本当の本当に望むこと
5月
16日
職場の相棒ガス燈さんが退職することになった。
辞めるかもよ、という人もいたが、わたしは「絶対にそれはない」と思っていた。
が、本当の本当に退職決定。
これには心底、驚いた。
彼女の口から退職願いを提出した、と聞いたときも、その後からも、撤回するだろうな、と思っていた。
でも、撤回する間もないまま、退職決定。
ガス燈さんには色々と苦しめられた。
気にしないようにしよう、と努めたし、できる限り深く関わらないようにした。
顔本を辞めたのもガス燈が理由だ。視界から離した。見ない、聞かない、話さない。
でも、仕事の相棒だから、全く付き合わないということは不可能だ。
それなりに話もするし、笑顔で楽しく仕事出来るように努めた。
相棒でなければ、距離をおくことも出来ただろうけど、そういうわけにはいかなかった。理不尽なことも沢山あった。あまりにもバカバカしくて、議論する気持ちにさえならないことも多々あった。面倒くさいことにならないよう、彼女の色々には目をつむった。出来る限り、フォローもした。心折れそうになったり、憤ったり。まー色々あった。
彼女から退職すると初めて聞かされたとき、「本当にそれで良いの?」と訊いた。
「本当の本当に、それがあなたの望むことなの?」
そうだ、と彼女は答えた。嘘をついてる、と思った。
そして、彼女の夫も賛成してくれた、と言った。これも嘘かな、と感じた。
でも、それならば、わたしがどうこう言う問題ではない。彼女の人生、彼女の選択、彼女の決断。
彼女らしくない選択だ、とわたしは思ったし、今でもそう思う。
でも、もしかしたらそれこそが「彼女らしい」決断なのかもしれない。
これまで何度も何度も、彼女のことを理解しようと努めても出来なかった。
でも、今回のことで、理解できるはずがない、どこまでいっても決して理解できない、最後まで理解できなかったんだな、と、あらためて思った。
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