津市戦没者戦災犠牲者追悼式にて日章旗返還式(Japanese newspaper featured successful flag return)
10月
28日
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【津】津市戦没者戦災犠牲者追悼式が26日、三重県津市安濃町東観音寺のサンヒルズ安濃であった。新型コロナウイルス感染症の拡大を防ぐため、参列者を例年の4分の1以下に縮小。遺族会の代表ら約70人が参列し、戦没者らの冥福を祈った。米兵が持ち去った日本兵の日章旗が市内では初めて遺族に返還された。
追悼式は毎年10月下旬に実施。例年は遺族ら約400人が参列するが、今年は感染症対策のため、遺族や来賓の規模を縮小した。マスクを着用した参列者は間隔を空けて着席。黙とうをささげ、献花した。
前葉泰幸市長は式辞で世界各国で流行する新型コロナに触れ「世界中が歩調を合わせ、前に進むことが人類の繁栄のために大切なこと。それこそが戦争のない平和な世界の実現に続く道のりである」と述べた。
遺族を代表して市戦没者遺族会副会長の坂口喜代司さん(81)が「75年がたち、平和な国家として発展したが、遺族にとって忘れられるものではない。永遠の平和と冥福を祈る」と追悼の言葉を読み上げた。
また、前葉市長は太平洋戦争中に戦利品として米兵らに持ち去られた日章旗を遺族に返還。フィリピン・レイテ島で昭和19年10月に戦死した大橋正さんのもので、おいの忠さん(67)=安濃町=に手渡した。
この日章旗は米国カンザス州のジェームズ・エッカーさんが米兵だった妻の伯父から譲り受けて保管していた。日章旗の返還活動に取り組む米国のNPO「OBONソサエティ」が日本遺族会を通じて届けた。
式後、日章旗を受け取った忠さんは「突然のことでびっくりした。歓喜に堪えない。遺族会の努力のたまもの」と感謝し「亡くなった祖母や父も喜んでいると思う。75年ぶりに家に帰ってきた」と語った。