停電
6月
15日
昨夜19:35頃、母帰宅。
また違うスタッフ。小柄な男性。車から降りてくる母の表情が既に険しい。調子があまりよろしくなさそうだと推測。
「おかえりなさい」
声をかけると顔を上げ、わたしを見る。
誰なのかわからない、と言う。名前を言うが変わらず。スタッフの方が「娘さんですよ」と言う。母は険しい顔つきのまま、「先生、申し訳ありません、いつも違った家でお手数かけます」
あらま、今日は超混乱。と、思いつつ、何知らぬ顔でお迎えする。
スタッフさん、ほとんど手を出さず。母の車椅子の後方に立ったまま、わたしのすることを見ている。そして、そそくさと出て行かれた。人それぞれ。ほぉっ、と、小さく深呼吸。
母をテーブルに誘導。お茶入れようか、と聞くと「ぬぅがんでぃ!」ご機嫌斜め。
TVは「ためしてガッテン!」を放送中。洗濯物の生臭さの除去法の紹介だった。母、「臭い、臭い、っち、田舎もんば馬鹿にして」と言う。聞こえるんだ・・と、ちょっと感心。以前は「耳が聞こえんくなった」と言っていたものだが。「TVだよ」と言ってはみたが、まぁ無駄かな・・と思いつつ、話を変えた。が、それも無駄だった。
やぁなんかごっとがなうがしうむとぅんだろが。
いやいやいや・・・!まぁいいけどー。
母が落ち着くまでしばらく待つこととする。次第に様子が脳の内部にしみいったのか?姉はどこか、と聞いてきた。もうすぐ帰ってくるよ、と話す。その後、豆腐のお味噌汁とバナナを食べ、片付ける時にも機嫌悪し。困ったこまった。
母、とても眠そうにしている。疲れたんじゃない?横になる?と何度か聞いたが「いや大丈夫」と。「お尻が痛いんじゃない?横になると楽だよ」とも言うが、「大丈夫」。しょうがないので、「じゃぁ横になりたい時に声をかけてね」と、しばらく母の隣に座って一緒にTVを見た。
と、間もなく母の方から「はんけろむ?まりのやじ」と。見ると穏やかな表情であった。戻ったか???
母をベッドへ誘導。「ありがとう。世話になるね」
いやいや、いいよ。ゆっくり休んでね。
母、8時15分頃に就寝。
姉が9時半頃か?帰宅。わたし、シャワー中。その後、10時過ぎに停電。あれれれれ。こりゃ真っ暗。
停電中に母がトイレと言った時が大変だーーー、と思いつつ、回復する様子もないのでわたしたちもベッドへ。
2時頃、母の声で目覚める。いつの間にか電気が戻っていて、TVはついたまま、部屋も煌々としていた。母に時間を伝えると、「あらそう、ありがとう」と、再入眠。
今朝もぐっすりと寝ている。
6時40分、母に声をかけトイレ誘導。姉が「わたしのやってる方法を教えるね」と、デモンストレーション。素晴らしい!!介護素人だった姉がこの1年で独自のスタイルを見出したよう。心底、感動した。
その後テーブルへ誘導し、モーニングケア。
7時にお迎え。最初の夜に会った男性スタッフ、Iさん。
母が「どこへ行くのか」「なんで行くのか」と言っているのを聞き、お部屋まで入ってきて腰をかがめ、母に挨拶してくれた。ありがたい。
母、困惑の表情でデイへ。
姉と一緒に見送りながら、ちょっと今日のあの顔は不安そうだったね、と話す。それでも、デイへ行った方のが母にとってはきっと良いことなのだ、とふたりで言い聞かせた。