外敵を退治する白血球、 そのなかのリンパ球が免疫系の主役です。 リンパ球は、 細胞性免疫を担うT細胞とNK(ナチュラルキラー)細胞、 液性免疫を担うB細胞の二種類に分けられます。 細胞性免疫の軍団は、いわば、 刀 を持った兵隊に似ています。 武 器 は 刀 ですから、接近戦の攻撃となります。そのなかでも、 ナ チ ュ ラ ル キ ラ ー 細 胞 は、 第一陣として最前線で戦う兵士のような存在と言えます。 人間の体のなかで外気と直接ふれているのは、 表皮でおおわれた皮膚と、 粘膜でおおわれている 鼻、口、のど、腸管、気管、膣と、子 宮 です。 表皮はよろいみたいなものですから、 キズがなければ防御力は強いのです。 しかし、粘 膜 は 弱 い のです。 弱いから、唾液や粘液がその表面をおおっており、 その液体のなかには、 リゾチームという酵素が含まれています。 リゾチームは、細菌の細胞膜を溶かす働きにより、 外敵と戦う武器になっています。 リゾチームで対処できなかった場合、 細菌などに対して、 白血球の一種、好中球などが襲いかかります。 そして、最終的には、 粘膜免疫という、 強力な最前線の免疫システムが作動します。 この粘膜免疫の中心に ナ チ ュ ラ ル キ ラ ー 細 胞 があるのです。 血液中の白血球の中身については、 その半分以上が好中球であり、 ナチュラルキラー細胞は数パーセントです。 しかし、子 宮 については、 妊娠初期の子宮内膜内の白血球の半分以上が ナ チ ュ ラ ル キ ラ ー 細胞です。 刀 を 持 っ た 兵 士 である ナチュラルキラー細胞をうまくごまかして、 子宮内膜内へ侵入しなければならないのが、 赤 ち ゃ ん の 細 胞 なのです。 しかし、うまくごまかすことができない場合、 攻 撃 されて、 流 産 してしまう可能性があるのです。 次に、 液性免疫の軍団は、いわば、 機 関 銃 を持った兵隊です。 武 器 は 機 関 銃 ですから、遠方から攻撃できるのです。 免疫グロブリンというたんぱく質の、 「 抗 体 」 といわれる物質が、 その機関銃の 弾 のような存在と考えられます。 ちなみに、抗 体 という飛び道具を使う 液性免疫は、 魚以上の高等動物しかないと言われています。 ここで、流産、死産の原因としての 抗 リ ン 脂 質 抗 体 について考えてみてください。 抗リン脂質抗体とは、 リン脂質を目標にして、 機関銃(B細胞)から撃たれた 弾 ( 抗 体 ) と考えられます。 しかし、 リン脂質は自分の体の凝固系のなかにある物質 ですから、 機関銃の銃口が、 自分以外の異物に向けられているのではなく、 自 分 自 身 の 一 部 に向けられているのです。 自分自身の体の中のリン脂質に向けられた 機 関 銃 の 弾 が、 いわゆる 抗 リ ン 脂 質 抗 体 なのです。 抗リン脂質抗体という 自 爆 の 弾 が、 子宮内膜内のらせん動脈内にある リン脂質に向かって放たれると、 その部分のリン脂質が火を噴いて、 凝固系が異常に亢進し、 血 液 の か た ま り ができると考えられます。 そうすると、 子宮のなかの赤ちゃんにとって、 ら せ ん 動 脈 が ラ イ フ ラ イ ン ですから、 血液の流れが止まり、十分な栄養が取れずに 流 産 、 死 産 してしまう可能性があるのです。 抗リン脂質抗体は、 免 疫 系 の く る い からできたと考えられます。
投稿日 2009-04-28 11:02
ワオ!と言っているユーザー