「『盗賊も改心するほどの美味しさ!』ってのはどう?」
開発したばかりの新商品を試食しながら、彼が得意げに声を上げる。
「う~ん。パンチを狙いすぎてる割には、パンチが足りない……」
私は蓮華ですくったスープを啜りながら、ダメ出しをする。
「じゃあ、『美味しさの圧縮袋、ここに見参!!』とかは!?」
「……なんかダサい」
じゃあ、何なら良いんだよ、と膨れる彼の横で、私は改良に改良を重ねて出来上がった特製の麺を啜る。
「普通で良いんじゃない?『普通に美味しい屋台のラーメン』とか」
「う~ん……」
彼は唸り、まるで縮れ麺のような天パを抱えて突っ伏した――。
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