指を少し立てると美しい仕草になる。男性はこの仕草は避けた方がよい(笑)。枝の部分をもつのは、ワインを手の体温によって温めてしまうと美味しくなくなるためである。白ワインは冷やして飲むと美味しく、ワインの温度によって味がちがってくる。
*ワインをコップの中でまわすとき、右利きの人は時計と逆方向に、左利きの人は時計まわりに揺すること。その理由はワインを回したときに、この方向だとたとえこぼれたとしても、他人ではなく自分にかかるからである。
*ソムリエにワインの相談する時、値段を聞くのはマナー違反ではないので、先ず価格の範囲、その後赤か白か、そして軽いのか重いのかを相談するのが良い。
*ワインメニュウ:グラスワインは一般的にシャンパン、白、赤、デザートワイン別に記載されている。その他、国別、ぶどうの品種毎に、或いはレストランに依ってはソムリエのお勧めワイン毎になっているが、たいてい軽いものから重いものの準になっている。
*ホストティスティング:ワインに劣化(ブショネ-仏語、コルクの意味)がないかを調べる事。ワインにコルクのダンボールのような香りが付いていないかを調べる事で、大体100本に1本の割合で起きているとされています。もし、気が付かなくても、ソムリエが気付けば取り替えてくれるし、たまたま、それを呑んでしまっても無害である。
5.押さえておきたいワイン:
*Charles Shaw (Two Buck Chuck):よくTrader Joeなどで売られている2ドル程度のワインであるが、安くて美味しい。価格が安い理由にはいろいろな説があるが、ワイナリーの余剰ブドウで作られたものとの説が一般的。このワインは2008年にフランスのソムリエのワインコンテストで他の高いワインを抜いて1位になった経緯がある。
*フランシス フォード コッポラ:1)ディレクタースカット、いろいろなブドウ畑から集められたブドウから造られていて味が安定している。2)フランシス コッポラ シャドーネ、フランシスのダイヤと呼ばれていて価格は10ドル程度。濱さんお勧めのワイン。3)サンティ、ヨーロッパ風に造られたワイン。4)スパークリンワイン、これはコッポラが娘の結婚式のために造られたワインだが、その後、娘は離婚してしまったので、離婚ワインと言われている。味は爽やかで美味しいが、結婚式のお祝いには使えない(笑)。
*ルビコン エステート ワイナリー:コップラが持っているが元はGustave Niebaum, Inglenookのワイナリーだったので、コッポラは歴史上重要なワイナリーを持っていることになる。
*ロバート モンダリー ワイナリー:ここのワインには多くのシリーズがあり、サイズの小さいものは安いが、大きいものは100ドル~150ドル程度する。このワイナリーが有名になったのはワイン製造の技術革新を行った事と世界中にカルフォニアワインを広めた第一人者である事と言われている。
*オーパス ワン:コップラとフランスのバロンドフィリップとの共同で造ったワイナリー。
*オーバチャー:80ドル程度ではあるがオーパス ワンより美味しいのではないかと言われているワイン。いろいろなブドウを使っているので味が安定している。
*スクリーミング イーグル ワイナリー:カルトワインと言われる高級ワイン。1992年にリリースされ、オークションで1本5000万円の値段が付いたと言われている。現在では生産量が増えているので、一本1500ドル程度から売られている。
6.価格当てティスティング:
講演の最後に、数人が前にでて、3種類のワインがグラスに注がれたのをどれが一番高いかというテステイングをしたのだが、320ドルの一番高いのを当てた人は一人もいなくて、30ドル10ドルのものを一番高いと判断した人ばかりであった。
このことからも、高いから美味しいとはいえない。飲む人の好みによるということになるので、個々の好みに合ったワインを選べば良いとの結論で講演が締め括られた。
濱氏の講演資料をご覧になりたい方はここをクリック:https://drive.google.com/file/d/0B1scdJVhAJdjanA5OXROaWkzNzA/view?usp=sharing
以上。
会場: Toyota USA Automobile Museum
講師:濱 泰穂(はま やすほ)/ Alice Hama氏
講演録担当:藤原 勝
講師略歴
