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two o one two

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Happy Birthday Bruce!

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05/17/2022








 ・・・・

$100のブルース




その犬は$100だった。20年前とは言え、格安大爆発。
値引きを交渉したわけではない。何より彼には値札が付いていなかった。
某ペットショップでのこと。いわゆる売れ残りだったのだろう。
店主は言った。"$100 is fine."
 
犬はケージの仕切りが外された2部屋分を使っていた。
ショップ正面の中央上部に位置し、かなり目立つ。
彼の周囲の部屋では、犬種毎に数匹の小型犬がむにむにと動いていた。眠っているのが多い。
でも彼だけは、黒い大きな瞳をして凛々しい姿で私達を見ていた。
 
犬を迎え入れることは、娘との長年の約束だった。
彼女は物心ついた頃から「犬かって」と言い続けた。
買って、なのか、飼って、なのか。多分前者だろう。
私はどちらにも抵抗があったので、日本語のみならず「迎える」という表現を使った。
私たちは娘の小学校入学を機に、夫の母国である米国に移住した。
娘との約束は、アメリカに引っ越してから、その後、一軒家に引っ越してから、と、度々延期された。
犬は生きた命、家族だから、待とう。そう言い聞かせた。
 
その犬はAustralian Shepherdという犬種だった。初めて耳にする。
どれくらい大きくなるのかという私たちの質問に、女店主は軽く答えた。"It's almost the max size."
後にこれは明らかな偽情報だと判明する。
既に四ヶ月を過ぎたその犬を、彼女は何としてでも売りたかったのかもしれない。
 
娘はシーズー犬を欲しがっていた。私の姉の愛犬がそうだったこともある。
ショップにはシーズーもいた。仔犬なので毛糸玉か何かのようで、とても愛くるしい。
下見に行った日、小さな子を連れた家族連れらも何組かいた。彼らは小型犬をお部屋から出してもらっていた。
子供たちはもふもふする塊を抱っこしながら、しきりに仔犬に話しかけていた。
下見のつもりで出かけたので、私たちはどの犬にも触れなかった。
不思議と、娘もそれを要求しなかった。
 
翌週、私たちは意を決してそのショップに向かった。
今日、犬を連れ帰りましょう。
私は、あの犬まだいるかな、心の中でそっと思った。
私達夫婦の間では仔犬を選ぶのは娘に任せると決めていた。
 
ショップに足を踏み入れると、果たして

彼は、いた!

そして、周囲の仔犬たちは見事なまでに別の仔犬と入れ替わっていた。
胸が締め付けられた。
その時、娘が言った。"Can we have that dog ?"
私は驚き、夫を見る。彼は大きく息を吐き、自分もあの犬に決めていた、と笑った。
私もよ!

私達家族は、それぞれがそれぞれ、あの日、この犬に魅了されていた。
誰も口にしなかった。
でも、心の中で決めていた。もしまだいるのなら、それなら。
 

犬を部屋から出してもらい、サークルの中で遊ばせた。
ボールを見せても、どうしたら良いのかわからない。それでも仔犬らしい好奇心は垣間見えた。
実際に触ると痩せていて、ひどく小さく感じた。
ショップを出る時、歩こうとしない彼を、夫が抱えて運んだ。
犬は娘と共に後部座席にいたが、発進するや否や、おしっこしてしまった。
娘は怖がる彼をずっと撫でていた。

 
犬の名前はブルースとした。
哀愁を帯びた彼にふさわしい名ではないか。
夫は少し考え、Bruceにしようと言った。まぁいい。日本語的には同じだ。


こうして彼はやってきた。
彼のブルースはこの日から奏でられ、ブルースが虹の橋に行った後も尚、聴こえてくる。
家族の歴史、悲喜交々。

お金にはかえられない、私達のブルース。




 ・・・・




5月17日、ブルースの誕生日。
いつもいつまでも最高の犬!











#日記 #犬日記

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喜ばせたい

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05/16/2022









母の日に夫からチョコレートを貰った。
GODIVA GOLD COLLECTION

デカい。35 piece入り。
美味しいです。
とても美味しいです。
でも、、、、と思ったけど、「どうもありがとう」と受け取りました。


いつからだろう?もう随分経つな。夫は箱詰めチョコレートを良く買ってくれる。
Valentine's DayとMother's Dayは必ずチョコレートだ。あと結婚記念日もか。
忘れずに用意してくれるので、感謝こそすれど無下には出来ない。よね。


でも、ついこの前、ふと、箱の裏側に貼られたままだった値段を見て、ぶったまげたわたし。

😵‍💫😵‍💫😵‍💫😵‍💫😵‍💫
なーぜーにーーーーー?????


そして思わず、訊いてしまった。

ーこれ、$xxもしたの?
ーそう。
ー高過ぎる〜!
ーそんなことないよ。
ーいや、高いよ!
ーいいって、そんなの。

ちーがーうーーーー!

