月
8月
17日
読みかけの本を飛行機の中に忘れてきてしまった。
残り20P程か。
残念でならない。
読みかけだったこともあるが(もやもやする)、その本は娘が買ってくれたものだった。
日本に帰国するときはいつも何冊か文庫本を買ってくる。
今回もそうするつもりでいた。
それを知っている娘は、出かけたとき何度か「紀伊國屋に寄る?」と訊いてくれた。
その度、「いや、BOOK OFFでいい。新書でなくて良いから」そう答えていた。
娘のBFは大変な読書家である。
天井まである高さの開閉式の本棚、出窓の下部に取り付けられた低い本棚には本がびっしり。そして、それらに納まらない本があちこちに置かれて(積まれて)いる。難解そうなタイトルも沢山ある。研究用の書籍なのかもしれない。小説もある。漫画もある。
そういう彼は頻繁に本を買ってくるらしい。(なので、本は増えるばかりで置く場所がなくなるとの理由で、漫画は電子書籍で購入することになったとか。😂)
そして彼はBOOK OFFには行かない(そうだ)。
娘曰く、「んー、著者と出版社の応援のために?」
なるほど。わかる。わかる。けど、そっか。と、うーん、、、、唸った。
わたしはどちらかというと、BOOK OFF派であり(それはもちろん格安だから)、なんなら図書館で借りられるのであればそれに越したことはない、という考えだ。そんな自分のことを少し恥ずかしく思えたりもしたが、まぁ人それぞれということで。
ということがあったのだが、結局、BOOK OFFに行く機会がないまま、ある晩、神保町の三省堂書店に入った。予約していたレストランの時間までまだ少し間があったのだ。
最初は古書のある本屋に入るつもりでいたのだが、どこも店じまいの時間だったので三省堂なら・・ということになった。
そして、じゃぁせっかくだから文庫本1冊くらい買うかな・・という気になった。
Bibliaというアプリを開き「読みたい本」のリストを見ながら、本を探す。仮店舗だったせいか(本店が潰されていたので娘は驚愕していた)、従来に比べると書籍量が少ないらしい。それでも2冊、選んだ。BOOK OFFにもあるかもしれないけれど、まぁいいじゃないの。
東京の夜の街で気持ちが大きくなっていた自分だった。
が、その2冊の本を娘が買ってくれたのだった。びっくり。
彼女は自身のためにも2冊選んでいた。
いやはや、驚いた。大人になったモンだ。それより何より、
「あなた、本を読むようになったのね、、、!」
BFの影響もあるのだろう。が、話を聞くと、仕事柄(翻訳業)、本を読む機会が増えたのだと言う。
わたしはすぅっかり感心してしまった。彼女は自称「本嫌い」でずっと通していた。「ダディもマミィも本好きかもしれないけれど、わたしは好きじゃないから強要しないでね」と、良く言われたものだ。😂
ありがとう、とお礼を言った。そして、「良い文章を読むことは良い文章を書く力になるらしいよ」と、伝えた。そうかもねー、と娘は笑っていた。わたしはいわゆる読書家ではないので、本当のところはわからないけれど、読まないよりはマシだと思う。
そういう経緯で娘が買ってくれた本(の1冊)を、飛行機の中に忘れた。
羽田を出るのが大幅に遅れたせいで、その後2回の乗り継ぎに間に合ったのは奇跡的だというくらい、時間がなかった。
忘れてきたのは2度目の乗り継ぎのとき。絶対に無理だと思っていたのだけれど、乗り継ぎのある乗客が先に降りられるようご協力を〜とのアナウンスを聞き、もしかして間に合うかも!と、慌てて飛び降りて走ったのだ。気付いたのは、次の飛行機に乗り込んでからだった。あああああああああ、、、😭
今は、娘が買ってくれたもう1冊の本を大事に大事に読んでいる。
そう言えば、村上春樹の新書「街と、その不確かな壁」も、娘からプレゼントされた。それは帰国の間に読んだ。
忘れてきた本は
みかづき 森絵都
今、読んでいる本は
月の満ち欠け 佐藤正午
あら、どっちも「月」だった!
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