慶應義塾大学法学部法律学科卒。 日本銀行で勤務していたころ、趣味の一つとしてワインスクールに通いだしたことがきっかけで、ワインの世界に魅了される。 2009年に転職を経て渡米した後は、カリフォルニア大学ロサンゼルス校のワインプログラムにて多角的な視点からワインを研究。日本・米国・スペインのワイン関係の資格(後掲)を取得。 現在はワイン教育プログラムの提供やワイナリーのプロモーションイベントを手掛ける「LearnAboutWine.com」所属のコンサルタント兼ライターとして活動中。同社はロサンゼルスのワイン・レストラン業界においてもっとも影響力のある会社トップファイブに選ばれている。 フリーランスでは、ナパの新星ワイナリー数社のPR・マーケティングおよびワインコメントを担当。
保有資格: UCLA Business, Management, and Legal Programs: Hospitality and Wine Education - The Certificate in Wine Education and Management
Southern California Wine Examiner
日本ソムリエ協会(JSA)認定ワインエキスパート
米国ワインエデュケーター協会(SWE)認定ワインスペシャリスト
スペインワインアカデミー認定ワインエデュケーター
日本アロマテラピー協会認定アロマテラピーアドバイザー
Learn About Wineワイン・エクゼクティブ
食育エキスパート
ブログ&記事: Alice in WINEderland: http://ameblo.jp/yasuho-hama/ Killer Cabernet & UMAMI Burger: http://learnaboutwine.com/blog/?p=1198 Cakebread Cellars Dinner: http://learnaboutwine.com/blog/?p=1168 Top Sake with Kurtis Wells: http://learnaboutwine.com/blog/?p=1151 Sea Smoke Cellars Dinner at Nobu: http://learnaboutwine.com/blog/?p=1038 Southern California Wine Examiner Page:http://www.examiner.com/southern-california-wine-in-los-angeles/alice-hama Eagle Vines Vineyards:http://www.eaglevinesgolfclub.com/sites/courses/layout9.asp?id=641&page=62337 Voice from California “Kenzo Estate Winery”: http://www.gvsjapan.com/YMK/Blog/entori/2010/12/2_Voice_from_CaliforniaKenzo_Estate_Winery.html
講演内容
1.はじめに:
彼女が所属する会社“Learn About Wine”の会社概要:比較的小規模のワイナリーの商品のプロモーションビジネスが主体で、各所でバイヤーなどを集めてワインテイスティングやワインディナーなどのイベントの開催を行っている。濱氏はここでバックアップソムリエとして活躍中。
ソムリエ: 日本ではソムリエと言う言葉を広めた田崎信也氏が有名だが、ソムリエとは元来、王様の食事の毒見をする係りの人の事であった。重要ではあるが危険を伴う仕事でもあった。現在ではワイン担当でワインの知識が豊富で食事の時にワインに関するアドバイスが出来る人の事をソムリエと呼んでいる。その資格検定は各国バラバラで統一されていないが、日本の場合、ソムリエの金バッジを付けた人はワインに関する仕事で5年以上の経験があり、受験者の10%程度しか合格しないと言われる厳しい検定試験に合格する必要がある。
ワイン業界に影響力のあるメディア: 漫画、神の雫、は一般の人にワインの知識を分かりやすく面白く伝える事で話題になり、日本では現在30巻、350万部発売され、ドラマ化もされている。更に韓国でも話題になり、既に売り上げは100万部を突破し、韓国のワインブームの切っ掛けになったとも言われている。その他サンタバーバラやナパバレーのワイナリーを舞台にしたアメリカ映画“Sideways”や、それのリメーク版とした日本のテレビドラマ”サイドウエイス“が有名である。
2.カリフォルニアワインの概要:
