ついに出撃命令が下った。いまこそ祖国のために一命を捧げる時が来たのだ。かねて覚悟はしていたとはいえ、悲壮な思いが、ひしと胸に迫り、完全武装を急ぐ手が震えた。 一瞬、故郷の父や母の顔が瞼をかすめた。「長い間お世話になりました。国のため、先立つ不孝をお許しください」こみあげる熱い思いが・・・・