リスボン
6月
18日
世の俗民に漏れず、某週刊誌に取り上げられた(とされる)方の 日記 を読むようになって1週間ほどか。
正直で素朴な老々介護の描写に心打たれる。
彼は自身のことを前期高齢者と呼び、主に高齢の母親との暮らしや彼の仕事のことなどを綴っている。
ほぼ必ずと言っていいほど、老々ブレックファースト・老々ディナーメニューが記されていて、彼らの暮らしぶりが見えるようだ。
また、お母さんとの会話やその時の彼の心情などが綴られており、つい亡き母のことを思い出してしまう。
彼のお母上は認知症はないということなので我が母とは違うのだろうけれど、それでも生前の母の呟きや、時にわたしたち娘に見せた困ったような表情を思い出す。あの時、母は何をどう感じていたのだろう。
彼の日記は、淡々と、その日のことが書かれている。
お母上に対しての、困ったなと思うことやうまくいかないと思うことなどもしっかりと記されているが、悲愴感がない。
そして、そういった暮らしの中で「母との暮らしは面白い」と言う。
思えば姉もそうだった。
どんなに辛そうでも(実際、本当に辛かっただろう)、いつも「母ちゃんと一緒にいると面白い!!」と言っていた。
そんな姉に、わたしはいつも「姉ちゃん、本を書きなよー<明るい介護>の本!」と笑って返したものだった。
「いや、色々書く時間も気力もない。それをするのはm(わたしのこと)!書いてよ!!」
と言っていた。
介護の手伝いで毎夏2ヶ月ほど帰国していた時、たまに母のことを書いた。
一応「介護日記」としてのラベルも付けてある。
でも、全然、足りてない。
今になって、後悔の嵐だ。
もっともっと、ちゃんと書いておけば良かった。
母との会話とか、母の様子とか。
あの時は、毎日毎日その繰り返しで、いつも同じことだって思っていたのだろうな。毎日、違っていた筈なのに。
リスボンとはポルトガルの首都らしい。
名前は聞いたことあったけど、どこのことか知らなくて調べたらそう出ていた。