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アメリカ不動産マーケット・買い手市場にシフト開始

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表1:住宅ローン金利の推移 表1:住宅ローン金利の推移
表2:過去6回のリセッションと... 表2:過去6回のリセッションと住宅価格
表3:カリフォルニアのリスティ... 表3:カリフォルニアのリスティングは増加中
表4:販売中でリスト価格より値... 表4:販売中でリスト価格より値下げした物件
アメリカの不動産販売件数はコロナ禍の低金利の影響を受けて、 2 年連続好調に増加しました。

しかし、 2022 年は急速なインフレの影響を受けて、年初 3% 台前半だった住宅ローン金利は瞬く間に上昇。

5 月には 5% 台へ突入し、この時期からバイヤーの動きにブレーキがかかり始めました。



(表1:住宅ローン金利の推移)



金利が 3% から 5% に上がるとどのくらいインパクトがあるか見てみましょう。



40 万ドルのローンを借りた場合で計算すると、毎月の返済額は $1,686 から $2,147 へと、

27.3% のアップになります。でもこれに加えて今年の前半は不動産価格が上昇し続けていましたので、

1 年前に比べると物件価格とローン借入額 15 ~ 20 %高くなります。

仮にローン額を 20 %増やすとすれば、



40 万ドル・ 3% : $1,686

48 万ドル・ 5% : $2,577



同じ物件を買うにも毎月返済額が 52.8% 上がってしまったという状態です。

逆に言うと、購入できる価格を下げなければならない人が増えたということになります。



住宅価格は暴落するのか?



購入にブレーキがかかりましたが、住宅価格の暴落になるのか?



答えはノーです。



アメリカは GDP が 2 期連続マイナスになりましたので、経済学の定義では景気後退、

つまりリセッションと位置付けらるようです。しかし失業率は 3.5 %( 2022.7 )とコロナ前に戻り、

失業者数よりも求人数が 2 倍という仕事が見つけやすい状況になっています。



そして不動産価格が上昇したことによって、不動産のエクイティー(純資産)が増えた人が多いため、

2007 年の大リセッションの頃に失業や債務超過で物件を手放さざるを得なくなった人が

続出した状況とはかなり異なります。



下記は近年 6 回のリセッションの時の住宅価格を記した表ですが、 2007 年の大リセッションの時以外は

価格は下がるどころか上がっているケースもありました。

つまり、リセッションと価格の下落は連動しないことがわかります。



(表2:過去6回のリセッションと住宅価格)



これから 2023 年にかけてどうなるか?



不動産の販売物件数は増えていき、価格も調整が入ってやや下がることが予想されます。

在庫数は増えていくと思いますが、長期で見るとまだ大リセッションの頃の

1/4しかない少ないレベル。 また、この10年間の新築着工不足による住宅不足は

ま だ解消されていませんので、金利や価格の上昇が落ち着けば需要はまだ強いと思われます。



カリフォルニア州の物件の販売数の推移をみると、今年の1月が最も少なかったのですが、

現在コロナ前の水準よりも増えつつあります。



(表3:カリフォルニアのリスティングは増加中)



リスト価格よりも高い価格で成約した物件の比率は 5 月ごろをピークに下がってきました。

これは人気の高いエリアで手ごろな価格で売り出された場合、去年だと 20 件以上オファーが

入ったところが、今は 2 - 3 件のオファーが入るという感じです。



逆に売出し価格から値下げをされている物件は増えてきました。

例えばパロスバーデスの 1.5 ~ 2 ミリオンクラスの物件ですと、 10 万ドルほど

値下げされている物も出てきました。



(表4:販売中でリスト価格より値下げした物件)



まとめますと、アメリカの不動産マーケットはリストすれば即売れるという超セラーズマーケットでした。

今後はバイヤーが大きな買い物を落ち着いて決断していける「ノーマル・マーケット」になっていきます。



**物件を売り出される方へ**



これから物件を売り出される方へのアドバイスとしては、 慎重に価格設定することが必要になってきます。

通常は過去数か月の成約事例を元に価格を設定しますが、 販売中物件の集客なども良く把握して

値付けすることが大切になってきます。

また物件が増えてくると、販売時で魅力的に見せるプロモーションや修繕交渉に対する備えも必要です。



**物件を購入される方へ**



購入を考える方は、住宅ローン金利が高い時期に買うことを躊躇されるかもしれませんが、

7 年アームなどの期間限定の固定金利を選んで少し金利を下げる方法もありますし、

金利が下がってからリファイナンス をすることも可能です。



焦る必要はありませんが、 6 月頃から価格調整が始まりましたので、徐々にリーズナブルな

選べる物件が増えてくると思いますので、引き続き探していかれると、

いい条件で交渉できる物件と出会える可能性も増えてくると思います。



売却、購入のご相談がありましたら、お気軽にご連絡ください。



西川ノーマン裕子

Hiroko Nishikawa-Naumann

RE/MAX ESTATE PROPERTIES

Direct: (310)951-8233

Website: www.H2Nusa.com

LIC# 01848521

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