心の中で叫んだ。
夫、気にしないでいいよ、僕の気持ちなんだから、みたいな笑顔である。
まさに、自分はとても良いものを贈った!という、顔つき。

そんな夫の顔を見ながら、こんだけのお金をチョコレートにかけるのなら、わたし、アレが欲しかった、アレも良かった、アレも買えた。

でも、何も言わなかった。
もちろん、そんなことを言う必要はないし、言ってはならん、と思う。
夫には夫の価値観があり、わたしを喜ばせようと思って買ってくれたのだ。

この前、わたしは彼のことをまだ良く知らないみたいだ、と書いた。
でも、夫も同じらしい。彼はわたしのことをまだ良くわかっていないみたいだ。こんなに長く一緒にいるのに。
そんなモンか。なんか笑える。



かく言うわたし。
父の日の贈り物として、Tシャツを3枚ゲット。
Liverpool F.C.のもの。
オンラインでないと購入できない。
うひひ。絶対に喜ぶと思う。自信満々。









#日記

ワオ!と言っているユーザー

くたびれ加減

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05/14/2022










ここ3日くらい前からいきなり暑くなった。
春をすっ飛ばして、夏到来。しかも灼熱の夏。
もちろん、エアコン稼働中。
これは我々人間のためというよりもお犬さまのため。熱波が来るという予報を受け、早めにairを入れておいたのだが、大正解であった。


今日、お気に入りの夏用ジーンズを出した。
元々、夏用だったわけではない。購入したのが15年程前だったか?もっと前かもしれない。とにかく、そういうワケで、程良いくたびれ加減。生地も自然と薄くなって夏にちょうど良い。

昨夏、日本に帰国した際にももちろん持って行った。
蒸し暑い日本の夏にはもってこい!自分の中ではイチオシの代物である。
が、これを履いたわたしを見て娘は言った。

ーね、、、新しいジーンズ、買ってあげようか?

さらに彼女は、「高いジーンズを」と付け加えた。

はぁ〜???

である。

そらね、このジーンズはユニクロですよ。
しかしですね、これはわたしにとってすごーく履きやすくて、夏にぴったりんこカンカン秀逸なブツなのです。

ー要らんよ。

笑い飛ばしてやった。
でも、内心、ちょっとこそばゆいような、変な気分になった。
買ってもらえるのならそうしてもらうかな、とか、ちょっぴり思った。いや、今になって思う、買ってもらっておけば良かったかも。



このジーンズを引っ張り出しながら、そんなことを思い出した。

この夏、彼女には会えそうにない。
来夏まで、持つだろか。かなりくたびれているので、大事に履かなきゃな。。。なんて思ったり。

しかし、このところ、つくづく思う。
くたびれてるくらいが、ちょうど良い。

まっさら、は、ちょと硬くて、自分には、眩しすぎるようだ。















#日記

ワオ!と言っているユーザー

Give him a knife

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05/03/2022









ある日の職場での出来事。
ドライバーのDが咳込みながらやって来た。顔が真っ赤になっていて、かなり苦しそうだった。大丈夫?と声をかけると、片手を上げて(大丈夫)と応える。が、なかなか咳はおさまらない。喉に何かつかえて窒息か?と思うほど。

本当に大丈夫?と誰かが訊くと、"Ahhh I'm fine!今度は言葉で答えていた。なんだよ、びっくりさせるなぁーもう、とか、死んじゃうかと思ったよ、なんて声も聞こえてきて和やかな雰囲気になったので、私も笑いながら「ここで死なないでー」と言ったら、さぁ大変。彼は、ぐほっほっぼぼぼぼおううううう、、、とさらに咳込み、ゴミ箱に顔を伏せてしまった。

えっ、、、😨


冗談が冗談じゃなくなってしまったのか、、、、と、慌てた自分。だ、だ、大丈夫?ちょっと、、、大丈夫?
駆け寄って、背中を叩こうとしたら、Dは真っ赤な顔をあげて、咳込みながらも笑っていた。やっと治まりつつあったのにmの一言のおかげでまた始まってしまった、というようなことをヒィヒィさせながら言う。ごめん、ごめん、ごめんなさい、苦しかったね、そんなつもりじゃなかったの、でも、本当にごめんなさい!!こちらは平謝りだ。mのことは良く知ってるつもりだったけど、そうでもなかったってことがわかったよ。Dはそう言って笑った。他のみんなも笑いながら、それぞれ仕事に戻った。


そんな中、もう一人のドライバーSがわたしの相棒に何やら耳打ちをし、それを聞いた彼はWHAT!!!!と大声を出して笑い崩れた。しばらく言葉を発せない程、大笑いだ。
後になって教えてくれたのだが、その時、Sはこう言ったらしい。

In my country, we say, "Give him a Knife!."



Sはヨーロッパの某国からの移民だ。母国は長年の内戦で、今も尚混乱は続いている。つい最近、市民権を取得した。お祝いの言葉をかけた時のとびきり嬉しそうな笑顔は彼の心を映し出すようだった。色々な制約があったらしく、待ちわびてようやく取得した市民権だった。


Sはわたしが重いものを運んでいるとすぐにやって来て、こういうことは自分を頼ってくれ、と言う。出来ないことは頼むけれど、このくらいなら出来るから大丈夫、と返すと、いやそうじゃない、なんでも言ってくれ、と言う。

「Sは女性に対してすごく優しい。」
友人のペチュニア(仮名・Sの奥さん)にそう言うと、彼女は、ハハッ!と笑って、外面が良いだけよ、と言ったので、吹き出してしまった。「家では何もしない怠けもの。威張っているだけよ」
俄かに信じられなかったが、Sとの付き合いも3年が過ぎ、だんだんと見えてきた。確かに頷ける部分はある。仕事は仕事、家庭は家庭、という線引きがなされているのだろう。
実は仕事の中でもそういうのはあって、That is not my job.というところは非常に明瞭。自分のするべきことはするが、この先は自分の問題じゃない、という感じ。そして、男性には特に厳しい。笑
同じドライバー仲間であるDを敵対視してる?と思う程、ぞんざいに(冷酷に?)見えることも多い。


そういうわけで、先のDに対する言葉には、思わず笑ったが、笑えないところもあった。まぁでも冗談であることは間違いないので、ここは笑うところだ。笑おう。笑


そう言えば随分前のことだが、Sからもうひとつ彼の国の格言を教えてもらった。

Good people and Stupid people are born from the same mother.



ー深い。












#日記

ワオ!と言っているユーザー

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