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東村山音頭

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03/31/2020







中学の頃の引越し先が練馬区だった。大泉学園。

クラスに小林君(だったと思う)という男子がいて、喋った記憶もなければ顔も全く覚えていないし、記憶の中の彼は眼鏡をかけていて、真っ直ぐなやや栗色の髪だったことくらい。
その小林君は、クラスメイトから「県民」と呼ばれていた。最初は意味がわからなかったのだが、どうやら大泉学園ではなく別のところから通学していたらしい。そこはもう東京都ではなく埼玉県なんだ、という話だった。
ふーん。
としか、思わなかった。なんでそんなことに?とか、そんな言い方ないだろう、とか、そういうことも思い浮かばず、ただ、そんなものなのか、程度。でも、「わたしも県民だよ」と言ってしまった。なんでだ?わからない。なぜって、本当にわからなかったのだ、なぜ小林君だけ「県民」と呼ばれるのかが。

すると、転校して最初に親しくなったKが、「やだー、でもそんなこと言ったら、mは<島民>じゃん!」と言って笑い出した。
あぁそっか、そう言われてみればそうだな、うん、そうだね。
でもみんなは爆笑していた。ひーひーひーひー言いながら笑っていた。
その時、初めてわかったのだ。
あ、この人たち、バカにしてたんか、、、、。

嫌だとか、恥ずかしいとか、そういう気持ちにはならなかった。こんなことが面白いのか、と、不思議に思っただけだった。県民であることと、都民であることの違い、島民に対する優越感。
へぇ、、、、、という感じ。でもって、本当のところ、あまりそれもわかっていなかったのだろう。自分、「もちろん島民だけど、県民なんだよ」と言ってたし。なーんてこった。笑い話だ。

このへなちょこなひょろひょろした、髪の長い(島の中学では男子はみんな坊主だった)少女漫画に出るような男子たちと、授業中と休み時間に全然違う表情を見せる、やけにこましゃくれた女子たち。当時のわたしにとっては、いわばみんな宇宙人みたいな存在だった。だからそういう連中に笑われても、特にどうってことはなかった。


あの頃、東村山音頭のこともみんな笑っていて、それは東村山市は東京都だけど区じゃないんだよね、という話だった。都民であっても、今度は区であるのか市であるのかで差別する。子供は残酷。
でも、東京都の区においては、練馬区もバカにされているらしいということを、後になって知った。差別はどこまでも続く。


島民で良かった。









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