6/3/2018 母が帰ってきた。 数人の男性陣によって丁寧に運ばれた母は仰向けにあまりにもまっすぐと横たわっていて、その姿勢は明らかにいつもの母とは違うのだが、それでも安らかな表情をしていたのでホッとした。 姉たちは台所で何やら準備をしていた。わたしは母のそばにいた。皆がそれぞれ色々な話をしていたが、わたしはぼんやりと母の顔を見ていた。 ふと、母の腕がかすかに動いた。ような気がした。と、間もなく、母の閉じられた瞼がほんの少しだけ、開いた。そして、ゆっくりと、その目が開かれた。 母ちゃん!! わたしは思わず声をあげた。 母ちゃん、わかる?家よ、家に帰って来たんだよ! 姉たちもみんなやって来た。 母はしばらくはぼぉーっとしていたが、だんだん目に輝きが戻って来た。 母の頭の下には四角くて硬そうな枕が3つ重ねられていた。わたしはそのうちの一つを外し、「これでどぉ?少し楽?」と、母に聞いた。母は頷き、周りをゆっくりと見渡した。 皆で母の布団を整え、上半身だけを少し起こした。母は皆が集まってユラウのを眺めるのが大好きなのだ。 宴の準備が始まった。 わたしは、そうだ、記念撮影をしなくては!と、思う。 姉たちに頼んで、母とわたしのために飯椀を持って来てもらった。黄色い柄の入った飯椀だ。写真だけだから、中身はなくても良いよね、そんなことを言っていた。お箸も持った方が良いかな?わざとらし過ぎる? 姉が大きめの四角いお盆を持って来た。こっちの方が母ちゃんは楽でしょう、と言う。確かにそうだ。それから姉は、小さくカットされたレタスとコーン粒が混じったものをお盆の上に乗せた。黄色いコーンと薄緑のレタス。それらを飯椀に入れるのはちょっと変かな、と思い、そのままにしておく。でも、これって写真に写るのかしら? 母は、早くしろよ、という顔でわたしたちを見る。そうだ、早くしないと、母が疲れてしまうよ。写真、写真、早く、早く! 母はこんなの馬鹿げているね、と言って笑っていた。わたしも、ホントだよね、と言って笑う。ナンセンスな記念撮影。 でも、母はからからと笑っていた。 わたしたちは母の笑顔が嬉しくて、わはははははーと、笑いあった。 ・・・ 昨日、書いたユメモを書き直した。 消えてしまったやつ。 今回は保存ボタンを押す前に念のためコピーしておく予定。 昨日の朝に見た、とてつもなく変な夢。 母が生き返った夢。 The X-Filesを見てたせいだと思う。 特にLeonard Bettsとかいうエピソードのせい。死んだ筈の息子は生きていた、ってやつだった。癌を患っている人たちを犠牲にして、自分の肉体のコピーを創り出す、という内容。いつもあり得ない内容なのだが、息子を庇おうとする母の描写などは真に迫るものがある。 母の最期を看取れなかったから、こんな夢を見たのかなぁ。とも思ったり。 あと、本当は書き直すつもりもなかったのだが、昨日の朝、姉とSkypeで話して、書くべきかなぁと思い直した。母が消したのかも、と言うと、姉は「うがしちあんにゃちょ」と言った。それを聞いて、ああそうかもしれないな、と思い直した。 母が笑っていたことを伝えると、姉は喜んでいた。「うぐ、じつねぇ活躍じゃや」姉の言葉は最高だ。「いっちゃいっちゃ むじらさんばぁさんじゃ」