月旅行
12月
25日
「おめでとうございます。あなたは次回の月旅行当選者に選ばれました!」
こういったものはメールで届くものなのか?驚くよりも不審に思う気持ちの方が強かった。が、そのニュースは思った以上に速いスピードで周囲に拡がっていた。というのも、職場へ行くと同僚だけではなく上司からも「おめでとう!やったな!」とか声をかけられまくったのだ。はて、これはホントの本当、現実に起こっていることなのか?
しばらくして、もう一人の当選者についてのニュースも聞こえてきた。今回当選したのはふたりで、そのうちのひとりがわたしだった。
月に行く?どうやって???
それは民間のロケット会社がキャンペーンとして一般の人たちから応募を募り、月旅行をプレゼントするというものだった。そう言えば、軽い気持ちで応募した気がする。いや、したわ、した!いつかきっと月に行きたい、ってずっと前から思っていたし。今の世の中、宇宙飛行士でなくても宇宙へ行けるようになったとも聞いていた。そうだ、そうだった。健康面ではこの年齢においてはほぼ問題ない。虫垂も既に切除されている。虫歯はない。服用中の薬もない。確か大気圏突破のGも今のロケットではかなり緩衝され、人体にかかる圧は大昔のそれとは桁違いだと聞いた。そうだ、行けるんだ。行こうと思えば行けるんだった!だから応募したんだった。
だんだん浮ついた気持ちになってきた。今こうして普通に仕事してていいの?とも思い始めた。月へ行くんだもの、今から準備をしなきゃ。でも何を?
そうだ、姉たちに伝えなくちゃ。びっくりするだろうなぁ。羨ましがるかなぁ。もう一人の当選者にもメールしなくっちゃ。一緒に月に行く仲間だものね。そうだ、休暇はどれくらい貰えば良いのだろう?休ませてくれるかな。もし駄目なら一旦退職か。まぁそれも致し方ないか。
この月旅行では月面に立つことはできない。ただ月に行って地球に戻るだけの周遊だ。それでも全然良いよ!!どれくらい月に近づけるんだろう。ロケット自体は月面に降りるんだっけ?そこんところもちゃんと調べておかなくては。。。
・・・
娘も夫も犬たちも登場しなかった、、、、
わたしの思考回路は一体どうなっているのやら。
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