洪水と断水
10月
1日
木曜日(9/29)の夜、curbにゴミを出しておこうと外へ出ると、うちの前の道路を水が勢いよく流れていた。我が家はcul-de-sacのいちばん奥にある。水は向こう側の通りまで休むことなく流れていた。一瞬、知らない間に大雨が降ったのね、と思う。が、うちのdrivewayは乾いているし、もう薄暗くなっていたけれど、雨が降ったような空ではない。しかし、水はコンコンとものすごい勢いで流れている。
ゴミを出すために前に進むと、お隣さんが携帯を握りしめながらオロオロと水の行方を見ていた。水は、隣の家の前庭から湧き出ていた。sidewalkに近いところ、少なくとも2カ所から湧き出ている。
声をかけると、「娘に電話したのに、繋がらないの、、、」お隣(奥さんのほう)のお母さんが言った。初めて彼女が英語(のセンテンス)を喋っているのを聞いた(これまで「ハァーイ」くらいしか聞いたことなかった)ので、不謹慎ながらちょっと感動してしまった。娘さんもその旦那さんもどうやら出かけているようだ。この国で同居というのは珍しいと思うが、アジア系である奥さんのお国柄なのかもしれない。老夫婦は孫娘の面倒をよく見ている。どこの国の言語かわたしにはわからないが、きっとこの孫娘は英語と奥さん側の言語とのバイリンガルに育つだろう。
水の出かたからして、ただ事ではないことは明らかだった。水道管が壊れたとか、そういうことだと思う。シティに電話したほうがいいと思う、と伝えると、彼女は、ほんの10分前まではなんともなかったの、と、詳しい時刻を口にしながら、娘が帰ってくるのを待つ、というようなことを話していた。
その晩は夫が家にいたので、一旦家に戻り、外の様子を夫に伝えると、彼も慌てて外に出た。ちょうど、他の近所の人たちも外へ出て来ていた。エミリーとルーク(お隣さんのお隣だ)もいて、エミリーは笑顔で Hello, neighbors!!と手を振っていた。相変わらず陽気なお方だ。
近所の人たちの力添えもあり、無事、シティへと連絡出来たらしい(エミリー&ルークが電話したのではないかと思う、老女にはそこまで求めるのは無理だったのだろう)。
24/7と謳われている緊急電話番号があるのだが、シティのトラックがやって来たのはそれから1時間はかかった。その後も、水は轟々と流れている。
夫が、今のうちにシャワーとかしておいたほうが良いぞ、と言うので、急いでシャワーを浴びた。その後、しばらくしてから、シティの人が我が家にやって来て、これから工事をするので一時的に水を止めることになる、明日の朝までには修復する予定だ、との説明があった。おーシャワーしておいて大正解だった。やれやれ。
その晩、お隣さんの前では小型の重機でガシガシと庭を掘り起こす作業が夜通し続いた。窓は閉めていたが、その凄まじい音が絶えず聞こえてきて、なかなか熟睡できなかった。犬たちも異様な音に萎縮してしまって、わたしたちから離れなかった。夜中に何度か目覚めたとき、気になってbathroomの水道の蛇口をひねった。断水していた。断水、という言葉を、久しぶりに味わった。断水なんだよ、断水。わかっていたら、何かのときのためにバケツに水を汲んでおいたのに。いや、そうすべきだった、説明された時点で、そうすべきだった。
翌朝、いつものように4時40分に起床。
laundry roomの小窓からお隣さんの重機のための超明るい光が見える。覗くと、かなり深い穴が掘られていた。作業はまだ続いていた。
珈琲を飲みながら(珈琲は断水前に予約していた、ラッキー!)、トイレに行きたくなったら階下のを使おう、と思いつき、我ながら冴えてる!とひとりごちる。
も、なんと、フラッシュした後、タンク内に水を貯める音がするではないか。おそるおそる洗面所の蛇口をひねると、最初にブシュブシュっと音を立て、水が普通に出てきた。おーーーーー断水終わってる〜!!
laundry roomに戻って小窓を覗くと、まだ作業は続いていた。でも、彼らは約束どおり、朝まで、を守ったのだ。心の中で彼らに拍手を送った。
朝、家を出るとき、うちの前の道路はうっすら濡れていた。が、もちろん水はもう流れていなかった。夜通し作業をしていた彼ら(3人か4人いた)は、明るいライトの付いたヘルメットを被っていて、わたしに顔を向けて手を振ってくれたが、光で顔がよく見えない。わたしも手を振り返した。
職場へ向かいながら、昨晩の水が轟々と流れるあの様子がどうも引っかかる。なんだろう、最近どこかで見た景色と似ている。。。
と、ふと、思い出した。
夢だわ、、、、あの、夢の中の洪水!
予知夢?だったのか?そうなのか?
いや、後からとってつけた感もある。でも、水つながりであることは確か。
職場の同僚に洪水と断水のことを話すと、彼女もわたしの夢のことを思い出したらしい(夢の話も前に伝えていた)、m, you had a predictive dream! と言って、笑っていた。