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2003年度 8月 - 創作のヒミツと小説ができるまで

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2003年度 8月 - 創作の... 2003年度 8月 - 創作の...
講師 阿木慎太郎 氏
講師紹介と略歴
地元ロスに在住するハードサスペンス小説の巨匠、阿木慎太郎さんです。最近上梓された大作「ラストインテンション(遺志)」の創作過程を辿りながら、豊富な映画・出版業界での経験を踏まえて「創作のヒミツと小説ができるまで」と題して講演していただきます。
阿木先生は昨年出版したテロリストを主人公にした「ヴァイオリニストの息子」が、創作中に発生したその後のテロ事件に酷似したために急遽展開を変えたという、綿密な調査と資料に基づいた作風で知られています。阿木先生の執筆活動は30年に及びますが、その作風は恋愛小説、シリアスホームドラマ、ハードボイルド、ポリティカルフィクションなどどんどん変わってきており、ドラマ化された本も夥しい数に上ります。


[略歴]  慶応大学在学中より劇団を主宰。多くの人気俳優を育てる。
卒業後、東宝に入社。東宝映画の企画担当重役の傍ら執筆活動を本格化。
阿木慎太郎のペンネームで、多岐にわたる小説を発表。NHK・民放などで多数ドラマ化される。
最近ではポリティカルフィクションやハードサスペンスものが多い。
また人気作「闇の警視」5部作も近々100万部突破記念の「新・闇の警視」も発刊予定。


紹介者 諸橋氏
講義内容
写真(クリックすると拡大されます)

なぜ本が売れなくなったか

・読書以外に金を使う趣味・余暇の過ごし方が増えた
・図書館の存在。無料で自由な貸しだし。ベストセラーでは延べ数十万冊の貸し出し -> 販売機会が失われている。
図書館側は、読書の底辺拡大に貢献と反論。
・新古書店の台頭。読書には安価で嬉しいが、出版業界には金が入らない。
・読者層の変遷。文芸が売れない。ハウツー、健康、経済が売れ筋。


出版業界の現状

・大変景気が悪い。
・2.39兆円産業と大きいが、3.9%減。毎年減少傾向。
・ある統計によると、書店が毎年2千店減少

-> 日本映画界の凋落に大変似ている

新たな動き
IT化。電子ブック。


阿木先生の半生

・終戦直後、学校入学。貧しい時代。貸本屋で本を読みあさる。
・映画女優の姉の影響で、中高時代芝居に熱中。
・大学時代、 劇団を主宰。奥様と知り合う。
-> 芝居では食っていけない。結婚のためには就職が必要。

奥様との馴れ初めをお話し中に音響機器不具合で、大爆音発生*

・卒業後、東宝に入社
・東宝に23年間務め、うち十数年はTVドラマ企画を担当。

*SBMSより:大変失礼いたしました。しかし、何というタイミング!


TVドラマ企画時代

・スタッフ7-8人で 、ドラマのネタとなる原作を探し、企画書をTV局に売り込む。
・原作は各社の奪い合い。原作不足となる。
・オリジナル脚本を執筆し、制作する。
・ 原作の著者にはギャラが支払われるが、オリジナルの制作に当たっては仕事の一部であり通常の給料以外何もない。クレジットすら出ない。ストレス溜まる。
・ 出版社に原稿1000枚持ち込み、出版とTVドラマ化を掛け合う。

-> 実現し、出版とTV化の相乗効果でヒット。

作家ってなんて儲かる商売なんだろう!

作家へのきっかけ

・23年務めた東宝を退社。「毎日が日曜日」状態。奥様の勧めもあり、ロスに移住。
・ロスでコーディネート会社を設立。しかし、 儲からず失敗。折からの急激な円高で手持ち資金が消失!

-> やむを得ず、小説「挙聖処刑行」を執筆。ヒット作となり、作家を本業とするようになる。


創作の秘密

・阿木先生の奥義: ストーリーを作らずに書く。
・感情移入できるキャラクターを設定するのがカギ。後はキャラクターが勝手に動いてくれる。
・執筆場所は、ご存じスターバックス


最新刊「ラスト・インテンション」について

・タイトルは版元が決めた。日本人にはわかりにくい?
・映画界が舞台と言うことで、版元は当初撮影所のトリックを題材にしたストーリーと考えていた。阿木先生としては、日本映画の産業構造の宿命について描きたいと考え、執筆した。

・ラスト・インテンションの秘密
前半: 1980年代のサラリーマン物。文体もサラリーマン風
後半:  アメリカの作家が書いたような文体



小説について

小説を読んでも
お金が儲かるわけではない
健康になるわけでもない
時間を浪費する
しかし・・・・

小説は素晴らしい

何通りもの人生を味わえる。ヒーロー、ヒロインになれる

主な質疑

Q: 作家志望です。どうすればデビューできますか?

A: 現在作家使い捨ての傾向が顕著。従って新人には逆にデビューのチャンスは大きい。新人賞懸賞に応募するのが最も近道。出版社に持ち込んでもまず読まれない。私のところにも持ち込まないでください。

Q: 裏の世界を舞台にしたストーリーが多いですが、取材はどうされていますか?

A: 実際にヤクザや警察内部の人と会って話を聞いている。言ってることが正反対だが、そこはフィクションなので脚色して書いてます。


講義全体の感想

SBMSの新記録ではないかと思われる約80名の聴衆を集めた講義となりました。質疑もいつにもまして活発で阿木先生の人気ぶりが伺えました。

Hideki Muto
#SBMS過去のセミナー

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