selective hearing
2月
21日
最近、びぃ坊は呼んでも来ないことがある。
特に、早朝。
びぃ坊は全身こげ茶色。まだ暗いので、まったく見えない。
わたしたち夫婦は、彼のことをinvisble dog→Ninja dog、さらにはShinobiと呼ぶようになった。
辺りが暗いと庭の何処にいるのか全然話からないし、家の中でも薄暗いところで寝てるのに不意に気付いてギョッとすることがある。
Where is Bevo? と探すことも多い。
呼んでも知らんふりをするからだ。
以前はそんなことはなくて、呼べばすぐにやって来た。ない尻尾=お尻をふってやって来た。
あらーびぃ坊、そんなところにいたのー!!よしよし!!と言って、撫でたものだ。
それがどうよ。
このところ(と言っても1年くらい)、呼んでも帰って来ないことが多い。
夜の明けない暗がりで、何やら小動物を見つけたのか匂いがあったのか、吠えるときは非常に困る。まだ5時とかなのだ。いくら犬は吠えるもの、と言ってもねぇ。
階下にはトリーツの入ったボトルがあって、そんなときわたしはそのボトルを振りながら音を立て、びぃ坊を呼ぶ。
この作戦は、最初の最初、3回目くらいまでは効果絶大だったが、もう効かなくなった。
なんたるちーや。
耳が遠くなったのか、と心配したこともあった。
Deweyはじくじく耳垢で、良く中耳炎を起こした。デューちゃんみたいなことになってないかと耳の中を調べたが、めちゃくちゃクリーン。臭いもない。
Obedience classに連れて行ったのは1年半以上前のことだ。
呼び戻しはその前から既に出来ていたし、コロナがいよいよ拡大してクラスは途中で休止、その後、中止となった。(classは卒業したものと認定します、という連絡だった。笑)
とても残念だったけれど、びぃ坊はフリーで前庭に出せるようになったし、突発的、衝動的なことがあっても呼び戻しは完全に出来るようになった。
なのに、どうしたっていうのさ。
やっぱり耳に何か問題があるのかもしれない。今度、獣医さんに調べてもらおう。
と、思っていたのだが。
びぃちゃん。
たまーに、こっそりとパス公にトリーツをあげようとトリーツ缶を開けると、何処からともなくやって来て、わたしの目の前にピシッと座って見上げる。「ぼくにも!」
ダディが仕事から帰って来て、ガレージの開けられる音がすると、真っ先にドアの前を陣取って、待つ。「ダディ、ダディ、ダディ、お帰りなさい、ダディ!」
いや、ダディだけじゃなかった。
わたしが帰ってくるときにも、ドアを開けると必ずそこにいる。「お帰り、お帰り、マミィお帰り!」
こいつまだ若いのにもうBruceみたいになったね。
と、夫が言った。
ああああああ、そうか。そういうことか。
ブルースもそうだった。聞こえてるくせに聞こえてないふり。聞きたいことはちゃんと聞こえます。ってやつ。
ブルースはレタスが大好きで、わたしがサラダの袋を開けると、その音を聞きつけてすぐにやって来た。
ぶるーしぃー、庭に行こう、外に出よう、と言っても知らん顔してたのに。
散歩のときには、行きたいところがあると、必ずそこへ向かう。そっちは行かないよ、と言っても、「いや、こっちに行きたいから」と言って動かなかった。ブルースは大きいオゥシーだったので、一苦労だった。ブルースと行く散歩はいつも時間がかかった。poopもなかなかしてくれなかった。夫曰く、先にpoopしちゃうと散歩を切り上げられるって思ってるんだよ。
びぃ坊はブルースを知らない。
会ったことがない。
でも、本当だ。まるでブルースだ。ブルースはBlackTriで一見真っ黒なオゥシーだった。
びぃ坊にはその面影がある。不思議なものだ。
もしかしたら、ぶるーしぃがびぃ坊のところにやって来て、わたしたちと一緒にいるのかもしれない。呼んでも来ない時とか、特に。
そう思うと、すごく嬉しくなって、びぃ坊を呼びながら、心の中でブルースも呼ぶ。
そしてびぃちゃんが戻ってくると、とてもとても、愛しく思う。
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