2003年度 12月 - 2003年何が起こったのか、そして2004年は
講師 北岡 和義氏(J.A.T.V.社長)
講師紹介と略歴
[講師からのメッセージ]
2003年を回顧するとことしもまた「イラク戦争を強行したブッシュと追従する小泉」という日米の隷従構図が浮かび上がってくる。株価は上昇したとはいうものの先行き不透明な日本経済である。先の総選挙は自民党に対する支持層の低迷にも関わらず公明党と組んで安定多数を確保した。自民党の小選挙区当選者の多くが公明党の票に支えられていた ことは政界の常識となっている。弱小政党の保守新党は自民党に吸収され、社民党は土井党首の引責辞任で存亡の危機に直面している。日本の政治は二大政党制へ傾斜しつつも政権交代にはほど遠い。
イラク戦争とそれがもたらしたものは何か。小泉首相は自衛隊派兵を決めたが、一体その目的、任務は何か。小泉改革はどこまで進むのか。多くの疑問は解けないまま、われわれはまた1年を越えようとしている。
イラク 戦争と止まない自爆テロに、解決不能の拉致問題。世界はさらに不安で危険横溢の様相が濃くなってきている。2003年を振り返り、新たな年への展望を語ってみたい。
[略歴]
1941年12月15日岐阜県生まれ。64年南山大学文学部卒。読売新聞社入社。千葉支局記者、北海道支社編集部記者。70年衆議院議員・横路孝弘第一秘書。74年からフリージャーナリスト。79年渡米。邦字新聞編集部長を経て、85年「ジャパン・ニュース・マガジン」プロデューサー、キャスター。JATV社長。ロサンゼルス日本記者クラブ会長。著書に『べらんめえ委員長』『ドキュメント選挙戦』『13人目の目撃者』ほか。
紹介者 佐藤氏
講義内容
は じ め に
1. 21世紀になって特徴的に言えることは、ひとつひとつの出来事や事件が完結型ではなくなり、後まで引きずっている感じになっていることと言えよう。
2. したがって、「2003年は」と言っても一つの形として総括できない。
3. 2003年を読み解くキーワードは <流> と言えるかと思う。
(去年は <戦> であった)
4. 今年のニュースと言えば「イラクでの戦争」がすべてであり、その他には殆どニュースはなかったという言い方も出来る年であった。
5. 以下は読売新聞から抜粋したものを中心に重大ニュースを拾ってみた。
重大ニュース
(日本国内)
1月:貴之花の引退、朝青龍の横綱昇進。
2月:「ネット心中」相次ぐ。
ハウステンポス経営破綻。
3月:小泉首相、イラク攻撃支持。
「千と千尋・・」にアカデミー賞受賞。
4月:野茂、メジャー100勝。
白装束集団が林道占拠。
5月:ヨルダンで毎日新聞記者の手榴弾が爆発。
6月:有事関連3法成立。
りそな破綻。
7月:中学生が4歳男児を殺害するなど、少年関連事件続発。
辻元清美前衆議院議員を逮捕。
8月:凶悪犯罪が過去最多に。
万景峰号入港で厳戒体制。
9月:百歳以上が2万人突破。
阪神、18年振りのリーグ優勝。
自民党総裁選で小泉首相が再選。
民主党と自由党が合併。
10月:日本産のトキ絶滅。
松井選手、ワールドシリーズで活躍。
日本テレビで視聴率買収工作。
11月:総選挙で与党が絶対安定多数。二大政党化進む。
重大ニュース
(海 外)
1月:北朝鮮、核拡散防止条約から脱退。
2月:スペースシャトルが空中分解。
イラク問題で国連機能不全。
韓国で地下鉄放火事件、198人死亡。
盧武鉉氏、韓国大統領に就任。
3月:中国、国家主席の胡錦涛氏。
米英軍がイラク攻撃。
フセイン政権崩壊。
4月:新型肺炎(SARS)が各国で猛威。
ヒトゲノムの解読完了。
中東和平へ「ロードマップ」提示。
5月:NYタイムズで記事盗用発覚。
東欧諸国が相次ぎEU加盟承認。
6月:仏でエビアン・サミット開催。
7月:脱北者の駈け込み相次ぐ。
8月:ジャカルタのホテルで爆弾テロ。
米国東北部、カナダで大停電。
イラクで爆弾テロなど続く。
北朝鮮の核をめぐり6カ国協議。
9月:イスラエルがアラファト議長の「排除」決定。
10月:カリフォルニア州知事にシュワルツネッガー氏。
中国で初の有人宇宙飛行。
カリフォルニアで大規模山火事。
イラク復興へ支援国会議。
マハティール首相が引退。
11月:歌手のマイケル・ジャクソン逮捕。
トルコなど各国でテロが相次ぐ。
シュワルナゼ大統領辞任。
北岡和義氏が
選んだ重大ニュース
◎ イラク開戦 → 戦闘終結宣言 → 死者続出。
◎ 9・11が生み出した21世紀の戦争とテロ。
◎ 小泉再選、総選挙 → 二大政党への傾斜。
◎ デジタル放送とモーバイル・コミニュケーション。
○ 移民パワー → シュワちゃんが加州知事へ。
○ 阪神リーグ優勝と星野仙一監督の退場。
○ WDCH(ウオルトディズニー・コンサートホール)のオープンとL.A.24時構想。小東京の変貌。
○ 「千と千尋の神隠し」アカデミー賞受賞とアニメ・ビジネス
2003年が<流>
であるという
ことは
* 時代の激流に一人立ちはだかる巨人。
* 一超大国 + 地域諸国 → ニューワールド・オーダーという幻想と孤独。
* 多様性国家の正義は唯一という逆説。
* 「敗北を抱きしめて」生きてきた日本の戦争と平和。
