京都新聞記事掲載/「ようやく古里に」遺骨も無かった兵士の日章旗、遺族の元に 遺留品返還に取り組む米団体から((Japanese newspaper featured successful flags and a book return))
2月
15日
遺留品を遺族に返す活動をする米国の非営利団体「OBON SOCIETY(オボン ソサエティー)」から昨年9~11月、米国の兵士らが持っていた遺留品3点の情報提供があり、滋賀県遺族会が調査し遺族を特定。大津市の県公館で9日、返還式があった。
滋賀県東近江市の山田明宏さん(61)は「武運長久」などと書かれた大叔父芳蔵さんの日章旗を受け取った。フィリピン・レイテ島で戦死し、祖父からは「遺骨も帰ってきてないし実際いつ亡くなったかも分からない」と聞かされていたという。「大叔父もようやく古里に帰って来られたことを喜んでいるのではないか」と話した。
満州などに赴くも病気で除隊、帰国後まもなく亡くなった辻英次さんが、戦地で紛失したと思われる軍隊手帳には、丁寧な楷書で自身の軍歴などが記されていた。大おい善明さん(56)=滋賀県湖南市=は「面識はないがきっちりとした人だったと読み取れる」と故人の人柄に思いをはせた。
サイパンで戦死した岡田勘平さんの日章旗も返還され、遺族代理として米原市遺族会会長が受け取った。
滋賀県遺族会の大長弥宗治会長は「亡くなられた方の何としても古里の土を踏みたいという願いが遺留品に伝わったのだろう。遺族の皆さんには持ち帰ってご先祖にお供えし、ご報告いただければ幸い」と述べた。
元記事 https://this.kiji.is/733868290969812992?c=39546741839462401