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サウスベイ マネジメント セミナー( Southbay management seminar )は月一回のセミナーを中心に勉強し、時々に親睦をする、乃ち「よく学び、よく交友する」そのような会です。

2003年度 7月 - 日本経済の行方:回復か停滞か

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2003年度 7月 - 日本経... 2003年度 7月 - 日本経...
講師 目良浩一氏
講師紹介と略歴
南カルフォルニア大学(USC)で教鞭をとる経済学者、目良浩一(めら・こういち)教授を迎えて、世界経済の動向を語って頂きます。特に日本の株価低迷や長期化するデフレの現状を解き明かし、波乱の経済環境を整えるのに不可欠な金融市場の流れや不良債権問題の行方、小泉改革の帰趨などについて、一般のマスコミにない切り口で指摘されることが期待されます。教授の世界的経済アナリストの片鱗は、先のハーバード大学や世界銀行での活躍場にも伺え知れますし、今日も、なお日米ビジネスの方向性に強い影響力を持った方と聞いております。


[略歴]  1957年東京大学工学部卒業。1965年ハーバード大学で博士号修得後、同年ハーバード大学経済学部講師。1967年ハーバード大学経済学助教授。1969年世界銀行のエコノミストとなり、その後同銀行アドバイザーとして活躍。1975年筑波大学教授。1995年南カリフォルニア大学教授、現在に至る。


紹介者 今森氏
講義内容
写真(クリックすると拡大されます)

'80年代以降の日本経済の動き

'80年代 バブル経済、派手な発展
'90年代 低迷、GNP: 2位->7位 PPP(購買力指数)にいたっては16位
     失われた10年

'00年代 回復か停滞かの分岐点


凋落の原因

地価急落 -> 景気急落 -> 120兆円の不良債権

戦後復興、追いつけ追い越せが国民全体の一致した目標 -> '85年プラザ合意が分岐点

・目標達成 -> 目標喪失
・自信過剰による成金投資の失敗
・追いつき型経済の限界
・依存型のメンタリティー
・危機意識の欠如


どうすれば望ましい国になれるか

グローバリゼーションが不可欠、孤立主義は持続不可能

・自主的思考力が不可能
・異端を受け入れる社会
・能力を十分に生かせる社会
・政府による規制を最小限に

国民の自立、地方自治、教育改革、大胆な不良債権処理

失われた10年のその後

明るい兆しと暗いニュースが相半ば

2002/4 小泉政権発足1年成果乏しく
2002/12 上場企業、リストラにより7割増益
2003/1 新生銀行の成功
2003/3 イラク戦争 不安定
2003/4 4/26 日経平均¥7600まで落ち込み
2003/5 上場企業15%経常益増、ピーク時の9割まで回復
2003/5 全大手銀行、最終赤字
2003/7 経済指標上向く、長期金利上昇


改革は進んだか?

成果は少ない

・特区の規制撤廃
・金融機関への公的資金注入をやりやすくした

最近の動き
・株価上昇 -> 2003/4の急落からの回復
・長期金利上昇 -> 外資の影響
・企業業績向上 -> 特定業種、合理化の成果


本当の回復か?

答: まことに疑わしい

・経営方針 -> 大きな変化ない
・官僚の抵抗存続
・政治家、旧態依然
・小泉政権は 国民の期待と旧態政治家の中庸路線


必要な変化

・企業が政府に頼らない
・失業に動じない
・競争社会への慣れ
・政治家が官僚を動かす
・移民の入国制限を緩和
・努力が報われる社会に


講義全体の感想

力強い日本経済の回復を期待しましたが、道のりは険しいようです。今回のお話しは、目良教授からの警鐘と言えそうです。真の日本経済回復のためには、我々日本人一人一人が意識を変え変化することが求められていると感じました。

Hideki Muto
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