* 民主天皇制国家 と 民衆軍国主義。
講師紹介と略歴
[講師からのメッセージ]
2003年を回顧するとことしもまた「イラク戦争を強行したブッシュと追従する小泉」という日米の隷従構図が浮かび上がってくる。株価は上昇したとはいうものの先行き不透明な日本経済である。先の総選挙は自民党に対する支持層の低迷にも関わらず公明党と組んで安定多数を確保した。自民党の小選挙区当選者の多くが公明党の票に支えられていた ことは政界の常識となっている。弱小政党の保守新党は自民党に吸収され、社民党は土井党首の引責辞任で存亡の危機に直面している。日本の政治は二大政党制へ傾斜しつつも政権交代にはほど遠い。
イラク戦争とそれがもたらしたものは何か。小泉首相は自衛隊派兵を決めたが、一体その目的、任務は何か。小泉改革はどこまで進むのか。多くの疑問は解けないまま、われわれはまた1年を越えようとしている。
イラク 戦争と止まない自爆テロに、解決不能の拉致問題。世界はさらに不安で危険横溢の様相が濃くなってきている。2003年を振り返り、新たな年への展望を語ってみたい。
[略歴]
1941年12月15日岐阜県生まれ。64年南山大学文学部卒。読売新聞社入社。千葉支局記者、北海道支社編集部記者。70年衆議院議員・横路孝弘第一秘書。74年からフリージャーナリスト。79年渡米。邦字新聞編集部長を経て、85年「ジャパン・ニュース・マガジン」プロデューサー、キャスター。JATV社長。ロサンゼルス日本記者クラブ会長。著書に『べらんめえ委員長』『ドキュメント選挙戦』『13人目の目撃者』ほか。
紹介者 佐藤氏
講義内容
は じ め に
1. 21世紀になって特徴的に言えることは、ひとつひとつの出来事や事件が完結型ではなくなり、後まで引きずっている感じになっていることと言えよう。
2. したがって、「2003年は」と言っても一つの形として総括できない。
3. 2003年を読み解くキーワードは <流> と言えるかと思う。
(去年は <戦> であった)
4. 今年のニュースと言えば「イラクでの戦争」がすべてであり、その他には殆どニュースはなかったという言い方も出来る年であった。
5. 以下は読売新聞から抜粋したものを中心に重大ニュースを拾ってみた。
重大ニュース
(日本国内)
1月:貴之花の引退、朝青龍の横綱昇進。
2月:「ネット心中」相次ぐ。
ハウステンポス経営破綻。
3月:小泉首相、イラク攻撃支持。
「千と千尋・・」にアカデミー賞受賞。
4月:野茂、メジャー100勝。
白装束集団が林道占拠。
5月:ヨルダンで毎日新聞記者の手榴弾が爆発。
6月:有事関連3法成立。
りそな破綻。
7月:中学生が4歳男児を殺害するなど、少年関連事件続発。
辻元清美前衆議院議員を逮捕。
8月:凶悪犯罪が過去最多に。
万景峰号入港で厳戒体制。
9月:百歳以上が2万人突破。
阪神、18年振りのリーグ優勝。
自民党総裁選で小泉首相が再選。
民主党と自由党が合併。
10月:日本産のトキ絶滅。
松井選手、ワールドシリーズで活躍。
日本テレビで視聴率買収工作。
11月:総選挙で与党が絶対安定多数。二大政党化進む。
重大ニュース
(海 外)
1月:北朝鮮、核拡散防止条約から脱退。
2月:スペースシャトルが空中分解。
イラク問題で国連機能不全。
韓国で地下鉄放火事件、198人死亡。
盧武鉉氏、韓国大統領に就任。
3月:中国、国家主席の胡錦涛氏。
米英軍がイラク攻撃。
フセイン政権崩壊。
4月:新型肺炎(SARS)が各国で猛威。
ヒトゲノムの解読完了。
中東和平へ「ロードマップ」提示。
5月:NYタイムズで記事盗用発覚。
東欧諸国が相次ぎEU加盟承認。
6月:仏でエビアン・サミット開催。
7月:脱北者の駈け込み相次ぐ。
8月:ジャカルタのホテルで爆弾テロ。
米国東北部、カナダで大停電。
イラクで爆弾テロなど続く。
北朝鮮の核をめぐり6カ国協議。
9月:イスラエルがアラファト議長の「排除」決定。
10月:カリフォルニア州知事にシュワルツネッガー氏。
中国で初の有人宇宙飛行。
カリフォルニアで大規模山火事。
イラク復興へ支援国会議。
マハティール首相が引退。
11月:歌手のマイケル・ジャクソン逮捕。
トルコなど各国でテロが相次ぐ。
シュワルナゼ大統領辞任。
北岡和義氏が
選んだ重大ニュース
◎ イラク開戦 → 戦闘終結宣言 → 死者続出。
◎ 9・11が生み出した21世紀の戦争とテロ。
◎ 小泉再選、総選挙 → 二大政党への傾斜。
◎ デジタル放送とモーバイル・コミニュケーション。
○ 移民パワー → シュワちゃんが加州知事へ。
○ 阪神リーグ優勝と星野仙一監督の退場。
○ WDCH(ウオルトディズニー・コンサートホール)のオープンとL.A.24時構想。小東京の変貌。
○ 「千と千尋の神隠し」アカデミー賞受賞とアニメ・ビジネス
2003年が<流>
であるという
ことは
* 時代の激流に一人立ちはだかる巨人。
* 一超大国 + 地域諸国 → ニューワールド・オーダーという幻想と孤独。
* 多様性国家の正義は唯一という逆説。
* 「敗北を抱きしめて」生きてきた日本の戦争と平和。
* 民主天皇制国家 と 民衆軍国主義。