Pの誕生日
11月
27日
Pの誕生日だ。
もし生きていたら20歳。
Pは生後9週目くらいに我が家に来た。珈琲豆のような匂いがした。
やんちゃなパピィ時代を経て、4歳になった頃に日本に引っ越した。当時住んでいた東京郊外のその家にわたしの弟が遊びに来たとき、Pを見て「目がヤバイ」と言った。先住犬のB(Pよりも2歳くらい歳が上)は日本人(犬だけど)だが、Pはガイジンだ、とも言った。あの頃のPはまだ若かった。
夫がアメリカに戻ることになり、わたしと娘とPは鹿児島のほうに引っ越した。その2年くらいの間で、Pはだいぶん穏やかな表情になった。ダディとBと離れ離れになっていたせいもあるのかもしれない。ダディが休暇で遊びに来ると、一緒にジョギングに行った。その頃にはもうBはジョギングから引退の時期になっていたらしく、夫はPのペースに舌を巻いた。素晴らしいjog-jog-dog!と言って喜んだ。
P7歳の頃、わたしたちはまたアメリカに戻り、Bと感動の再会を果たした。どんな風になるかなと予想がつかなかったのだが、2頭は当たり前のように慣れ親しんだ。覚えているものなんだなと思った。忘れるわけがないか。PにとってBは父であり母であり兄であり。
この頃から、毎日お決まりの儀式が始まった。Bがくつろいでいる時、PはBのそばに行き、身体中をペロペロと舐めて毛繕いのようなことをするのだ。BはPがするままにさせていて、とても気持ちよいさそうだった。わたしたちはそれを「愛の儀式」と呼んだ。
Pは11歳3ヶ月くらいで虹の橋へ行ってしまった。「心筋症」と診断されてからひと月半の短い闘病期間だった。
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