世界で最初にワイン製造が始まったのは紀元前6000年頃と言われているが、アメリカでは1700年代に、一つは、トーマス・ジェファーソンがワイン好きで、フランスからぶどうの木を東海岸に植えたが、地理的条件の差と技術の問題であまり成功はしなかった。もう一つは同時代に、カソリックのイエズス会が宗教儀礼にワインが必要なので、メキシコからカリフォルニアに持ち込んだワインの木を教会の裏に移植したのが最初だと言われている。
1838年にナパバレーに教会の裏ではない最初のブドウ畑が出来、その後1857年にAgoston Harazsthyが最初のワイナリーを経営するようになった。1879年にGustave Niebaum, Inglenookがワイナリーを開放し一般の人がワインを楽しめるようにした。 1920年より1933年までは禁酒法の施行のため全米に700社あったワイナリーが140社にまで激減したが、宗教の自由は憲法で保障されていた為、宗教上の理由でワインを飲む事が許されていた事と、ブラックマーケトの存在もあり、ワイナリーが完全に無くなることは無かった。今でもナパにはブラックチキンと言うなのワインが存在するが、これは禁酒法時代に作られたワインの事を言う。
1976年にパリでの世界ワインコンクールでアメリカのワインが世界一になった。それ以降、アメリカのワインは世界で注目されるようになり、ワイナリーの数もブドウ栽培面積も急増した。このような流れのなかで、1978年、アメリカ政府はワインの認定制度に関する法律を作った。最初に認定されたワイナリーはミズリー州のものであった。1983年あたりからカリフォルニアのナパバレーのワインが注目をあびるようになり、質のよいワインが生産されている。
現在、全米に7626社のワイナリーがあり、カリフォルニアでは3364社ある。約半分近くがカリフォルニアにある。しかも、カリフォルニアは全米のワインの90%生産している。一応どの州もブドウが生産されているが、カリフォルニアに集中していることになる。
*カルフォルニアのワイナリー: 南北の海側に集中している。北はアイランド イン ザ スカイと言う愛称で最近日本でも話題のワイナリーがあるメンドシノカウンティがある。ソノマカウンティーはジンファンデルの生産で有名。ナパバレーは時価が高いのでワイン価格もそれに比例して比較的高い。セントラルーバレー、まったりとしたクラッシック風のシャドネーで価格も比較的安い。モントレーカンウンティは最近、新しい移民に依るワイナリーが増えていて、また、今までに無かったブドウの木を植えているので、注目を浴びている。サンルイスオビスポ、大変ホットな場所でここのワインは価格が安いにもかかわらず品質が高いのでコストパフォーマンスが良いと言われている。サンタバーバラ、ピノノワールの生産で有名。シースモック(?)と呼ばれる地域のワインには一本300ドルのものもあり、ワイン価格の上昇が一番激しい地域としての印象がある。テメキュラはワイン通にはあまり注目されていない地域ではあるが、アーモンドやオレンジ風味のシャンパンがあり、ワインをあまり飲まない人でも楽しめる面白い地域である。
3.テイスティング:
参加者全員のテーブルの上に三種類のワインが並べられていて、各自がワインテイスティングができるように準備されていた。
Glass #1 ( piot noir) テーブルのサンプルのピノノワールは。黒ブドウからつくられていて、女性的なワインとされていて日本食にもよく合うと言われている。このワインを飲む特製のワイングラスを濱さんはもって来ていたが、我々の前にあるグラスはテイスティング用のもので、それほど大きくなく、またそれほど薄くない。どれも同じ条件で飲むために、このようなテイスティングテスティング用のグラスがあるという。普通、それぞれのワインにはそのワインにあったワイングラスがあるという。
Glass #2(Cabernet Sauvignon) 青ピーマンの香りがし、少しスパイシーな感じのワインで、知性のブドー或いは男性的なワインと言われている。
Glass #3 (Zinfandel blend) ジンファンデルはカルフォルニア独自の種類と言われているが、原産地はクロアチア或いはスロバニアのぶどうだと言われている。ただ、ジンファンデルと呼んでいるのはカルフォルニアのみ。まったりとした甘さがあり肉料理に合うワイン。
4.ワインマナー:
*香水は控えること。香水の匂いがきついと、ワインの香りを楽しもうとすることに対する妨害になる。
