朝日新聞/眠っていた戦勝祈願の日章旗76年ぶりに届くー記載を頼りに米国から(Japanese Newspaper featured flag return in Chiba
12月
30日
日章旗の返還活動を続けるアメリカの非営利団体OBONソサエティのレックス&敬子・ジーク共同代表から届けられたもので、同封の手紙には「多くの方々のご協力の元に赤城神社に所以(ゆえん)のある日章旗をお届けできる事を日米スタッフ一同大変喜ばしく感謝申し上げる次第です」と記されている。
旗は縦約75センチ、横約85センチの絹製の布で、真ん中に日の丸が描かれ、右側に毛筆で「郷社赤城神社 社掌佐久間亀蔵」と書かれている。やや黄ばみ、折りたたまれた数カ所には虫に食われたような穴があるが、汚れは少ない。同市や山崎さんによると佐久間亀蔵氏は戦前、旧流山町の第6代町長を務めた後、昭和11年(1936年)から終戦ごろまで、同神社の社掌(宮司)を務めたという。
旗には他に関係者の寄せ書きなどはなく、所有者がわかるような記載はない。山崎さんは旗について「神社周辺の顔見知りの若者ではなく、比較的離れた地区から1人で神社を訪れ、無事を祈願したのではないか」とし、「社掌の名前を頼りに送っていただき、大変ありがたい」と話す。同神社は現在、宮司が常駐していないため、昨年初めころ、OBONソサエティの日本組織から事前に問い合わせがあり、山崎さん宅に届いたらしい。
レックス&敬子・ジークさんの手紙によると、神社に返還された旗はフロリダ州在住のノーマ・グレゴリーさんがサイパン島に従軍した元米兵が戦地から持ち帰ったのを譲り受け所有していたが、OBONソサエティの活動を知り、託されたのだという。
ノーマ・グレゴリーさんからは「長い年月が経過してしまい誠に申し訳なく思いますが、返還が友好と平和への一助となりますよう心からお祈り申し上げます」というメッセージを伝えてほしい、と頼まれたとも記されている。
OBONソサエティの活動概要によると、同組織は京都生まれで米オレゴン州アストリア在住の敬子・ジークさんが2007年に、祖父の寄せ書きの日章旗を返還されたことをきっかけに、夫のレックスさんと09年に「OBON2015」の名称で活動を開始。15年に首相官邸の安倍晋三首相を訪問し、翌16年に現在の名称に改めた。17年までの間に米退役軍人や家族から託された日章旗は400枚以上(※訂正2000枚以上)にのぼり、うち100枚以上(※訂正400枚以上)が返還されたとしている。山崎さんは近く、OBONソサエティに礼状を送るつもりだ。https://www.asahi.com/articles/ASPDY6RTPPDWUDCB00D.html?fbclid=IwAR1oTpauBqYIeA_ujlRWs3fSO6Gl4-_GPY0K0DEeI9F_ajfqB0bUI4EmNtU