*飲む順序がある。最初にシャンペン、次に白から赤に進む。
*乾杯のとき、グラスをカチンと合わせるのはよくない。その理由はワイングラスが薄くできていて、割れるからである。特にヨーロッパでこのような動作をすると、アメリカから来た田舎者と冷ややかな眼で見られるという。
*ワイングラスの持ち方は枝の部分を持つのであるが、女性の場合小指を少し立てると美しい仕草になる。男性はこの仕草は避けた方がよい(笑)。枝の部分をもつのは、ワインを手の体温によって温めてしまうと美味しくなくなるためである。白ワインは冷やして飲むと美味しく、ワインの温度によって味がちがってくる。
*ワインをコップの中でまわすとき、右利きの人は時計と逆方向に、左利きの人は時計まわりに揺すること。その理由はワインを回したときに、この方向だとたとえこぼれたとしても、他人ではなく自分にかかるからである。
*ソムリエにワインの相談する時、値段を聞くのはマナー違反ではないので、先ず価格の範囲、その後赤か白か、そして軽いのか重いのかを相談するのが良い。
*ワインメニュウ:グラスワインは一般的にシャンパン、白、赤、デザートワイン別に記載されている。その他、国別、ぶどうの品種毎に、或いはレストランに依ってはソムリエのお勧めワイン毎になっているが、たいてい軽いものから重いものの準になっている。
*ホストティスティング:ワインに劣化(ブショネ-仏語、コルクの意味)がないかを調べる事。ワインにコルクのダンボールのような香りが付いていないかを調べる事で、大体100本に1本の割合で起きているとされています。もし、気が付かなくても、ソムリエが気付けば取り替えてくれるし、たまたま、それを呑んでしまっても無害である。
5.押さえておきたいワイン:
*Charles Shaw (Two Buck Chuck):よくTrader Joeなどで売られている2ドル程度のワインであるが、安くて美味しい。価格が安い理由にはいろいろな説があるが、ワイナリーの余剰ブドウで作られたものとの説が一般的。このワインは2008年にフランスのソムリエのワインコンテストで他の高いワインを抜いて1位になった経緯がある。
*フランシス フォード コッポラ:1)ディレクタースカット、いろいろなブドウ畑から集められたブドウから造られていて味が安定している。2)フランシス コッポラ シャドーネ、フランシスのダイヤと呼ばれていて価格は10ドル程度。濱さんお勧めのワイン。3)サンティ、ヨーロッパ風に造られたワイン。4)スパークリンワイン、これはコッポラが娘の結婚式のために造られたワインだが、その後、娘は離婚してしまったので、離婚ワインと言われている。味は爽やかで美味しいが、結婚式のお祝いには使えない(笑)。
*ルビコン エステート ワイナリー:コップラが持っているが元はGustave Niebaum, Inglenookのワイナリーだったので、コッポラは歴史上重要なワイナリーを持っていることになる。
*ロバート モンダリー ワイナリー:ここのワインには多くのシリーズがあり、サイズの小さいものは安いが、大きいものは100ドル~150ドル程度する。このワイナリーが有名になったのはワイン製造の技術革新を行った事と世界中にカルフォニアワインを広めた第一人者である事と言われている。
*オーパス ワン:コップラとフランスのバロンドフィリップとの共同で造ったワイナリー。
*オーバチャー:80ドル程度ではあるがオーパス ワンより美味しいのではないかと言われているワイン。いろいろなブドウを使っているので味が安定している。
*スクリーミング イーグル ワイナリー:カルトワインと言われる高級ワイン。1992年にリリースされ、オークションで1本5000万円の値段が付いたと言われている。現在では生産量が増えているので、一本1500ドル程度から売られている。
6.価格当てティスティング:
講演の最後に、数人が前にでて、3種類のワインがグラスに注がれたのをどれが一番高いかというテステイングをしたのだが、320ドルの一番高いのを当てた人は一人もいなくて、30ドル10ドルのものを一番高いと判断した人ばかりであった。
このことからも、高いから美味しいとはいえない。飲む人の好みによるということになるので、個々の好みに合ったワインを選べば良いとの結論で講演が締め括られた。
濱氏の講演資料をご覧になりたい方はここをクリック:https://drive.google.com/file/d/0B1scdJVhAJdjanA5OXROaWkzNzA/view?usp=sharing
以上。